第3章 オフ会などの集いに誘われたら、周囲の物やその人の持ち物を確認してみよう⑤
「すいません、私も混ざってよろしいでしょうか??何分初めてでにぎやかな輪にお邪魔しようかと思いまして。」
とりあえず社会人としての仮面を被りつつ幹事さんの近くに陣取った。
幹事はニコニコしながら促してくれたので、つかみはオッケーな様だな。
「いやーたしか君は出さんが連れてきた坂本君だったかな?私はこの会の幹事で、メロスって呼ばれているよ。実は私も、出さんが人を連れてくることは中々ないので君達に興味があったんだ!」
うむ、流石に幹事なだけあってフレンドリーだな。しかしメロスって名前だからサンダルを履いているんだろうか。
「はい、私の名前は坂本です。まさか幹事のメロスさんに名前を憶えて頂けているとは驚きです!出さんとはひょんな切っ掛けで知り合ったような感じですよ。
こちらとしてはメロスさんやいろんな方々との出会いができたので感謝しかありませんね。」
そう話すと、メロスの顔がより深い笑みに変わったので、とりあえず感性が異常ということもなさそうだ。
「流石に出さんが連れてきただけあるね。是非私たちの輪を楽しんでいってほしいな!こうやって友人の輪を広げることで、人生にハリや夢を得る事が出来るからね。」
・・・こいつは中々図太いな。とりあえず有能そうに感じてくれただけ助かるが。
ここは出さんに話を聞いてるフリをして会話を探ってみるか。
「まぁそこは事前に出さんから話を伺ってますからね。今まで生きてきていた世界観が変わるようなことが多々あったとだけお伝えしておきますよ。」
合わせてニッコリ決め顔をかましておく。幹事さんは少しだけ驚いたような顔をした後に納得した顔をしていた。
「よし、それなら話が早いね。我々も実はだいぶ困っていてね。このままだと領民が飢える可能性があったのだよ。そこでうちの姫様がこうやって人間界で営業活動を進めるという話になった、という感じなんだ。
その点現地民で我々の仲間になってくれる人がいるとは非常に驚きだが、これでより安定した経済活動が行えそうだ。」
そう言ってにっこりしている幹事さん。だけど待ってくれ、またファンタジーなのか。しかも経済発展にマルチ商法だと??その姫様とやらは詐欺師か何かだろう。
結局3度目の正直になったことにガッカリしながらも、このまま現実世界にファンタジーなマルチ商法を広める訳にもいかないのでアドバイスをすることにした。
「いえいえ、こちらとしても非常に有意義な活動に参加できたと喜んでますのでお気になさらず。それよりも、人間界だとそろそろ解散する時間ですが、幹事として合図はされないのですか?」
「おお、そうだったのか。では今日はここまでということで話を終わらせるとしようか。」
うむ、一般人を帰らせてから、居残りで弁論をするしかなさそうだ。




