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半日ぶりくらいに地面に足をつけたことになる、背筋を伸ばしながら横目でほかの乗客たちを観察すると、宿を探す者や朝市を観に行く者とまばらに散っていくようだ。


僕も次の馬車を見つけないといけないが、この時間から走る馬もいないだろう。

現に僕が乗っていた馬車の馬もこの国で休ませてから帰るようだ。

馬の生態に詳しいわけではないが早くて昼くらいだろう。


 それまで一休みしたい。 

 そう考えると宿を探す人たちについていかなかったのは失敗だったな。

 慌ててその人たちの後を追った。


 

 見つけた宿で仮眠を数時間ほどとった頃にはもう昼と言って差し支えのない時間だった。

 安宿にしては愛想のいいおかみに弁当を作ってもらい馬車の停留場の場所を聞いて外に出る。

 往来は朝と比べてかなりの人がいたが、それでも朝と比べればに過ぎない。

 僕の国のクラフト家の時計台と比べれば、いや、三大魔術遺産と比べるのも酷だけどあそこが祭りだとするならここは休日くらいの人数だ。


 一応この国の都に来てるんだけどな。

 これは隣国のレクラムが戦争しているとばっちりかもしれない。

 出ていく人間はいてもこっちに来る観光客や旅行客が減っているんだろう、そう考えればあのおかみの態度は久々に来た外からの客への印象付けだったんだろうな。

 

 停留所には多くの人間が居たがレクラム国近くの町へ向かう馬車に乗る人間は僕以外いなかった。

 まず御者にお間違いないでしょうかと聞かれ、中に入ると従業員にも同じことを聞かれた。

 

「レクラム国じゃなくてその町に用があるんです」

 

 そういうと今度は疑うような目で見られた。

 

「なら、よろしいのですが。

 レクラムは変な噂もありますからねぇ」


「……噂ですか?」


 まさか異端の子のことではないだろうな、こっちはその情報のために高い金払ってんだぞ。


「ええ、なんでもあそこで魔力が安定しないとか魔法の効きが悪くなるとかそういう噂で、確証があるわけではないんですがね」


「それは、少し気味が悪いですね」

 

ぼくにはあまり効果はないようだけど。


「それにあそこは今戦争してるからよそ者に厳しいと思いますよ。

どうしてもってんじゃなきゃ辞めたほうがいいですよ。」


「ご忠告ありがとうございます。

町にしか行かないので大丈夫ですよ」


「そうですね、失礼しました。

それなら言うことはありません」


「お気になさらず」


 それを最後に従業員は後ろに下がっていった。


 魔力が安定しない……ねぇ。

 レクラム国では一体何が起きてるんだ。

 それが僕の仕事に関わらなければいいのだが。


ブクマ、評価ありがとうございます!

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