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人間生産工場

町外れにある工場

其処では私たちに形の似たモノを生産している

それらは決められた時間に決められた役割を演じる為だけに存在している

あるモノは農業を、あるモノは工業を、あるモノはサービス業をする

一つ一つのモノ事態に名前があるらしいのだが、私達は総称して『シャカイジン』と言っている。

時折、欠陥した『シャカイジン』が誤って出回り、「私達は何の為に存在しているのか!!」とか高らかに叫びながらデモを行ったりしている

ただ、欠陥品は見つかり次第処分されているので日常生活においてそういう『シャカイジン』を見ることは滅多にない




『ナゼソンナコトヲシッテイル』

遠くから消え入りそうな声がそう言っていた

そうだ何でこんな事を知っているんだ?

見たことも聞いたことも一度も無いはずなのに

いや・・・本当に無いのか?

何所かで見たことが?本当に?

思考がグルグルと渦を巻いて回っていく

記憶にある記憶と、記憶に無い記憶が混ざり合って何とも言えない色合いをかもし出している



『ワタシハホントウニワタシナノカ?』

先ほどの声が次はハッキリと聞こえた

私は私に決っている、ちゃんと今までの記憶だってある

生まれてから今までの思い出を振り返り驚愕した

正確では無く継接ぎの記憶

今生産している『シャカイジン』にインプットされているテンプレートのような思い出

不安が頭を過ぎる、ワタシは本当に私で在るのか

記憶は創られたものでは無いのか



『シカシワタシガナゼソンナコトヲカンガエテイル?』

先ほどとは別の声が大声で叫んだ

ズキリと頭痛がした、余りの痛さに私は手を止めて、その場にしゃがみ込んだ

周りの人たちが心配そうに声を掛けてきてくれたけれど、初めは意味がわからなかった

何故しゃがみ込んだのかさえ

私は大丈夫だとだけいい、自分の作業へ戻っていった

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