プロローグ
こんにちは げんきだま というものです
@ZdhHla6TndUTAhu
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弱い奴ほどよく笑う。
殴られても笑うし馬鹿にされたってそうだ。
それ以外の感情は見せれば要らぬ災いを呼び寄せるものだから。
笑顔は最大の無表情でもある。
そのことに気づいたのは僕が十一の時、ふと鏡を時だった。
愕然とした。
口角を上げている口とは裏腹に目が笑っていない自分がそこにいた。
屋台で並べられた魚たちの目によく似ている。
物理的には何かを見ているのに何も映さない目、なんの手入れもしていない髪。薄汚い頬、
当時は母様が生きていたから服はいい物だったがそれが逆にちぐはぐな雰囲気を醸し出していた。
当時から虐げられていた僕は身なりを整えてもすぐ駄目にされてしまうので諦めていたが、それでも母様は僕のためにと良い服を与えてくれた、今思えば母様の僅かながらの抵抗だったのだろう。
僕の笑みを母様はどう思っていたのだろうか。
そんなことをいまさら考えてしまうのはやはり鏡に映るこの顔が僕の意思に反して笑みを浮かべているからなのだろう。
外出前に身だしなみを確認するだけのつもりだったのに随分と考え込んでしまった。そろそろ出たほうがいいだろう。
一つしかない余所行きの顔で待ち合わせ場所に向かった。