一月・3
「おじゃましまーす」
ん?
「失礼しまーす」
は?
「せんぱいご無事ですか?」
山口に続いて松元、青野、そして涼木さんの声がした気がする。
幻聴かな? だといいなー。
「おお、よくぞ集まってくれた精鋭達よ!」
おい玲華こら、ここお城じゃ無いんだけどなー、ヤダなーコワイなー。
とか、つっこむ気にもなれず、今は玲華が余計な事を言わないか、耳をそばだてる俺だった。
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「取り敢えず、お見舞いがてら様子を見たいんだけど」
「それがねー、どうやらインフルエンザらしくて、部屋に入るの禁止されてるんじゃよー」
お互いに面識ありまくりの山口と玲華が話をしている。
そこへ松元たちが割り込んだ。
「あ、いつぞや校門前で見た子だ」
「これがウワサの」
「知らないオンナです?」
「どうも改めて初めまして。ミキちゃんの従姉です玲華です同い年です独身です、家は隣ですよろしくー、っと、それどころじゃなかった。取り敢えずお粥か何か作らないと」
「今いくつかひっかかるセリフがあった気が……」
「というか、お粥?」
「だってトーちゃんったら、牛乳だけで風邪薬を飲もうとしてたんだよー、もー信じらんない!」
「それは……、マズイわね、あのバカ」
「さすがにせんぱいでも、すきっぱらにクスリはダメですね」
いやー、あまり大きな声じゃ言えないけど、感冒薬のPL顆粒って、倍量飲むとメッチャ効くんだよなこれが。
……良い子はマネしちゃダメなんだぜ?
「でも今からお米を煮るの?」
「ううん、炊いたご飯はあるんじゃけどー」
「じゃあアレだ、『入れ粥』にしようよ」
「何それ?」
「説明は後でいいかな? で、あと何があるの?」
「お味噌汁ぐらいだねー」
「おせち料理とか冷蔵庫に無かった?」
「かまぼことか伊達巻きなんかはあったけどー」
「消化によさそうなもののほうが良いと思います」
主に青野と玲華で話が進んでいるようだ。
完成までには時間が掛かるだろうし、今のうちに少し寝かせて貰おう。
人がいてくれるという状況に気が緩んだのか。
俺は布団を頭までかぶり、ウトウトし始めた。
「風邪薬の倍量一気飲み」は実際やったことがありますけど、胃が盛大に荒れるのでやらない方が良いです。
※お薬は用法・用量を守ってご使用ください。




