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邂逅(ゆづき 翼が見た、羽川 ミカサとゆづき 翼の出会い)

私がミカサを追うように、

ミカサも誰かを追っていた。


その、誰かさんの名前も知らない。

無論あったことなどあるわけもない。

でも、あのミカサがあれだけ惚れ込んだのだから、

常軌逸した、突然変異みたいな

たぶんカッコいい系の

お姉さんだったんだろうな、と

想像はする。


私はいつだって普通が1番と思って

普通に生きていくことに

ほんとうに幸せを感じる生き方をしてきた。


やましいことなんて何一つなく、

誰に愛されてることを実感できなくても、

私は私で1人きりで、

振り向くことなく、うつむくことなく、

ただ前を見る意志だけ失わないよう心がけ、

だから普通に生きてきた。


だからミカサのような、

打ち上げ花火みたいな生き様を見たとき、

羨ましくて指をくわえて見上げていたし、

あんな見世物みたいになるのは

嫌だとも思ったのも本当だし、

ねえ、

本当のことばを言っててあげようか?


私はミカサの《見た目》が大好きだった。


はじまりはそこだよ。

華奢でね、抱きしめたら壊れちゃいそうな、

薄い薄いステンドグラスのような風情…………


好きだったなぁ。

てか、あんな風に生まれたかったと思ったよ。

私が。


だから、嫉妬もしてたのかなあ。

ミカサのことなんか、全然好きじゃなかった?


好きじゃないって思っていた。

みんなのために何かをしようとしても、

全然それが認めてもらえず、

逆に動けば動くほどみんなから嫌われちゃうって、

どれだけ損な生き様してるんだよ?

おまけに容姿が目立つから、

言動も必要以上に目立っちゃって目立っちゃって、

なみの神経してたら、心の闇に飲み込まれそうな

絶望的な目にあっても、

涼しい顔して、みんなから嫌われていた、ミカサ。


出会いは偶然で、

2人が2人とも水色の自転車に乗っていた

という必然もあり、

目敏い彼女は、自転車に書いてある私の名前を見て

「ゆみづきさん、」

と、私を歌劇に誘ったのだった。

ちなみに、よく間違われるので慣れっこだが、

弓と月で、「ゆづき」と読むからね。


私は、先ほども言った通り、

ミカサの容姿が大好きだったので、

一目惚れといってもいい状態だったので

(中身を知らなきゃね)

2人して歌劇を見ることに何ら不満はなくて

出会ったその日に、

私、先頭で、自転車を走らせていたのだ。

だから2人で劇を最後まで見たんだけれど、

ミカサはちょっと

つまらなそうな顔をしていたようだ。

自分から誘っておいてどういうこと?

と、不思議だったし、

不機嫌そうな顔に、腹も立ったし、

でも、

後から考えてみると、

ミカサって「『過激』に行こう」って、

いいたかったんじゃない?

私が勘違いしただけ、とか?



でも、ミカサも前述の彼女と初めて出会った時、

たまたま水色の自転車つながりで

歌劇に行こうと誘われたって言ってたから、

その時のことを重ね合わせたのかな?


私も感じたとしても、

ミカサの方こそ、運命ってのを感じたと思う。





ミカサってバカのくせに、かっこいいこと

言おうとするから(その人の影響かな?)

だいたい、わけわかんないことになるよ。


同じ大きさの半円を2つ合わせて

1つのきれいな円にしても

負荷がかかれば、すぐに壊れてしまうでしょう?


でも、同心円の大きな円は小さな円を

すっぽりまるごとくるむから、

壊れないでしょう?

だから半円同士(対等ていう意味?)で

あるのではなく、

私があなたをすっぽりくるんであげるわよ。


みたいな、

よさげだけど、意味わかんない…………?










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