第4章 酒は飲んでも飲まれるなという言葉は、飲まれて大変なことが起きた後に心で理解できる①
「カンパーイっ!!!」
今日は久しぶりにメリアさん達の所にお酒をもってお邪魔しに行った。
「坂本殿が持ってきたお酒は実にうまいなっ!これならば何杯でも飲めそうだぞ!」
そういってメリアさんはチリ産の安ワインをガブガブ飲んでいた。
確かにこのよくある中世風ファンタジー世界では、植物や果物の品種改良とか概念ないだろうし、発酵方法なども雑だからこっちの世界の飲み物のほうがおいしいのだろう。
よく異世界転移物小説を読んでいると、ご飯作って美味しいとかあるが、現代の植物・果物の味は非常に長い品種改良の結果なんだから中世世界の野菜類は美味しい訳ないんだよなぁ・・・
さて、そんなことは置いといて、せっかくだから現在世界のジャンクフードと飲酒パーティといきますか。
周りを見渡すと周りの兵士たちもこっちのお酒をガブガブ飲んでいる。ザキさんもニコニコしたままスパークリングワインをラッパ飲みしていた。
俺としてもここまで楽しい気持ちで飲んでいるのは久しぶりだ。今まで気を張ることが多かったし、仕事もだいぶ忙しかった。でも今ではこうやって美女と酒を飲み交わせている。
かれこれビールとワインとウィスキーを延々と飲み続けた結果、だいぶ出来上がってしまった。
そう、気持ちが大きくなった今なら何でもできそうな気がする。空も飛べそうだ。
視界がうっすらと白く陰っていく。これはさすがに飲みすぎたかもしれない・・・
・・・うぁあ・・・うぉぉ・・・
「・・・ん?ここは?」
激しい頭痛と共にうっすらと意識を取り戻してきた。
「やっと目を覚ましたのか。さっきまでゾンビのような存在だったぞ。」
誰だ、この人は。すっごい神々しいオーラだ。神か何かだろうか。
そしてここはどこだ?なんか大きい建物の中みたいだが。
「キョロキョロするな。貴様は何をしでかしたか分かっているのか。」
なんだろう、いやな予感がする。
「100人近くの女性に出会いがしらで結婚を申し込みながら、そこら中を歩き回っていたんだぞ。」
ん?詳しく話してくれ。




