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100話 ◇◆冷や汗◆◇


「ふぉっふぉっふぉ、遅れてすまんかったな。 居眠りして遅れてしまったわい」


 竜族の長”黄金龍”のプロメは笑いながら言った。


「まさか今まで……一度も会議に顔を出さなかった貴方が来るとは思いませんでしたよ……」


 エルフのマインは呆れたように言った。


「まぁそう言うでない。 今までずっと穴篭(あなごもり)していただけじゃわい」


「貴方のような……大きな方が入る土の穴とは一体どれ程の大きさなのか気になりますね……」


「ふぁーあ、まぁ遅れた事はいいじゃないか 1人増えたのだからどちらかに投票して貰えば決定だろ?」


 堕天使アザゼルがあくびをしながら言った。


「プロメさんは地上人への進軍に賛成だべ? それとも反対だべか?」


 獣人達の魔王ケルが質問をした。


「そうじゃな……。 わしはどちらでもいいのじゃが。 お主先程から冷や汗が凄いのう? もしかして計画がバレたのかと冷や冷やしておるのかい?」


 プロメは相変わらず笑いながら質問をした。

 しかしその一言の瞬間周りの空気が一気に変わる——。


「計画って……?」


「おいおい、まさかとは思うけどさっきの獣人達の仕業か? まてよ、もしかしたら進軍派全員グルなのかもしれねぇ」


 アザゼルはケル以外の進軍派を見ながら言った。


「アザゼルが堕天使達のリーダーだった理由が分かった気がするな」


 俺はそんな事を心の中で思った。


「ふん、ばかを言え。 我は正直どちらでも良かったのだ。 そんな濡れ衣を着せられるくらいなら進軍に反対してやるわ」


 妖魔の魔王ゴーストは掌を返しケルを睨む。


「お、俺もだぜ。 ……ガハハハ! こいつがボロをいつ出すか……見張ってたのよ」


 ゴブリンを統べる魔王デッカも便乗した。


「私は命を狙われたのですからね。 もしそうなら絶対許さないですよ」


 吸血鬼のカーミラは牙をギラつかせた。


「ま、待ってくれ! そもそもその金ピカの龍があの”黄金龍”という証拠はないだろう! あいつが嘘を言っているに違いない」


「あれ? お前の口癖の〜〜べが抜けてるぞ? 焦っているのか?」


 アザゼルはニヤニヤしながら言った。


「わしが本物かどうか試すか? ケルとかいったな。 ほれ、かかってきなさい」


 プロメは他の魔王がゾクッとする程の殺気を放っている。


「ちょ、ちょっと気分が悪くなったのでこれで失礼するべ」


 ケルがそう言ってそそくさとこの場を離れようとしたが——。


「おい、あいつを捕らえろ」


 真っ先に声をあげたのは意外なことにデッカだった。


「あの布で顔を隠していた何者かも早急に探させよう」


「私に声を張れと言うだけの事は……ありますね……」


 エルフのマインは少しデッカの事を見直したのであった。


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