不自由の自由
書きたかったところになってきたので更新ペースは早めです。
僕のもとへ来た手紙は想像を絶するものだった。
レクラム国の王族から、しかも送り主は母様の友人だというではないか。
それにレクラム国の現状、多すぎる情報に頭を抱えてしまう。
確かにレクラム国とリセ国が争っているというのは知っているが、もうそこまで進んでいるとは知らなかった。
魔法使い、ひいては魔法戦士たちの戦争には僕たちのような死体盗掘人には興味がないからだ。
意外と思われるかもしれないが戦争で出た死体は売れない。
理由としては様々だが一つは状態が悪いものが多く、とても買い手がつかないのだ。
黒こげの死体や呪いにかかり黒ずんだ死体は医者でも買わない。
そして一番の理由は騎士が手柄として持っていってしまうのだ。
打ち取った相手の死体や本人の武具をもって帰ってしまう。当然僕のような人間は戦いが終わってから戦場に赴くわけだから騎士に遅れをとってしまう。
武具にだって刻まれた紋章から持ち主が判明してしまい、戦争に参加していない者が売ることはで出来ない。
それに誰だって命が惜しい、死ぬ前に降伏して捕虜になるものがほとんどだ。
このように僕たちが得るものがほとんどないのだ。
だから僕が知らぬ間にそこまで進んでいても不思議ではない。
それよりも不思議なのは母様とレクラム王家の繋がりだ。母様は過去を語ることが少なかった。
当たり前だが母様にも僕を生む前、僕の母様じゃなかった時があったのだ。
その時にできた繋がりなのだろう。
それに送り主は友と書いた、なら母様のことも知っているかもしれない。
実際に助けれるかは別にして、会ってみるのも悪くない。
それに母様の友人なら見捨てるわけにもいかない。
手紙の送り主に会いに行こうと決心した僕だが、現実に目を向けるといくつも問題が浮かび上がってきた。
まずはどう彼女らを逃がすかということだ、手紙には娘もいるとあった。
つまり二人を国外に出さなくてはいけないということ、当然人数が多いほどリスクが大きくなるし手間がかかる。
そしてタイミング。
厄介なことに手紙には何日の何時、何処でといった情報がない。
頼む立場としてありえないことだが、こういったことに不慣れなのだろう。
普段は言葉にすればすぐに叶う生活をしていたに違いない。下の人間の苦労が垣間見える。
…やはりこの世界で本当に力を持つのは魔法ではない。
アリスと同程度の魔法が使えても結局は僕の助けがいるらしい、彼女の魔法がどれだけのものか、僕が身をもって知っている。
その魔法でも駄目だという不自由に僕は僕の自由を感じた。
ならクラ・レクラム・ガーネットを助けるのは魔法を使わないで生きてきた僕だからこそ出来る。
まず情報を集めなくては。
忙しい一日に珍しく気分の高揚を感じる。
評価、ブックマークお願いします。




