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羽川 ミカサの『置き手紙』

自称三流詩人、羽川 ミカサの置き手紙ならぬ、置き詩(なんじゃそりゃ?)。


──────────────────────


僕一人のかぐや姫の物語


一本の梅の木に

寄っ掛かり丑三つに

物語の広間の奥を透かして見る。

終わりの雪が降り積もり

けれど積もり切らずに土道をぐずぐずにする。

誰よりしんどい想いをした訳ではない。

ただ 苛立ちが降り積もってこの瞬間僕は

僕がかぐや姫のことが好きであり

自分だけののかぐや姫を見つけなけれならない

当たり前の運命を知る。


何も選ばない汚れたあとの心は

純粋な正しさを誇りながら、

見たくもない程ワガママな猫のような

触れることを躊躇させる気品があり、

僕はただ、

そっと人差し指を伸ばし

おそるおそる

その毛並みのいい背中を背骨に沿って

ツ──ッと撫でてあげる。


そのかぐや姫の心が

まるで猫が伸びするときの声のように

気持ち良さげなものだったので。


──────────────────────


で、かぐや姫ではなく

この猫が私であると、私は、思うだろうと、

羽川 ミカサは、そう考えていたふしが確かに

見受けられるのである。


なぜなら、私の弱点も

まさしく、背骨をツ──ッであるのだから。


舐められた、

ものである。


猫、

だけに。






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