羽川 ミカサの予言(お酒をやめた女)
私は、お酒を飲めないので、
面白くないと、見切られた。
そうなのだろう。
ようやく辿り着いた冬の花見は、
雨がすべてを台無しにするだろう。
交友録をふたつみっつ振る舞いましょうか?
あ、
友と呼べるものとてなく、
この冬の寒さは、お酒を飲まないと
やってられないほど現実的で逃避行的(?)だね?
太陽は、西で待てばいい。
遠い距離を縮めるために、
月が、つきあってくれている黄昏。
それはひとつの、愛の形。
むかしあつらえた
セーラー服に意味はなく、
明るい無邪気な笑い声に、
世界は、やわらいだが、
その華やいだ少女たちの青春に
折れ曲がった屈託ばかりが目立つのは、
彷徨える雀たちの、
電線上の孤独を知り、
(森にあっても、一本の木は孤独である)
明日の訪れない明日を
肌で感じてしまっているからだろう。
言っているまに、
太陽は、眠りにつけばいい。
月が消え入るような声で、
おやすみなさいを言ってくれるだろう。
私は、お酒を飲めないので、
もはや、詩を書くことも禁じられた。
遊びの夜が、始まれば、また、
踊り狂える夜がやって来るのだろうが、
私は、お酒を飲めないので、
もはや、なにに狂うことも禁じられた。
だから、私は、眠りにつくが、
春に花見が始まれば、
また、何処かでお会いできればと。
あ、
いつかこの街を出て行くときは、
私は、
誰に、
もう2度と帰って来ないと伝えれば良いのか?
ちょうどいいや、
あなたは、聞いてくれますか?
確か、翼さん、でしたっけ?
(クス、)
翼を持たない、翼さん、でしたよね?