第4章 酒は飲んでも飲まれるなという言葉は、飲まれて大変なことが起きた後に心で理解できる④
すいません!16日は21時更新になります!
「貴様!不敬だぞ!」
周囲の警備兵が集まってくるが何を言っているのだろうか。そもそも白の入り口で王がいるか確認したところで聞こえる訳ないんだから全然OKよ。
「なに、私は色々あって観光大使としてやってきた坂本という者なんだ。この超高級酒を魔王に飲ませたくて来たんだ。」
そう言って俺がカバンから取り出したのは、お気に入りのウィスキーであるロイヤルハウスホールドだ。日本と英国王室でしか手に入らない特殊なブレンデッドウィスキーであり、非常に飲みやすい。Theがないので安い方ではあるが。
数分後、「んまぁ~い!!」という叫び声が遠くで聞こえたので成功したということだろう。
その後どたばたという音と共に目に隈が入ったぼさぼさの女性が出てきた。
「貴様がこの酒を持ってきた坂本かっ!この酒はどこで用意したのだ!?」
「それは私の世界から持って来たんです。気に入っていただいてよかったよ!それよりもお姉さんが魔王様ですか??」
「あぁ、私が魔王のレアだ。この酒を今後定期的に入手する方法はあるのか?」
そう言って少し身だしなみを整えながら直接私に話をしてくれている。
ここは従者が伝えてくるみたいな社会体制というわけではないようでほっとした。
そうすると酔いどれ(さかもと)が急に天に右手を掲げだした。
「そうだな、俺と結婚してくれるなら喜んで持ってこよう。」
掲げた状態で指パッチンをして魔王を指さした。
その瞬間床に穴が開き、アホ(さかもと)が地面の暗闇に飲み込まれた。
「これ以上の不敬は我々が見逃せなかったので始末させて頂きました。」
そこから酔いどれ軍と魔王軍の争いの幕が上がった。
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そうか。そこで頭を打ってここに至ったわけか。
いや、でも待てよ。
「すいません、映像見ても結局あなたとは初対面じゃないですか!!」
「む、そうであったか。我が名はロウルという者だ。魔王閣下が腰のぜい肉を落とすためによく分らないダンスを踊っていたので魔界全土にそのダンスを伝えたらここに落とされてしまったのだ。まぁ、よろしく頼もう。」
こいつ、ろくでもない奴だぁ・・・だがしかし、ここからは出ない事には始まらないな。皆を上に待たせていることを思い出せたわけだしな。