狩る者と狩られる者・・・
彼女の為にドラゴンの逆鱗を取りに行きます。の続編になります。
提案を受け入れてくれてほっとしている時に、1人の男が駆け込んできた。
「助けてくれ」
「仲間が大きな魔物の集団に襲われている」
「助けてくれ」
装備もボロボロで必死戦い必死に走ってきたのが分かる。
「わかった」
言葉を返すと、アーサーと団員は男と共に助けに向かう。
俺とハイネも急いでアーサー達を追う。
20分ぐらい走り奥に入っていったころ。
男の仲間が、必死になって戦っていた。
「これはまずい」
思わず言葉が出る。
4・5メータークラスホオジロザメの魔物の集団に襲われているのだ。
かなり血を流している冒険者や動けなくなっている者もいる。
かなりまずい状況だ。
騎士団の団員たちも二の足を踏む状況に俺が強気な言葉を発する。
「俺が道を切り開くから、退路の確保をたのむ」
「ハイネさん、ファイアーボール撃てる?」
余裕無く聞く。
「撃てます」
即答である。
「じゃ、俺の後ろを走って付いて来て」
「それで、このビンをぶつけた魔物にファイアーボールを打ち込んで」
「じゃあ、いくよ」
「了解」
大きな声で返事が返ってくる。
俺は走り出し、ハイネは直ぐ後を付いて来る。
冒険者の周りを取り囲んでいるサメにビンを投げて見事に命中すると割れたビンから液体が出てきて、サメの皮膚に付着する。
「いまだ」
俺は叫ぶ!
「*************」
ハイネの詠唱と共にファイアーボールが発射されサメにヒットした。
すると、先ほどの液体に引火し、サメが燃え出す。
燃え出したサメは、今まで受けたことの無い攻撃に驚いたみたいで、ここからいなくなる。
このビンには、レイラのお店で無理を言って小分けにしてもらったアルコール度数90%以上のお酒が入っているのである。
手持ちで15本ほど用意している。
ただ、俺はいなくなったのを確認する事無く、次々とビンをぶつけていく。
ハイネもファイアーボールをぶっ放して、サメに火責めをしていく。
10匹ぐらい撃退しただろうか、冒険者の下にたどり着く。
まだまだ、囲まれているがアーサー達が退路の確保に成功したので殿を努めて、撤退に入る。
その時である、今までいた4・5メータークラスのホオジロザメの魔物がクモの子を散らすようにいなくなったのは・・・
「たすかった」
騎士団員と冒険者は安堵の表情をだして喜ぶが。
異常な魔力を感じた俺はすぐさま叫ぶ。
「まずい、大物が来る」
サメは同属でも捕食対象だ。
明らか大きさが違うと食べられるから、大きな個体が現れる前にいなくなると聴いたような気がする(前世で)
辺りを警戒しながら撤退していると。
「ドッカーン」
音と共に、視覚外よりシャークアタックである。
撤退していた騎士団員と冒険者の数人がいなくなる。
新たのサメを確認すると。
「大きすぎる」
この言葉しかでなかった。
先ほどのサメの体調で3倍くらい、全体の大きさで5倍くらいの大きいと感じるホオジロザメとは違う魔サメの王が其処にはいた!
俺を含め、全員が動揺する。
「まただ、あきらめるな」
さすがアーサーであるいち早く気持ちを建て直し檄を飛ばす。
「おう!」
気合だけで返事をする俺。
気持ちを立て直した俺たちは魔サメの王から目線をはずさず徐々に撤退していく。
おれは、先ほどと同じ攻撃をして追い払おうと考えるが、ハイネが10発以上連発してもう無理そうなのであきらめアックスを右手に持ち、全身に強化魔法を掛けて迎撃体制に入る。
魔サメの王は俺たちの周りをぐるぐる回りながらチャンスをうかがっている。
極度の緊張がその場を支配する。
「うっ」
ハイネの後ろで撤退していた冒険者から言葉が漏れた。
体の限界だからだ。
ただ、その隙を見逃してはくれなかった。
「ドッカーン」
音と共に二回目のシャークアタックである。
声を出した冒険者はいなくなり、数人が弾き飛ばされるその中にはハイネも含まれた。
「ハイネー」
俺は大きな声で叫ぶが返事が無い。
気を失ったみたいで絶対絶命だ。
3回目のシャークアタックが即座にハイネに向かっている。
ハイネの下に走り出し、ハイネを左腕で抱え、ダイブ一番回避する俺たち。
からくも回避するも、転倒している二人。
すかさずシャークアタックをかけてくる魔サメの王。
すばやく立ち上がり、アックスに魔力を込めながら魔サメの王に走り出す。
アックスは真っ赤に輝いている。
「ハッ!」
ジャンプ一番、シャークアタック中の魔サメの王の鼻先ぐらいの高さまでとひ上がり、両手で力いっぱい、真っ赤に輝いているバトルアックスを振り下ろす。
「ドゥリャァァァァァァ!」
確かな手答えを感じながらも、シャークアタックの衝撃を体に食らい吹っ飛ぶ俺。
俺の記憶はここで無くなった。
「ウッ」
痛みで目が覚めた。
ハイネがクララが横に居るのがわかる。
「よう、無事だったか」
ハイネを見ながらやさしく声を掛ける。
ハイネは俺に抱きつき、大泣きを始める。
クララも涙目になりながら、アイルとアーサーを呼びに行く。
「よう、色男」
アイルの挨拶である。
「よかった」
アーサーはほっとした表情だ。
ハイネはまだ大泣きである。
アーサーから、ことの顛末を聞いた。
俺の一撃は、魔サメの王の頭部を二つに勝ち割ったのだが、シャークアタックの勢いをモロに食らい吹き飛んで、気を失ってしまったらしいのだ。
助けに行った冒険者は、結局二人しか助からなかったらしい。仕方の無いことだが。
ハイネはアーサーから、自分を庇い魔サメの王と戦って助けてくれた事を聞いて、カイがこのまま意識が戻らないのではないかと気が気ではなかったらしい。
ずっと、横にいて看病をしてくれたとの事だった。
クララも生還したみんなに回復魔法を掛けまくり、体力・魔力の限界まで頑張ってくれたらしい。ありがたいことだ。
「ハイネ、痛いから、離してくれないか」
弱弱しく声をかれる
ハッと気が付いて離してくれたが、鳴き過ぎで目の周りが真っ赤であるが、すごく嬉しそうに微笑んでくれた。
「それより、あれどうしようか?」
魔サメの王の死体をベースキャンプまで運んできていたのである。
あの巨体をどうやって運んだのだろう?
「アーサー、あれ王家で買取できない?」
「きっと珍しい物が取れると思うから」
「それで駄目なら、レイラのお店かギルドで買い取ってもらおう」
俺が提案してみる。
「じゃあ、早馬を出して上奏してみる」
「じゃあ」
席を立ち部下に指示を出しに行くアーサーを見送るとアイルが一言・・・
「カイ、おまえ化け物だろう」
「あんな、化け物を倒してしてしまうなんて」
「しかも、ハイネを庇って」
あきれながら話をするアイル
「あの時は、何も考えてなかった」
「ただ、倒すことが助かることと思っただけだよ」
素直に答える
「カイ、やっぱお前はすごいわ」
「お前には勝てん」
その言葉を残し席を立つ。
今回の依頼もどうにか生き残れた。
早く部屋にかえりゆっくりとしたいと思う俺であったが。
帰ればいつもの生活が・・・・
素人の投稿作品です。
温かく見守ってください。
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