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バレンタイン×バタフライ  作者: 新田猫レ
20/71

八月・6

他の作家さん達を見ると、皆さん結構短いスパンで短期間に投稿していらっしゃいます?

参考にさせて頂き、自分も今後は短期間での投稿に切り替えていきたいと思います。

 翌日。

 叔父さんの車に乗せてもらい、美幸を伴って登校すると、ちょっとした騒ぎになった。

 特に青野と松元からは即座に追い詰め……、もとい問い詰められた。


「あれ誰? アンタのカノジョ?」

「なんでそうなる、大人の方は俺の叔父さんで、女の子は従妹だよ」

「て、転校してくるとかって話じゃ……」

「それもない。東京生まれのお嬢様が、なんでこんな田舎に好き好んで転校してくるんだ」


 微妙に田舎をディスってるようでちょっぴり罪悪感なのだが、ここが田舎というのは事実だし、彼女たちはそこで生まれ暮らしてきたのだ。それを当然のように受け入れた上で、更に話は続いたりする。


「え、アンタの親戚がなんでウチらの学校に来る訳?」

「あれ、知らなかったか? 従妹の方はともかく、叔父さんは毎年この時期に柔道部員の指導に来てるんだけどな」

「そうなの?」

「全然知らなかった……」

「まぁオレ達は屋外の部活動だし、体育館でやる柔道部や剣道部には基本関わりが無いからな」

「ふーん」

「それもそうか」


 納得して頂けたようで何より。

 ……が、そこでトントン、と背後から肩を突かれた。


「で、そのイトコさんは何しに来た訳?」


 振り返ると山口がいた。やけに笑顔なんだが、それが逆にちょっぴり怖い。と言うか何故ここにいる、今日は音楽室で度会先生と特訓じゃなかったか?

 まぁ聞かれたのだし答えはしよう。


「実はアイツも柔道部でな、自分の父親の勇姿でも見たいのか、見学したいと言い出した」

「へぇ」

「ご納得頂けてない様子?」

「そりゃーあの美人なイトコさんが、さっきからジーッと初川のことを見つめてればねぇ」

「は?」


 振り向くと美幸がサッと視線を逸らす。なんなんだ。


「制服姿が珍しいとかじゃないのか?」

「あっ、ホラまた」


 サッと振り向くとササッと逸らす。なんだか『志村ー、後ろー!』ごっこでもやってる様な気になるよ……なッ!


 サッ!

 ササッ!


「おのれ」


 サッ、ササッ。サッ、ササッ。サッ、ササッ。

 こうなると、ちょっと意地でもこちらを見ている証拠が掴みたくなる。

 しょうがないじゃない、人間だもの。


「お楽しみの所悪いけど初川」


 半分呆れた口調で青野が呼ぶ。


「いや別に楽しくはないが」

「そろそろ時間なんだけど」

「あ」


 陸上のグラウンドより一段高いところでは、部員達が集まって準備を始めていた。

 ガットの張り具合を見ている者、シューズのヒモを締めている者、ウェアの袖から制汗スプレーを……、ってここ外ですよ伊庭センパイ!?

 そういうのは更衣室で終えてから来て下さいよ、いやマジで。同級生男子がちょっと顔を赤らめちゃってるんですがそれは。


 俺の動揺は一旦コッチに置くとして。


 てことは、間もなく吉田もやって来る頃合いだろう。部活開始早々、誰かが怒られる姿というのはあまりよろしくない。

 と言うか、今日は伊吹先輩が頑張って来ているのだ。余計な心的負担を抱え込ませるのだけは、絶対に回避しないとマズい。


「悪いな山口、松元、話はまた昼にな」


 そう言い残し、俺は青野を伴って行為室 もとい更衣室に向かった。ええい!

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