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青春画廊のお姫様!  作者: えつを。
56/59

16-2

 エンドロール。暗転。恋歌ちゃんのナレーションとともに物語は収束していく。

「こうしてお姫様は世界を捨てず、自分の世界と向き合うことにしました。

 彼女は音を取り戻し、色を取り戻しました。

 その後、彼女はどうなったのでしょうか。

 きっと彼女はこれからも困難とぶつかるでしょう。

 でも大丈夫。

 彼女には音があり、色があり、そして隣には王子様がいるのですから」

 そして他の役者達がどこからともなく集まってくる。本来とは違うエンディング。だけど、全員が全員示し合わせたように終わりへと向かう歌を口ずさむ。

 視界が歪む。目から零れ落ちそうになる雫を堪える。が、見事に失敗する。

 それはハッピーエンドとは違うのだろう。

 それはそうだ。何も解決していないのだから。ただお姫様が現実と向き合うことができた。ただそれだけの話なのだ。

 リハーサルはなし、アンコールさえもない。

 だけど、私は色々と満足だった。

 たった一度だけの、私だけのエンディング。

 こうして、一つの物語が終わっていく。


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