第3章 オフ会などの集いに誘われたら、周囲の物やその人の持ち物を確認してみよう-⑥?
出さんが聡君に、何か呪文を唱えている。
「ちちんぷいぷい~♪」
呪文のセンス古っ!!出さんの実年齢が気になるわ。
そしてその古臭い呪文で聡君が宙に浮いてる!え、実際はそれっぽい呪文じゃなくても発動するんだなぁ・・・
「飛んでるっ!すっ」
ああぁ!聡君が浮いたまま天井に突っ込んでしまった。上半身が天井に埋まった聡君を皆が何とも言えない表情で見ていた。
「おい!俺のかわいい弟を謎のモニュメントに変形させて、ファンタジー感を出しているつもりなのか?そういう性格が自身の心と顔のそこかしこに皺を生むんだぞ。鏡をよく見てみるんだな。」
流石に兄として怒りをあらわにする岳だったが、鏡を出さんに向けようとした瞬間、身体が急上昇して弟と同系のモニュメントになった。
・・・なんで??失言が多すぎたからか、もしくはヴァンパイアみたいに鏡に映らないのがショックだからとかなのだろうか。
「まぁまぁ、出さんも落ち着いてくださいよ。ファンタジー住人であることを証明する前に敵として認識されてしまいますから。」
そう注意すると少しだけ頬を赤くしつつ出さんが笑っていた。
「久しぶりに力を使ったものなので加減が難しいんです。あの口うるさいのはどうでもいいとして、弟君には悪いことをしちゃったわ。うっかりの巻って奴ね。」
・・・岳のやつも随分嫌われたもんだなぁ。だがしかし、それ以上にツッコミたい。
「出さん一体何歳だよ!!このご時世でちちんぷいぷいとか何とかの巻って、やばすぎるわ!!昭和時代じゃないっすか!絶対に50は超えてr」
モニュメントが3つ出来上がったことは言うまでもないだろう。悪魔であろうが年齢の話を女性にするのはタブーだったのだ。