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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

郷守鬼神奮闘録

作者: 病み期のセンチメンタリスト

ちょっとテンプレ感あるかもです。

「おいおいお前さん、本当にいいのかい?もしこの判決が下されりゃあお前さんは二度と戻れないんだぜ?」


「もちろんその程度承知済みですよ。でなければわざわざこんなところにまで来ませんから。」


「そうかい。じゃあ、、、


今僕は冥界で閻魔様の判決を待っている。僕は死んだ。娘に殺された。だが後悔はしていない。これにはふかーいわけがあるからだ。




始まりは、あの日。友人夫婦が妖怪退治をしていた時、突如現れた大妖怪と相討ちになった時だった。しかしこの結末は僕が道に迷わなければ防げたはずのものだった。だから二人が死んだのは僕のせいだった。彼らには僕を恨み、憎む権利があった。なのに彼らが最後に言った言葉は


「頼む。娘を、未霊子みれこを立派な大人に育てくれ。」


「仲間を守れる強くて優しい子に育ててください。親としての仕事を全うできなかった私たちの代わりに、お願い、し、ま、、、」


だった。


その日から僕は未霊子を善と悪の区別ができ、罪なき人を守れる強さとを持ち、仲間を愛し、大切にすることができる人間に育てるために愛情を込めて全力で育て上げた。悪いことをしたら叱り、正しいことをしたら褒める。そしてたくさんの友達ができるようにもした。僕は彼女がかなり悩みを自分の中に抱え込み、苦しむタイプの人間だともわかっていたから友達や家族に相談したほうがいいとアドバイスもしながら育て上げた。親バカみたいだなと思うかもしれないが善人でない僕にできることはこれくらいだった。彼女のただ1人の「肉親」として。


「未霊子〜!早くしないと寺子屋に遅れるぞー!」


「未霊子さーん!早く行きましょうよー!」


「2人とも待ってよー!おとうさん!行ってきます!」


「行ってらっしゃい。がんばってきてね。」


「うん!」


そろそろ頃合いだと思った。この日から僕は未霊子に1人でも生きていける術とそれに必要なものを整え始め、一年後、未霊子が1人でも生きていけると確信した僕は


『これから僕は旅に出ます。必ず帰ってきますので心配は要りません。PS:辛いことがあったならかならず友達を頼りなさい。未霊子には仲間がいるんです。そういう時に頼るのも友達というものなのですから。』


と書き置きを残して旅に出た。最後の旅だ。二ヶ月後、僕の意識は、、、一時消失した。


〜未霊子サイド〜

最近お父さんが私に1人でも生きていける方法を教え始めた。なぜだろう。どこかに行っちゃうのかな。そう思ったけどお父さんは何も変わらない毎日を過ごしていたからどこにも行かないと思って過ごしていた。でも本当は違った。最初に思ったことが正しかった。お父さんは書き置きを残して消えた。でもお父さんはこのために私に生きる術を教えてくれていた。必要な道具やお金も揃えてくれていた。だから私は友達も頼りながら過ごした。妖怪退治を生業として過ごした。この世界にはたくさんの種族が暮らしている。妖怪・人間・神様や河童、他にもたくさんの種族が暮らしている。神様や河童は大丈夫なのだが妖怪の中には悪さをする者がいる。そう言った妖怪を退治するのが私の仕事だ。友人にも手伝ってもらい仕事をしていた。妖怪退治をしているとときどき妖怪が一気に悪さをしだしたら他の種族が暴れだすことがある。これをこの世界では「反乱」と呼んでいる。この世界の創造者に対する反乱と捉えるのだ。ちなみにわたしや手伝ってくれている友達は創造者とも仲がいい。この世界の有力者とも繋がりがある。だから大抵の反乱は一週間もすれば治まる。けどあの「反乱」はわたしにとって過去最悪と呼べるものだった。


「やっぱりミカンって美味しいわね〜。コタツに入って食べるのは絶品だわ〜。」


「おいおい未霊子いいのか〜?仕事しないで〜。」


「そういう夢沙むさこそおんなじじゃない。人のこと言えないわよ〜。」


「まあ仕方ないよな。最高なんだから。」


「そうね。」


ガタッ。という音とともに襖が開けられた。


「2人とも!早く準備して!里で人型の何かが暴れてるって!強すぎて手に負えないみたい!」


「わかった。」


「すぐ準備するわ。」


すぐに私たちは里へ向かった。どこかはすぐにわかった。空を飛んで行ったのだがそこだけクレーターが何個もできていたからだ。


「大丈夫?」


わたしはけが人に聞いた。


「おお、嬢ちゃんか。1ついう。アレに手を出してはならん。強すぎる。」


この人は妖現ようげんさん。下の名前は知らないがとても剣術に長けており、妖怪すら斬ることが可能。そんな人が強いと言った。油断はしなかった。


「なに、、、あれ、、、」


そこにいたのは里の建物を徹底的に破壊し、消滅させる真っ黒の人型のナニかだった。


「夢沙!」


「わかってる。行くぞ!」


そういうと私たちはナニかに攻撃を始める。ナニかは一瞬戸惑ったかと思うと目で追うのも大変な速度で飛び去った。家に帰ってから


「なんだったのかしら、あれ。早いとこ退治しないと後々大変なことになりそうね。」


「そうだな。でもあんなのどうやって退治するんだ?一筋縄ではいかなさそうだぜ。」


「確かにそうです。ですがあなたたちが攻撃をすると逃げていったのでしょう?耐久性はないんじゃないですか?」


「そうだといいのだけれどね。」


この子は妖現斬葉きりは。里であった妖現さんの孫である。そう同様剣術に長けている。


「アレが纏っているオーラは見たことがなかったものだったぜ。あんな奴に勝てるのか?」


「勝つしかないでしょう?この世界《妖神人郷あかびきょう》を守るためには。」


そう。私たちはこの世界を守るために戦わなければならない。それがわたしたちの役目だから。


「だったら他の有力者たちも集めて作戦会議しようぜ。」


「そうね。呼んできましょう。」


一時間後、有力者たちが集まった。さとり妖怪の知真しれま千尋ちひろとその妹知真百々(もも)、吸血鬼のカブラハ・ブラーディと妹フレブロ・ブラーディ、妖神人郷の創造者の1人、村雨むらさめ翡翠ひすい、その使い魔である村雨珠妙こたえの6人だ。あと1人大妖魔の刀座こちなざ内海うちみもくる予定だが未着である。


「とりあえず作戦会議と行きましょうか。」


知姉「まずはそのナニかはどんな感じだったの?」


「全身が真っ黒というか闇に覆われていたわ。纏っている気配もアレほど濃密な『死』を孕んだ気配は見たことがないものよ。」


想像「あなたが感じたことがないって相当なものよ。」


吸姉「つまり過去最強格に入るってことよね?」


「そうなんだよ。あんなのがぽんぽん出てきたらこの世界崩壊しかねないぞ。」


吸妹「それは言い過ぎじゃない?」


創造「あながちそうとは言えないわ。おそらくソレが出現していた頃の里が存在する空間への負荷が普段の百倍近くになっていたわ。これまでの反乱では千近い数が暴れても負荷は普段の三十倍。だから普通に考えると反乱で暴れる奴らの3300倍。圧倒的強さを持っているってことになるわ。」


知姉「でも1人しかいないんでしょう?だったら数で押し切れば、」


「そうは行かないわ。おそらくあの感じからして空間もねじ曲げられる。そうされるとこっちが一掃されるどころか世界が崩壊し始めかねない。そうなったら終わりよ。」


吸知姉「どうしたものかなぁ。」


知妹「だったら壊れてもいい空間に連れて行けばいいんじゃないの〜?」


「それが一番かしらね。」


創造「それくらいなら簡単に作れるわよ。あとはそこにどうやって誘い込むか。」


「妖現さん曰く真っ先に強いものから襲う傾向があると考えられそうって言ってたからそこは問題ないと思うわ。」


吸姉「だったらいつ仕掛けるの?」


「とりあえず一週間後で。その間に暴れていたら各自鎮圧に向かうことにしましょう。」


創造「そうね。」


「じゃあ一週間後の朝10時にここに集合で。」


未霊子以外「わかった。」


「じゃあとりあえず解散しましょ。」


一週間後


特に何も起きなかった。だけどアレがどこにいるのかはわかった。山奥。誰も立ち入らない名前すらついていない山の頂上で破壊のかぎりを尽くしているらしい。全員で集合後そこの近くに移動。そして空間を創造し、討伐作戦を開始した。


「おいこらバケモノ!こっちだ!かかってこい!」


夢沙がバケモノを挑発する。するとバケモノは即座に反応し襲いかかってきた。


「今よ!」


村雨翡翠の合図で空間に飛び込む。そこで始まった戦闘は熾烈を極めるという表現では生温い程度のものだった。2人がかりで攻撃をするとバケモノは素手でそれを掴み、握り潰し掌から槍を撃ち出して攻撃してくる。それをなんとか躱すと他のメンバーが攻撃をする。しかし今度はそれを受け流して反撃してくる。それを防ぐと距離を詰めて接近戦に持ち込んでこようとする。それを他のメンバーが阻止すると言ったことの繰り返しだ。何度か被弾したがカバーし合い、回復することでなんとか相手を追い詰めた。ここまで18時間もかかっている。


「これでトドメね。眠りなさい。《幻想夢呼現げんそうゆめよびうつつ》」


といい、必殺技を打ち込む。これは大体のものは蒸発させられるほどの膨大なエネルギーを持つのだがそれを受けても胸に穴が開く程度だった。だが心臓の位置を消し飛ばしたので致命傷だった。


「やっと終わったわね。」


私たちがそう言って喜びに浸っているといきなり気絶していたさとり妖怪の姉が起き上がり倒れているバケモノを運んできた。そして顔を覆う闇に魔法で聖光を照射し続け消すとそこにあった顔は、


「うそ、、、でしょ、、、?ねぇ?うそ、、、なんでしょう?」


それは一年と少し前に失踪したはずの父親だった。


「ねぇ!?うそなんでしょう!?里を壊すなんてするわけない!里を壊すような人がわたしを育てて里を守れるようになんてしてくれない!」


未霊子の悲痛な叫びがこだまする。そこに知真千尋はこういう。


「残念ですがこの人はおそらくあなたの父君です。彼の心を少しだけ覗いてみたのですがそこには狂気や殺戮欲のなかわずかにあなたへの愛情と自制心がありました。あと、わたしが心をのぞいているのに気づいたのでしょうか、家の僕が寝ていた寝室の布団を入れているところの床板の下に地下室がある。と言っていました。」


「!?」


「未霊子、行く?」


「うん。もしこの人がお父さんなのだったら本当に地下室があるはず。確認しに行かなきゃ。」


「そう。私たちも付き合うわ。」


「ありがとう。」


そう言って私たちは家に帰り、寝室の押し入れの床板を外した。そこには


「嘘。本当にあったなんて。」


地下室への梯子があった。そこを降りていくとそこには沢山の紙や本、置物や写真があった。


「誰かしら、これ、」


手に取ったのは一枚の写真。そこには父親とおそらく夫婦であろう男女。あと妻であろう人に抱かれている自分があった写真だった。


「これは、、、えっ!手紙!?」


わたしはふと机の上に目をやるとそこには一枚の封筒があった。中身は手紙だった。読んでみると


『未霊子へ 

 君がこれを呼んでいるということは僕は死んでしまっているんだろうね。さて、早速本題に入るとしよう。簡潔に言おう。僕は君の父親ではない。血も繋がっていない。僕は君の両親の友人なだけで2人に育てるようにお願いされた。だから僕はきみをそだてることにした。


「どういうこと?」

あまりの突然のこと過ぎて理解が追いつかない。手紙を読み続ける。


君の両親に君を育てるように頼まれたのはちょうど12年前のことだった。2人は反乱解決のために戦っていた。僕は道に迷ってしまって合流できなかったのだが突然森の中から大きな叫び声がした。そこに僕が急いで向かうとそこにいたのは血塗れで倒れる君の両親と妖怪の姿があった。僕は驚いてその妖怪を行動不能にしてからすぐに2人の治療を始めた。だが手遅れだった。いかなる手段を用いても2人の治療はできなかった。2人は最後僕に「頼む。娘を、未霊子みれこを立派な大人に育てくれ。」「仲間を守れる強くて優しい子に育ててください。親としての仕事を全うできなかった私たちの代わりに、お願いします。」と言った。2人を死なせてしまったのは僕の責任だ。だから僕は君を育て上げることにした。そして僕は君に殺されることで最後の教育にすることにした。家族との別れ。これは君にとってとても辛いことだろう。だがそれを乗り越えないと人間はどこかに弱さを抱えてしまう。僕はこのことに躊躇いはなかった。大体三百年前にあった九鬼柱くきばしらの大反乱について話したことは覚えているかい?その中の1柱、強者:強鬼・修羅、それが僕の正体だ。僕はあの中で最強と呼ばれていた。だけどいつまでも大暴れしていることはない。どこかで必ず冷静になる。僕が冷静になってからは狂気に囚われ続けている同族を止め続けた。だけど自分の力では正気を取り戻すことはできないと悟ったから僕は自分を含め九柱しかいない大鬼神の八柱を滅した。しかしその時僕は自分を闇が蝕んでいく『蝕呪』というものを食らってしまってね。いつかは必ず自分も消滅するとわかった僕はそれからのがれるために全力で抵抗しつづけていた。その時だったよ。君の両親にあったのはあの2人は最強の夫婦として里では畏怖されていた。だがその優しさから人望もあった。殺人鬼とされている自分とは違ってね。でもあの2人は苦しむ僕に手を差し伸べてくれた。助けてくれた。蝕呪を抑える方法を教えてくれた。僕の正体を知っていて助けてくれた。なのに僕はそんな彼らを殺してしまった。これは僕の償いだ。君の偽物の父親から君に教える最後のこと。それは「善人と悪人を見分ける力をつけなさい。悪人は君の近くにいてもおかしくない。」ということだね。でもかと言って全員を疑い突き放してはいけない。孤立してしまう。孤独ほど辛いことはない。難しいかもしれないがこのことは忘れないようにしてほしい。さて、まだまだ書き足りないけどそろそろ締めるとしよう。窓の外を見てご覧。ちょうど今の時間だったら満月がきれいに見えているんじゃないかな。君を育てることになった日と同じ満月。この月を見るたび僕はあの日のことをおもいだす。忘れられない。君はもしかしたらこの日のことを思い出してしまうかもしれない。だけど悲しみを乗り越えないと人は塞ぎ込んでしまう。そうなってはいけない。友人を頼りなさい。仲間を頼りなさい。そのための仲間です。   君の偽りの父親 修羅より。


「うそ。うそでしょ?うそなんでしょ?ねぇ!嘘って言ってよ!ねぇ!あの時みたいに笑って嘘だよって言ってよ!ねぇ!お父さん!何が偽りの父親よ!何が九鬼柱よ!あなたはわたしのお父さんでしょ!血が繋がっていなくたってわたしを愛して育ててくれたでしょ!なんでそんなバカなこと言ってるのよ!ねぇ!」


私は叫ぶ。泣く。涙が枯れても。喉が枯れても泣き叫ぶ。これまで待っていた私を騙したのか。なぜ嘘をついたのかと。叫ぶ。泣く。叫ぶ。叫ぶ。泣き叫ぶ。返事は、、、こない。あの懐かしい声は、、、もう二度と聞けない。それを理解してしまい泣き崩れる。そしてわたしは最後にこう月に向かって叫ぶ。あの世にいるであろう父親に向かって叫ぶ。


「わたしは貴方の娘です!血が繋がっていなくても、人じゃなくても!貴方はわたしの父親です!絶対に忘れません!大好きです!おとうさん!」


と。


強者:強鬼・修羅サイド


気づくと僕は河原にいた。三途の川だろう。すると前から声がする。


「いらっしゃい。修羅。」


死神の死告しこく魂呼こんこだ。閻魔大王である魂告ここく輪廻りんねの部下であり死後の魂を判決の間まで導くものである。


「こんにちは。魂呼さん。はじめましてですね。」


「ああ。はじめまして。早速だが輪廻様がお呼びだ。ついてきてくれ。」


そう言って魂呼さんは歩き始める。それについて歩いているとしばらくして巨大な門が見えはじめた。


「いらっしゃい。ここが輪廻様が住み、魂に判決を下す地獄と極楽の門、冥獄楼だ。輪廻様のところへ案内するよ。」


「ああ。よろしく頼む。」


数分後、


コンコン

 

「輪廻様、修羅殿をお連れしました。」


「入りなさい。」


そう言って僕は部屋に入る。


「こんにちは。」


「こんにちは、輪廻さん。いきなりですが判決を下していただいてもいですか?」


「おいおいお前さん、本当にいいのかい?もしこの判決が下されりゃあお前さんは二度と戻れないんだぜ?」


「もちろんその程度承知済みですよ。でなければわざわざこんなところにまで来ませんから。」


「そうかい。じゃあ輪廻様、お願いします。」


「修羅さん、貴方に下す判決は冥界役人への雇用です。」


「え?」


僕は動揺する。それは当然だ。だって僕は同族とともに百万を超える妖神人郷の住民を殺し


「判決の理由は貴方は罪を犯しておらず、人を守り続けたからです。」


「え?なぜですか?だって僕はここの住民を」


「殺してなどいませんよね?むしろ守っていた。」


「え?どういうことですか輪廻様?」


魂呼さんは輪廻様に聞いた。すると輪廻様は手帳を取り出して開いた。


「ここには過去ここにきた魂の数と時間が記されています。そしてここからここまでの間のページが九鬼柱が暴れていた期間です。ですが亡くなった魂の数は普段と変わりません。どういうことかわかりますか、魂呼?」


「どういうことですか?」


「つまり彼は真っ先に正気を取り戻しお仲間が人を殺す前に自分の得意とする『模倣』の能力を用いて妖神人郷と全く同じ無人の世界を作りそこに九鬼柱だけを飛ばし、郷の人たちの行動を真似する幻を生み出した。そして九鬼柱たちは幻を攻撃し、本物の住民たちには街中で九鬼柱が暴れている幻を見せた。このことは間違い無く事実でしょう。文書には人が死んだ数は書かれているのに戸籍がある程度はしっかりしているはずの里でも犠牲者の名前が明記されていませんでした。つまり彼らが攻撃したのは幻。なので実際は誰も殺されていません。」


「ですが輪廻様、あの時、訪れる魂の量がすごく多かったですよ?」  


「それも幻です。すっかり騙されたしたよ。ですがあれが終わってしばらくしてから手帳を見てもその時期の記録にはなんの変哲もない普段と大して変わらない数しか書いていませんでした。その日からわたしはあの時何が起こっていたのか調べはじめたのです。その結果あの結論にたどり着きました。どうでしょうか、修羅さん。」


「、、、、、まさかバラてしまっていたとはね。」


「ってことは修羅さん、お前さんは、、、」


「はい。」


「そうか。苦労したんだな。」


「それで修羅さん、この判決、受け入れてくださいますか?」


「ひとつお聞きしたいのですがもしわたしがこの判決を受け入れた場合どう言った仕事になりますか?」


「貴方の仕事は郷の監視及び安定の維持です。こちらとしてはとてつもない戦闘力を持つ貴方にしてもらいたいのですが、受け入れてくださいますか?」


「輪廻様、わたしのこの魂、朽ち果てるまで貴女のために。」


「ありがとうございます。修羅さん。」


僕の生涯はこれで幕を閉じる。この後僕の娘が老衰で亡くなってから判決の間で再開して質問攻めにあったりしたがまた、これは別のお話で、、、

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