表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/5

帰ってきたら

念のためR15を付けています。

「いらっしゃい」



この物語は、また、この言葉から始まった。



「よう、失恋王!」



昼間から冒険者ギルド併設の食堂から、声がかかる。



「うるさい!」



そう言いながら、右手を軽くあげる。

あの騒動から俺のは面と裏の二つ名がある、表の二つ名は史上最高のFクラス冒険者で裏の二つ名が失恋王である。

あの騒動は町の皆んなが知っているので、ギルド内では裏の二つ名で呼ばれる様になった。



何時もの日課でクエストの依頼(Fランク)を見ていると、背中に獣の殺気に近い気配を感じ悪寒が走る!




「カイ様、おはようございます❤️」



挨拶をしながら俺の左腕に腕を組んでくる。



「おはようございます。ハイネさん」



挨拶を返しながら、組んで来た腕を外そうとするが外れない。



「失恋王、新しい恋が見つかって良かったじゃなえか」

笑いがギルドを包む。



「うるさい!」



ギルドの皆んなに返す。

また、笑いが起きる。



「ハイネさん」



声を掛けながら、目線を合わせたら…

体が硬直する、蛇に睨まれたカエル状態だ。

俺はナメクジになるんだ、なるんだと心の中で念じながら物静かにこえをかけだす。



「ハイネさん、貴方にこの様にして頂ける関係では無いので、離してください」



仕方なく、離してくれたが負けてない。




「カイ様、クエストをお探しの様なので、一緒にクエストに行きませんか?」



ため息をつきなが返事を返す。



「貴方のパーティーはDランク、俺はFランク一緒に行けるクエストなんて在りません。残念ですが俺は、一人で薬草採取のクエストを受けますので」



一人で行くとアピールするもハイネも諦めない。



「パーティーは抜けました、貴方とパーティーを組む為に!」

「カイ様、私とパーティーを組んで頂けませんか?」



ハイネの勧誘に冒険者ギルドの雰囲気が変わる!!!

すかさず、他の冒険者達が声を上げて始めた。



「お嬢、カイは皆んなパーティーに入れたいんだ、抜け駆けはいけないな」

「ギルマスの娘さんでも、これは譲れないなあ」



冒険者ギルドの中、全体で勧誘合戦が開始された。

お酒が入っているので、収拾が付かなくなっていく。



そんな中。



「失礼いたします」



冒険者ギルドには似合わない、異国の衣服を身にまとった女性がたっていた。

冒険者ギルドの荒くれ者が邪魔をするなと声を掛けようとするが、目が合っただけで、真っ青になっていく。



俺の方に向かって歩いて来る。

ハイネは、俺の前に出て女性と対峙すること数秒で失神して、崩れ落ちる。

俺は、とっさに、ハイネを抱きかかえる。

何もされていない。



ギルドに沈黙とが流れる。

緊張感がこの場合を支配する。



異国の服をまとった女性は、静かに俺前まで進み静かに瞳を覗き込む。

女性と目を合わせると、背中から冷や汗が吹き出ているのが分かる。

この人は俺達とは次元の違う強者(つわもの)であるのが一目で分かる。

ただ、この人から目線を逸らしたら駄目だと思い必死に耐える、心の中では逝く覚悟である。



「良い覚悟です」



静かに女性が語る



「ナサリーも良き人を見つけましたね」

「はじめまして、ナサリーの母です」

「あの人に勝つ人族がいるとナサリーから聞いたので、会いにきました」

「あの子の事、よろしくね」



「それと、これは忠告」

「あなたは、これから人族の(ことわり)から離れて行きます。もし、困った事が遭ったら私達のところまで尋ねてきなさい」

「良いですね」



「はい、分かりました」



返事をするのがやっとであった。

すると異国の衣服をまとった女性は、静かに冒険者ギルドから帰っていった。



女性が出て行くと、冒険者ギルドのハンター全員が超緊張感から開放され、数人は床に座り込んでしまい動け無くなっていた。

もちろん、俺もハイネを抱きかかえたまま、崩れ落ちた。

とてつもないプレッシャーを目の前から受けていたそんな感じだ。

背中は冷や汗でベッタリしている。



「世の中には、すごい人がいる」



この言葉にギルドメンバーは頷くのであった。

今日はもう止めや!

こんな気分でクエストは行けない。

ハイネをギルド職員に預けると。

お昼ご飯を食べて帰ることにしたのだが、冒険者ギルドに俺を訪ねて、商業ギルドのギルマスの使いの人が現れた。



「先日の件で、お店まで来て頂けないかと思い、お探ししておりました」

「ご足労いただけますか」



使いの者が困った顔をわしている。

正直行きたくないのだが仕方が無い。



「わかりました」



渋々承諾である。

そんな、こんなでお店に到着。

別室へ通されると、店主のジミーが出てきて今回の件のお礼と娘の非礼を詫びる。

ただ俺は、気にしていないので恋愛だけは当人の意思ですからと返答するしかなかったのである。

そして、本題に入る前に、レイラさんが飲み物を持って来てくれて父の横に座る。

ただ目線が怖い、自分が小動物になった気分である。



「さて、本題ですが先日のドラゴンの逆鱗を私共で買取させて頂けないでしょうか?」

「買い取り金額は頑張らせて頂きます」



この話は、予想していなかった。

立ち消えになったとばかり思っていたので、買って貰えるのは此方としても有り難いのだ。

これで、新しい武器と防具を作る事かできると思った。



「是非、お願いします」



店主のジミーとレイラさんが安堵の声をあげる。



「では、買取金額は五千ゴールドで如何でしょうか」



見たことの無い金額の定時であるが、即答はしない、これは交渉である。



「う~ん」



悩んだ振りをしていると。



「では、これだけ上乗せさせていただきます」



上乗せ金額は千ゴールド。

上乗せ金額でもすごい金額だ。

頭の中で大喜びだ。



「では、これでお願いします」



我慢しきれずにOKを出してしまったが、これから要勉強という事であろう。

逆鱗の適正買取金額っていくらだろう。

考えても答えが出ない。

ドラゴンの逆鱗なんて時価しか無いよねと自己完結してしまう。

ただ、これだけ高額で仕入れても、売れる当てが有るだろう事は容易に想像がついた。



「良い取引でした」

「ただ、お金は後日にご用意させて頂いた方がよいかと思います。いきなり大金を持って帰ってもなにかと困るでしょうから」



「解りました。このお金の管理をどうするか、これから考えます」



握手を交わす。



「そうだ、腕の良い武器職人と防具職人を紹介頂けないでしょうか?」

「あたらしく作り直さないといけないので、お願い出来ないでしょうか?」

「俺みたいなFランク冒険者では、買いに行っても相手にされないので」



商業ギルドのギルマスの紹介なら無碍にもされないだろう。



「お父様、私がカイ様と同行して紹介してきますわ」



横に座っていたレイラが言ってくれる、ただ目は俺をロックオンしている。

猛禽類に狙われているみたいで怖い。

自分が獲物になっているのが良く分かる。



「請求は家に廻して貰いなさい」

「レイラ頼んだよ」



この会話が怖い。

背中に悪寒が走った。

親子で俺を取り込む気だ!

御宅の娘さんに振られたばっかりなんですがと、心の中で叫ぶのであった。





お店を出て紹介してくれる武具屋さんに、二人で向かうのだがレイラさんが俺の腕に抱きついて来る。

周りに見せつけようとしている。

この男は私の物よと。



これはまずい、外堀を埋められる前に脱出せねば。



「レイラさん、くっつき過ぎです。少し離れて頂けますか」



大きな声で周りに聞こえるように。



「いえいえ、人混みで離ればなれになったら困るので、このまま行きましょう」



レイラも負けていない。



「この時間は、混んで無いので大丈夫ですよ」



俺も切り返して、組まれた腕を引き離す。



「ちぃ」



舌打ちが聞こえた。

怖い怖い。

ただ、紹介して貰わないと一流の武具商人との繋がりが持てない、上手い事距離を置きながら対応せねばなるまい。



そんな事を考えながら、レイラさんと武具店に向かう。

雑談をしながら、また、手を繋ごうとしてくるのを交わしながら。



そんなこなんで、武具店到着。



「こんちにはー」



挨拶をしながら、レイラと店内に入っていく。

こんな一流のお店は初入店である、Fランク冒険者では相手にされないお店である。



「いらっしゃいませ」



店員が奥から出来て対応してくれる。

レイラさんに気が付き、すぐに別室に案内される。俺もその後に付いて行く。

こちらでお待ちくださいと言葉を残し、ご主人を呼びに店員は、奥に消えて行った。



「お待たせしました」



武具店のオーナーが出来てくれる。

一通りのあいさつの後、本題に入る。



「武器と防具を探しています」

「こちらのお店の武器と防具を見せて頂けないでしょうか」



俺から話を切り出す。



「失礼ですが、ハンターランクはいくらですか?」



オーナーの質問が来る。



「Fランクです」



素直に答える俺。



「申し訳ないのですが、Fランク方が扱える、武器と防具の取り扱いが無いのです」

「他のお店を回って見ていただけたらと思います」



一流のお店はどうしても、高級品ばかりで駆け出しハンターには購入が無理なのが普通なので遠回しに断られるのである。

すかさず、レイラが口を挟む。



「私の彼氏にして、未来の旦那様であるカイ様は、先日、妹の為にドラゴンの逆鱗を取って来てくれた方なのです」

「代金は私の家が払います。腕はドラゴンと対峙して生還できる凄腕です」



この言葉を聞いて、オーナーの態度が変わる。

噂話には聞いていたのだろう。

ドラゴンの逆鱗を持って帰ってきたFランク冒険者がいる事を。

この言葉を聞いてすかさず反論する俺。



「レイラさんの彼氏でも無いし、未来の旦那様でも無いですが、またまた、運がよく生還する事が出来ただけです」



この言葉を聞いて、獲物を狙う猛禽類になっているレイラさんが横にいる、怖くて、其方を向けない。



「ゴホン!」

「失礼いたしました。そこまでの凄腕の方でしたら当店の武器を是非、お試しいただけないでょうか?」



武具店オーナーは、支払いが大丈夫なのを理解して、武器と防具を持って来る様に指示する。




防具は、簡単に決まった。

軽装備な上に、フットワーク優先だからであるが、皮製品の最高級品である。

値段は、金貨30枚である。

前の俺からしたら、考えられないくらい良い防具だ。

ただ、武器は一流品ばかりで、ドラゴンとの対戦前ならどれでもOKなのだが、どの武器を、手に取ってもしっくり来ない。

仕方なく、防具だけ頼んで他の店を3店も回るも、空振りに終わった。

一流の武具店は、全て回った。在庫の物はダメだった、あとはオーダーメイドを頼むしかない。

こんな事を考えながらも、レイラさんを自宅まで送って行く。



「レイラさん、今日はありがとうございました。」

「レイラさんのおかげで、一流の防具を選ぶことが出来ました」



きちんと目お見てお礼を言う。



「カイ様とわたしの関係ですから気になさらないで下さい」



言葉が怖い。



「では、失礼します」



挨拶をすると、その場から速攻で消える。

問答無用である。

取り込まれては大変だから。

遠くで舌打ちが聞こえ気がした。

おおこわと思いながら部屋に帰って行くのであった。




 

素人の作品です。

温かく見守って頂けたら幸いです。


評価・感想・ブックマークをお願いできたら嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ