第1章 実際に出会ったらゴブリンだったとか笑い話であるけど、本人はつらいと思う⑤
とりあえずざっくりとした主人公視点になりますが、次か、次の次でゴーフルさん視点の話をする予定です。
主人公は基本的に波風立てずに引き上げる事しか考えていないため、淡白な文になってしまうことがよく分りました(汗)
このムキムキゴブリンは一体どういった存在なんでしょうか。でもゴーフルさんが日本語通じる、そして五武村で人が失踪したというニュースは聞いたことがない以上、文化的な接触が行える可能性は極めて高い。
「ゴーフルさんのお兄さんでしょうか?私はゴーフルさんの友人の坂本と申します。もしよろしかったら一緒にお食事などどうでしょうか?」
「オレ、オマエ、マルカジリ」
ゴーフルさんのお兄さん(仮)の口から涎が止まらない・・・サプライズゲストのサプライズ感半端ないなっ!!
とりあえず彼が冗談を言っている可能性も考慮して気の利いた一言でもかましておくか。
「わぁっ!!私なんか食べてもおいしくないですよっ!!代わりにこの串とかどうですか??」
「おぉ、それは美味しそうだな。しかし人が驚く姿を見るのは本当に愉快だなっ!」
さっきまでのムキムキゴブリンゴブリンさんがにっこり笑いながら串を受け取る姿を見て、自身の選択が間違っていなかったことと、当初の目的は変更する必要がないことを心で理解できた。
「もうっ(°ω°)!お父さんは出てこないでって言ったでしょ!私は坂本さんとゆっくりおなししてたんだからっヾ(*`・ω・´*)ノ」
「まぁまぁ、お父さんも未来の息子の顔くらい見ても罰は当たらんだろうと思ってな!そういうことで坂本君もゆっくりしてくれっ!今日は泊ってくれても構わんからな!」
ゴーフルさんの父親だったそのムキムキゴブリンが、笑いながら俺の肩を叩いてくるが乾いた笑しか起きなかった。
そしてゴーフルさんの方を覗いてみると顔を深緑にして俯いていた。昔のアニメでいう酸欠かな?
「まぁまぁ、私は夜から仕事が入っているので今日は夕方には引き上げてしまいますが、それまではじっくりゴーフルさんとお話させてもらえればと思ってますよ!」
若干照れた表情を装いながら筋肉ゴブリン(ゴーフルさんの父)に話しかけた。
ゴーフルさんも笑顔に戻ったのでこれで正解であったと思いたい。
とりあえず妙な珍客が現れた以外は特に問題なくバーベキューが終わり、ゴーフルさんとは今度行きたいところへ連れてってあげるという約束をして自宅へ引き上げた。
結論として、ゴーフルさんは基本的にゴブリンである点を除けば何一つ問題のないいい子であった。
しかし、現実問題ゴブリンが存在しているということが衝撃的な事実であり、恋愛とかそういうもの以前に距離を縮めず付き合っていった方がよさそうだと判断した。
これはあれだな、次の人を探そう。そう思い出会い系アプリを起動するとメッセージが来ていることに気づいた。
一件はゴーフルさんからであり、もう一件はメリアという女性からであった。
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件名:初めまして。
内容:私は貴殿と同じく壁地市に身を置くメリアと申す者である。
誰かを命を賭して共に歩むという生き方に共感し、このような文を送らせて頂いた。
私も職業柄、命を賭して守るものがあり、そう言った考えを持った方と意見交換をしたいと考えている
もしよろしければ連絡をいただければと思う。