1-3
夏休みをダラダラ過ごす予定を早々に打ち砕かれた僕は放課後にバイトに勤しみ、帰宅する頃には夕食時はすっかり過ぎていた。学校から十キロほど離れた住宅街。駅からは遠く、それゆえに家賃が格安な風呂トイレ付き一間の静寂が僕を出迎えてくれた。どんな遅くなろうとも警察以外に僕のことを心配する人はこの街にいない。入学してからの二年でこの静けさにも慣れてしまった。
まあ、家を出るためにこっちの高校を受験したようなもんだし。
ここまで育ててくれた両親には感謝しているが、これ以上実家に留まりたくはなかった。思春期らしい独立精神だと思ってくれていい。おかげでバイトをそれなりに詰め込むことになったのだけど。やることも特にないのでそれは構わない。
僕はネクタイを緩め、部屋中央に置かれたちゃぶ台にカバンを置く。部屋には家具が少なく、冷蔵庫に教科書と文庫本が詰まった小さな本棚、リモコンが紛失してしまった中古のテレビがせいぜい。僕自身それで不自由はないが、以前にこの部屋に訪れたクラスメイトに「娯楽がないお前は何をして生きているんだ」と人間性を疑われてしまった。しかしだからといってアイドルのポスターを置いておくのはどうかと思う。その紙切れは未だに部屋の隅に丸まって立てかけられていることは言うまでもない。
空腹感はあるが、疲労からか夕食を食べる気は起こらない。このまま寝てしまおうか。実行委員をしなければならない憂鬱とバイトによる疲労でウトウトし始める。布団を敷くことさえ億劫だ。その場に転がり、頬でひんやりとした床の感触を楽しむ。そうして意識が遠のきそうになり――呼び鈴が鳴った。
新聞の勧誘だろうか。それとも宗教か。いずれにしても電気は付いているが居留守を決め込む。しかしすぐさまもう一度チャイム。無視。ピンポーン。放置。ピンピンピンピンピンピンピンポーン。ええい、連打するな。
名残惜しくもひんやりとした床から起き上がり、玄関に向かう。田舎生まれのせいか、防犯意識は低い僕は鍵もチェーンもかけていない玄関に頭をかきむしりながら向かい、覗き穴も見もせず開けた。
「あいよ。どちら様でやがりますか。近所迷惑なんですが」
「はーい、おひさー」
僕の肩ほどの小柄な少女が元気よく右掌底を「よっ」と突き出していた。僕はその掌を数秒見つめた後。そのまま、扉をそっと閉めた。即座に鍵を締め、チェーンをかける。鍵をかけるなんて、この家に引っ越してから初めてだった。扉を固く閉ざしてから、静かに息を吐く。
と、チャイムからバンバンと今度は扉を強く叩く音に変わる。聞きたくもない声がキンキンと扉越しに響く。
「何で閉めるのさ! ねえお兄ちゃん?! 可愛い妹がわざわざ大都会に趣いてきたっていうのにっ!」
「帰れ」
「ひどいッ! 第一声がそれ?! ねえ、せめて扉開けて! じゃないとATM兼カラダ目的で面倒になったから捨てられた女だっていうことにして近所に言いふらしてやる!」
「やめい。中二のお前が言ったら警察の世話になるだろうが。ご近所付き合いなんて皆無なんだから」
「ないんだ……」
鍵のみを開け、扉を開き様子を伺う。と腕が伸び力任せに引かれ、チェーンが伸びきる。わずかに空いた隙間から顔を突っ込み、「あーけーてー」と自己主張。前髪が垂れ、辺りが暗いのもあり、若干のホラーだった。我が妹ながらネタに身体張ってるなあと思いながら、僕は両手を挙げギブアップ。素直にチェーンを外す。
外すなり妹は自前のスーツケースと一緒に我が家に雪崩込む。靴を脱ぐと同時に、廊下にダイブ。前転をし、ぴたりとちゃぶ台の前で止まった。来て早々にはしゃぐ妹に溜息が漏れる。ドアを閉め、僕も狭い部屋に戻った。
「…………。何でここにいるんだよ」
妹は首だけ振り返り、そのまま首を傾げる。痛めそうなポーズだ。
「私、もう夏休みだよ?」
「まあ、だろうな。……だから?」
「だから?」
今度は逆に首を倒す。妙に挑発的な態度だったのでその背中を押す。つま先だった妹はバランスを崩し、顔面をテーブルに叩きつけた。机にのっていた空の湯呑が跳ねる。
「夏休みだと何でうちにお前が来るんだよ」
妹はいたた、と額を抑えながら、スカートだというのにあぐらを掻く。ふくれっ面になり、抗議の意を込めた上目遣いで僕を睨み、ブツブツ言い始める。
「あっちは田舎だし? 都会に遊びに来たかったんだけど?」
「遊びに来るのはまあいい。だけどこの荷物の量はなんだ。うちに住む気か」
「え? 夏休み中はそのつもりだけど」
あっけらかんと言うこいつに頭を抱える。
「夏休み中って、一ヶ月以上あるぞ。勉強は、まあ受験生じゃないからいいとして、部活とかいいのか」
確か美術部だったと思うが。流石に一ヶ月も部活をサボるのは難しいだろう。
「んー? やめたよー?」
これまたなんてことのないように言う妹。割と熱心に取り組んでいた姿を見ていただけに、驚きが隠せない。
「ふうん、それまた。何で?」
「なんとなく」
「なんとなくって……」
「お兄ちゃんが言える立場じゃないでしょー?」
「…………。まあ、な」
「まだしてるの? それ。目覚めちゃう?」
あぐらをかいたまま前後に揺れ、僕の右目を指差す。釣られるようにして眼帯を抑えた。
「何がだ」
「妹に対する愛とかリビドーとか」
調子に乗りだした妹の脳天にチョップ。大袈裟に痛がる素振りを見せたが、すぐに転がり両足をジタバタとさせだだをこねる。
「いいから私はここに住むのー。それともなに、女でもいるの?」
「いるように見えるか」
「ううん、バッチリ童貞に見えるよ!」
「やっぱり帰れ」
寝転がりながら、ウインクまでつけサムズアップする妹。何故に身内に貞操把握されなければならないのか。
妹は飛び起き、辺りを見渡し始める。本棚の文庫。冷蔵庫の中。ちゃぶ台の下。テレビの裏。重箱の隅をつつく気満々の姑のように部屋を物色していく。掃除なんてマメにする性格ではないので塵しかない。
「何してんだお前」
「宝探し。それにしても物が少ない部屋だねえ。エッチな本とか山積みになってると思ってたけど」
「何を言う。今はデジタル化の時代。肌色の発色を馬鹿にしちゃいけない」
「偉そうにエロ自慢を妹にしないで欲しいかな。大体パソコンないじゃん。……なんだ、本当にないんだね」
「お前は何を悔しがってるんだ」
「んじゃっと、テレビ、テレビ……。あれ、リモコンは?」
「休暇出しといた」
「ないの……」
「中古だからな。大体、来るなら来るで電話の一本でもしておけ」
「したよ。携帯の充電切れてたんじゃない?」
言われてポケットの中をまさぐる。見つからない。バッグに入れたかと思い、漁るが発見できず。すると、探索中の妹が僕の携帯を差し出してきた。
「どうしてお前が、」
「テレビの裏に落ちてた。どうしてこんなところに落ちるかなあ。ねえ、携帯の意味分かってる?」
「仮にも携帯を名乗るぐらいなら自分からついてくる気概ぐらい持って欲しいもんだ」
「ホラーじゃん……」
手渡された携帯を操作するが反応がない。壊れたかと思ったが、充電したのが一週間前だったことに気づき、充電器に差し込む。しばらくし、再起動。留守電を見れば一週間前から一日に一回律儀に電話されていた記録があった。今日に至っては五時間前から一時間置きにメールがあり、恐怖を感じた。
妹はテレビに直接近寄り電源を付ける。素手のままで埃を払い、チャンネルを回している。昔からテレビっ子だったが、今でもそれは変わらないらしい。
しばらくチャンネルを回し続ける。なかなかお気に召す番組が見つからないらしく、何度も変えていく。そうして各チャンネルを十週したくらいで音楽番組に辿り着く。妹は画面にお目当ての人物を見つけたのか、テレビにかじりついた。
「あ、姫月ちゃん出てる!」
僕は液晶に唾を飛ばす妹の首根っこを掴み、テレビから引き離す。数メートル引きずり、絨毯のない硬いフローリングの上に正座させる。話すとまたテレビに飛びつきそうだったので、手は離さない。犬でも躾けているようだ。妹が食いつく姫月ちゃんとやらは何者だろうかと目をやれば、今日滝本の見ていた動画にもいたあのアイドルだった。
「お前、アイドルとか好きだったか?」
「何言ってるの?! 輝夜姫月って言ったら今知らない人はいない人気アイドルじゃん。おっくれってるー」
「……こいつ、そんなに人気あったのか」
時代を先取りするような人間には到底見えないけれど。そんな名前だったのかと疑問が一つ氷解。
「ねえ、お兄ちゃん。お腹減った」
「……水ならあるぞ」
「えー、お兄ちゃんの手作り食ーべーたーいー。客人に腕を振舞えー」
「…………。パスタでいいか」
気怠い体に鞭打って起こし、台所に向かう。乾麺が三人前ほど束で転がっているのを見つけた。昨日調理して出しっぱなしにしていたか。何人分調理するか少し考え、結局全部茹でることにした。ソースやトッピングの類はなし。客人には麺本来の味を召し上がっていただこう。鍋に水道水をいっぱいに注ぎ、加熱を始める。そして沸騰するまでの間、ぼーっと妹と並んでテレビ鑑賞を始めた。
「ただいまー」
「おかえり。って……は?」
玄関の扉が開く。思わず対応してしまったが、おかえりなんて実家にいた時でさえまともに言う機会はなかった。そもそもここは僕一人で暮らしているのだ。僕と妹はどことなく疲労の色が滲み出ている声に釣られ振り返る。
鍵がかかっていないとは言え、チャイムもノックもせずに我が物顔で入ってきたその姿に僕の表情が引き攣る。妹に至ってはカチコチに固まってしまった。
「今日も冴えない顔してるわねー。ってあれ、お客さん?」
何の躊躇いもなく靴を脱ぎ捨て、ずかずかと上がってきたのは女の子だった。
髪を後ろで一つに縛った女の子は、隣の部屋の住人。
ピンク色のタンクトップにショートパンツというラフすぎる格好。その格好は自身の豊満な胸を強調し、健康的なスラリとした脚を惜しみなく晒していた。
そして何より、と僕はテレビを一瞬見やる。
「あら。あたし出てるじゃない。見てくれてるの? 嬉しいわね」
そう。テレビで笑顔と夢と希望と愛嬌と媚びを振りまいているアイドルの顔と全く同じ顔をしていた。そっくりさんではない。本人だ。
「哀川、どうしてうちに来る。お前の部屋は隣だろ」
「いいじゃない。あたしだって三日ぶりに帰って来たの。疲れた体を引きずって、寂しがって心配してくれているであろう彩葉くんのところまで顔を出しに来たんじゃない」
「疲れたならとっと帰って寝ろ」
「嫌よ。釣れないわねえ。……あー、やっぱりダンスミスったの分かるわね」
哀川は画面に映る自分の動きに対し納得が言っていないらしく、眉間に皺が寄る。
妹は突然の憧れの人登場に動揺を隠せないらしく、テレビと哀川を何度も交互に見ては目を白黒させて大変な混乱に陥っていた。
「? えっ、えっ、えぇえええっ? ひ、姫月ちゃん? ええ? 本、物? え? た、ただいま? ……同棲?! お兄ちゃん?!」
「まあ落ち着け。とんでもない結論に至ってるぞ、お前」
「だ、だって……っ!」
「クラスメイトだ。近所付き合いで顔見知りなだけ。アイドルなのはおまけだ」
「おまけってなによ。そのためにわざわざ上京してきた身なんだけど?」
「公式で東京出身なんじゃなかったか。ベラベラ言うなよ」
「あら。雑誌ぐらいでしか知らないことよく知ってるわね」
「お前がインタビュー記事見せびらかしに来たんだろうが」
「そうだっけ?」
すっとぼける哀川の興味は僕の妹へと向く。まるで面白いものでも見つけたと言わんばかりに口端を持ち上げる。アイドルの笑顔とは思えないほどにあくどい顔になっていた。
「可愛い娘ね、彼女?」
「このちんちくりんがそんな色っぽいものに見えるか?」
「そうね」
「なぜ僕を見て納得する」
「あんたに恋人が居るなんて想像できなかっただけよ。彼女じゃないなら誰? ぜひ紹介して欲しいんだけど」
「マイシスター。夏の間だけうちにいる気らしい」
「あんたお兄ちゃんだったの」
目を丸くしてまで驚くとはよほど僕は兄属性に欠けている人間だったらしい。兄としての性格どころか対人能力に乏しくはあるのは認める。哀川は座り込んだままの妹に対し、膝立ちになって目線を合わせ笑いかけた。
「こんにちは……もうこんばんはね。あたし、哀川恋歌。よろしくね」
緊張で上がりきっている妹は正座で硬直し、オイルの切れたロボットのようにぎこちなく頭を下げる。姑に挨拶する嫁のようだ。見たことないけど。
「よよよよよよろしくお願いします……ッ! ……え。哀川?」
「輝夜姫月っていうのは、芸名よ。本名でも良かったけど、なんか事務所の方針でねえ。可愛い名前だからいいんだけど」
哀川はクスとお笑いながらペットでも扱うかのように妹の頭を撫でる。緊張で固まってしまったらしく「わわわわ……」とされるがままになっていた。哀川はその様子にしばらく面白そうに撫でていたが辛抱たまらなくなったらしい「可愛い!」飛びついた。
小柄な妹は哀川の腕に囚われ、その胸に頭が沈む。哀川がゆりかごのように揺れると妹もともに揺れ、勢いがつきすぎたのか哀川はフローリングに頭をぶつけ、鈍い音を発した。
妹は鈍痛で顔をしかめる哀川を過度に心配するが、「平気平気」と笑い飛ばされる。
「それで? 何の用だ。我が家はこの通り一杯なんだが」
「何って、ご飯」
左腕は妹を話さないまま、当然のように掌を差し出す哀川。僕は顎で玄関を示す。
「帰れ」
「なによ。前に好きな時に食べに来ていいって言ったじゃない」
「目の前に金欠で三日も飲まず食わずのクラスメイトの隣人がいれば流石の僕でもそう言うわ」
「あたし、お肉が食べたんだけど」
「あ、わ、私も」
ずかずかと要求する哀川に便乗するように妹が挙手する。二人で顔を合わせ、「ねー」などと意気投合した様子を見せる。まだ妹の方は硬さが取れていないが、テレビの画面にしかいなかったアイドルのイメージが崩れてなくて何より。
「…………。ミートソースでいいか」
うんざりしながら火元に戻るとすっかり沸騰して吹きこぼれ寸前になっていたので乾麺の投下。その間に冷蔵庫からソースに使えそうな材料を取り出す。生憎とレトルトのソースの用意はない。フライパンに油を引き、麺を茹でる横で温めていると哀川が「あのさー」と話しかけてきた。妹は年上だからなのかはたまた輝夜姫月だからなのか、されるがままになっていた。嫌がっている様子はなく、むしろ接近していることを喜んでいる風だった。
哀川は妹とじゃれついたまま、声だけで話しかけてきた。
「あたしがいない間に学校変わったことあった?」
「同じ日なんてないだろ。あと期末なら終わったぞ」
「知ってるわよ。あたし来週追試なの。ライブも近いのに憂鬱だわ」
「そうか。大変だな」
「なに他人事にしてんのよ」
「他人事だろう、どう考えても」
何を言っているんだと振り返ると哀川も意味ありげな表情で笑みを浮かべていた。それは気の強い「哀川恋歌」のものではなく、アイドル特有の可愛らしさを嘘くさく塗り固められた類のもの。よくもまあこんなに薄っぺらいものに世間は熱を上げるものだ。僕が関係があるとするなら替え玉だろうか。流石に僕が哀川の代替としてテストを受けたら各所からお然りを受けそうだけど。
「確かお前、そんなに成績悪くなかっただろ」
「授業受けてないのにできると思う?」
「何で偉そうなんだ……」
胸を張る学生アイドルに頭を抱える。炒め切った挽肉にホールトマトを加えると、いつの間に哀川の気配が近付いてくることに気づいた。眼帯をしていると妙に人の気配に敏感になるのだ。事実、左目で端正な顔立ちの哀川の顔を確認。妹はぼーっとした様子で虚空を見つめていた。妹に何した。こいつの頭を撫でる行為は人を昇天させる効果を付随しているのか。
「教えて欲しいな、勉強」
両手を合わせおねだりポーズ。頬に顔が近い。こんな時ばかりぶりっ子になりやがって。面倒事は増やしたくないのでしばらく無言を貫いていると、さらに近づく。吐息がかかるほどの距離。普段は意志の強そうな瞳が今は湿り気を帯びている。うるうる。さらにぐいぐい。あーもう。
「……分かった」
「やった、一週間分の食事確保っ」
「毎日来る気か飯も食う気か、お前」
「ふふん。まあ、仕事が早く終わる日だけね。妹ちゃん、よろしくね」
「は、はははははいっ! もちろんです! よろしくですっ!」
妹まで味方に引き入れやがった。哀川はすっかり妹のことが気に入ったらしく、再び妹を抱き枕化する。最近仕事のが忙しいのか教室では見かけない彼女の姿。教室でもアイドルという肩書きからか、はしゃいでいる姿はあまり見たことがない。人に見られるという意識が高いからか。しかし、今の彼女は随分無邪気なものだ。
「あ、そうだ。葵祭は順調?」
白々しすぎる話題の転換。……本題はそっちか。アイドル活動で来れないとはいえ、一大イベントである以上気になるのだろう。
「実行委員が決まったぐらい」
「今の時期? 遅すぎない? で、誰になったの? あの世話焼きクラス委員?」
「いいや。音無」
「? 音無って、誰だっけ?」
「クラスメイトくらい覚えてやれ」
「あたしの名前、会う度に忘れてた奴がなに言ってるのよ。……ああ、思い出した。あの暗い子か。大丈夫なの? 相方は?」
「僕」
「終わったわね」
「ごもっとも」
その後パスタは完成し、三人で食卓を囲んだ。一人暮らしを想定としたアパートだったために手狭ではあったが、味に変化はなかったのでよしとした。一切手伝いをしなかった突然の来訪者たちは特製パスタを散々に批評しながらおかわり要求してきた。そんな貶しつつも褒めるとはなんとも器用なお二人。
その後、哀川となぜか急遽決まった勉強会スケジュールを立て、しばしくつろいだ後、デザートを要求。僕が楽しみにしていた賞味期限切れ半額わらび餅を差し出すと本場物じゃないことに文句を言いながらも妹とともに完食し、上機嫌で帰宅していった。そんなに妹と戯れたのが楽しかったのだろうか。