第7章 異世界なんだから、テンプレ異世界で冒険しても良いでしょう③
見た所、私以外の3人組は元から知り合いのようで仲良く話をしていた。
一人目はマイヤー君といい、濃い青色の髪で純朴そうな青年である。どうやらこの3人の中ではリーダー兼前衛的な役割とのことらしい。
二人?目はコン太君という狐人族の青年だ。狐7:人3位の割合でイメージしていた獣人よりも狐で、全体的に黄色い子だった。この3人の中では偵察を主とした役割らしい。そして狐人の男性は~太で女性は~子という習わしがあるらしい。
3人目はカーラという緑髪のハーフリングの女性だ。見た目は少女かと思ったが種族的に小さいだけであり、本当の年齢は秘密とのことだった。役割としては後方での呪文と敵の密集を防ぐための妨害要因とのこと。
初心者ダンジョン入り込むにしてはずいぶんしっかりした編成だ・・・私?私はもちろん荷物持ちですよ。日々車の運転と機械の修理と営業しかしていない人間が、ファンタジー世界で戦う勇気あるわけないじゃないですか。
最初は荷物持ちで、倒せそうなレベルならディートさんから借りた片手剣が火を噴くということは念のためマイヤー君に伝えておいた。
さぁ、遂に初心者ダンジョンだっ!!
ダンジョン内部は白壁に覆われているが所々苔むしており、いい意味で時代を感じさせる作りとなっている。
通路の大きさも人が5人ぐらいは余裕で歩ける程度の大きさで、なおかつ原理は分からないが通路が薄明るくなっている。どうやら階層としては5層まであるが、基本的には訓練以外で使用されることは無く5層まで行く人間は疎らだとのことだ。
メンバーとの相談で今日は1、2階層を目標として探索することにしている。
先頭にコン太君、最後尾にカーラさん、真ん中にマイヤー君と俺という編成で通路を歩いている。
しばらく歩いていると、立ち止まってコン太君が右手でピースサインをしている。とりあえずこちらもニッコリピースサインで返す。
すると後ろにいたカーラさんに頭を叩かれる。
「出発前に合図確認したでしょ!前方敵2よ。」
冗談のつもりだったが、カーラさんには通じなかったようだ。
コン太君は理解していたらしく笑っていた。何この狐っこ可愛い。
するとマイヤー君が前衛に行き、コン太君が後衛にシフトする。それとタイミングを合わせて前方に2匹の影が見えてきた。
どうやら相手は犬型のモンスター代表であるコボルトであった。まだこちらには気づいていないらしくうろうろしている。
ついに初戦の開始である。普段は遠距離の射撃で終わらせるが今回は戦いを確認できるように近接戦をしてくれるとのことだった。
とりあえず初の戦闘に心を驚かせつつ戦いの幕が開けた。