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103話 ◇◆教会大聖堂に行こう◆◇


「ふむ。 今回の話し合いは一方的に喋った様な気もするが……。 まぁマリア殿は話が通じる方でよかったな」


 魔王アイムは帰りながらぼそっと呟いた。

 --スススッ


「ん? 今、私の横を何かが横切った気がするが……」


 魔王アイムはバッと後ろを振り向くが横切った影はもうその場には居なかった。


 ——


「クロさん、この後どうしますか?」


「そうだな。 魔王アイムと別れ際少し話をしたのだけど、今——大聖母マリアと何か交渉をしているらしい。 挨拶と会議の結果を報告しに行こう」


「なら、教会大聖堂ですね。 私が場所を案内できますよ」


 ミーチェがズイッと前に出た。


「そういえばミーチェは教会の人間だったもんな」


「そういえばって何ですか!」


 ミーチェはぷくっと頬を膨らませながら泣くのを堪えている。


「本当にごめん。 冗談だよ」


 俺はミーチェに謝りながらミーチェの手を握った。


「ほへ? クロさんに……私の手握られている?」


 ミーチェはそう言い顔を真っ赤にした。


「はぁ……本当に分かりやすいですね……」


 アリサがぼそっと呟いた。


「いや、それアリサが言うのか……。 あんたも大概だぞ」


 とツッコミを入れそうになったが——ぐっと我慢し心の中でツッこむ魔王リーシャ。


「もう少し先に教会大聖堂があります!」


 ミーチェは指を指している。


「え? 指の先に何も見えないけど……」


 俺は尋ねた。


「あと数日歩けば着きますよ! すぐです!」


 ミーチェはニコッと言った。


「これ野宿する流れなの?」


 リーシャはウソッと言いたげな動揺した顔を見せている。


「すまない……。 いつも通りアリサ、よろしく」


 俺はアリサの頭をポンポンと軽く触り頼んだ。


「はぁ……。 初めからこうするべきでしたね。 ポンポンもらえたので別に無駄な時間ではなかったですけどね……」


 アリサがそう言うと、龍の姿に戻り全員を背中に乗せる。


「それにしてもカーミラ無言だよな……」


 俺はカーミラの方をチラッと見た。


「あ、ご……ごめんなさい! 魔王会議が意見通せてホッとしたのと命狙われた事とか色々考え込んでしまいました」


 初めて会った時とは、えらく態度が違ってこれはこれで新鮮ではあるが、会議中ずっと神経を尖らせていたのだろう。


「いや、こっちこそごめん。 休憩してていいよ」


「そ……それなら。 お言葉に甘えて」


 そう言いカーミラは牙を出しながら少し顔が赤くなった。


「ちょ、おい……まさか」


 カーミラはカプッと俺の指を噛み血を吸い、今にも——とろけそうな表情になっていた。




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