010話 ◇◆新スキル◆◇
「新しいスキルを試すか——」
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俺はスノウ・ウルフをテイムした後、ステータスを改めて確認していた。
テイマー Lv100
名前 クロ・エンジュ
年齢 20歳
性別 男
種族 ヒューマン
スキル
収納能力【Lv10】
敵引きつけ能力【Lv10】
使役術【Lv10】
魅了【Lv10】
交渉上手【Lv10】
複数同時テイム【Lv10】
スキル複製【Lv1】
???【Lv10】
「ん?——新しく複数同時テイムとスキル複製ってのがあるな」
『複数同時テイムとは、その名の通り複数体の生き物をテイムする事ができます』
「まぁそのままの意味だよな」
『スキル複製とは、テイムした生き物あるいは同じパーティーの扱えるスキルをそのまま扱う事ができます。 対象の生き物へ接触するのが条件になります——Lvが上がればスキル略奪も習得すると思われます』
「このスキルは、かなり使い勝手良さそうだ——使いこなすには、テイムをどんどんした方がよさそうだな」
◻︎
「シオン、モンスターの巣が近くにあるって聞いたが知ってるか?」
「あぁ、ここから北東に行った先にある」
「ちょっと、下見に行ってくるよ」
「僕も行こうか!?」
「シオンはここで街の人たちを探してくれ」
「わかった」
「アリサ、フラワー。 シオンと一緒に探していてくれ」
「わかったわ」
「はい、クロ様」
3人が見えなくなるところまで行くと俺は袋を開けた。
「スノウ・ウルフ、北東へダッシュをお願いできるか?」
「ウオン(もちろんです)」
「ウオオン(でもその前にお願いしてもいいでしょうか)」
「どうした??」
「ウオンウオオン(私に名前をください)」
「そういえば、名前をつけてなかったな」
「よし。 ビートだ」
小さい頃にプールで使っていたビート板と同じ毛色だからつけたとか言えないな。
あれプール…ビート板。
また分からない単語が不意に出てくる。
『スノウ・ウルフの名前が、ビートと登録されました。 パーティーメンバーはテイムスキルが無くてもビートの言葉が聞けるようになりました』
スノウ・ウルフ Lv55
名前 ビート
性別 オス
種族 獣種
スキル
俊敏力【Lv5】
氷耐性【Lv8】
威嚇【Lv4】
氷魔法【Lv10】
「おお、ってあれ?? ビートのレベルかなり高くなっていないか??」
「なんか袋の中のキラキラしたものを、食べていたらどんどんレベルが上がっていました」
「なるほど——袋に収納されてた経験値を無断で食べてたんだな」
「あ……。ごめんなさい」
「冗談だよ。 仲間だから強くなる分には構わないさ」
「一生ついていきます。 クロ様」
「ビート、ストップ。 おそらく——ここが巣だろう」
不気味なオーラをした禍々しい物体がそこにはあり、その下には謎の魔法陣が描かれていた。
「あれって壊せないのかな」
俺は壊す方法を考えたが、自分の手持ちのスキルではどうにもなりそうもない。
新スキルを習得する前の俺ならそう思ったに違いない。
「試しに複製したのを使ってみるか」
「クロ様、一体誰のスキルを複製したんですか??」
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