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馬車①

こんな時間に投稿しますのだ

 最後にと掲示板を確認したが、やはりレクラム国に直接向かう馬車は無かった。


準備を終えついにレクラム国へ向かうことになった。


当然レクラム国は歩いて行ける距離ではないので馬を使う。

馬とは別に魔法で瞬間移動するという方法もあるが魔法が使えない僕には不可能だし、そもそも、そんな高度な魔法が使える奴はほとんどいない。

 呪い破りのアリスだったら使えるとは思うが事情を話すわけにもいかなかったし彼女だって戦争中の国に行きたいと思わないだろう。

 

 そうなるとやはり馬を使うしかないわけだが、国が運営している馬車で、つまり僕の国か

ら直接行ける国は治安が良い友好国しかない。

 

絶賛戦争中のレクラム国は省かれてしまったようだ。


それでも国家間の移動ができるのは昔に比べればだいぶ便利になったと言われているがそれが当たり前の時代にいる僕には実感がわかないね。

むしろ、今みたいな状況に不便を感じる。


つまりレクラム国に向かうには何度か乗り継ぎが必要だった。


 まずこの国から隣国へ行き、そこから最寄りの町へ行きやっとレクラム国に着く。

 おいおい改めて確認すると結構面倒だぞ、あっちから迎えを出して欲しかった。

 そもそもあっちから僕のところに来てほしいが、戦争中に王妃と娘が他国に行くというのは難しいのだろう。

まあいい、今更迎えを出される方が迷惑だ。

それに囚われのお姫様のもとへ向かう騎士の役割を仰せつかったと考えれば名誉なことだ。


……おかげでここ2日はほとんど仕事もできなかったが。


 

 停留場にある馬車の中から目的地行きの馬車を見つけたのは着いてすぐで、

2頭のくたびれた馬に四角い部屋がそのままくっつけられたような馬車が佇んでいた。

 馬車との段差を一足で駆け上がり乗り込むと拡大呪文を使った広さの車内にはまばらな乗客に乗客より多く残された空席が見えた。


 僕は寝ている男の後ろの席に座り、隣の席に荷物を置いていると、


 「お客さま、この馬車はライム国行の馬車になっております。

お乗り間違いはないですか?」 


 青い制服の男――従業員が話しかけてきた。


 「ああ、大丈夫だよ。」


 「それならよろしいのです。

 では失礼します。」


 そういうと従業員は下がり前の男へ僕と同じことを聞いていく。

 乗客全員に最後の確認をしているのだろう。


、寝ていた前の男は従業員に起こされ恨めしそうに答えていた、だが従業員が去ると僕の方へ振り返り

 

「兄ちゃん、次あいつが話しかけてきたら代わり兄ちゃんが受け答えてくれ。」


と言ってきた。


「嫌です。

それになんて受け答えするんですか。」


「そんなもんテキトーに答えときゃいいんだよ。」


「あなたこそ適当じゃないか!」


突然、ほらこれやるから、と男は小さなビスケットの袋を投げてきたのでキャッチすると、


「受け取ったってことはいいってことだぞ。」


と言い放ち前へ向き直ってしまった。



そして馬車が出るころにはすっかり寝息を立てていた。


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