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天空の姫巫女 フィールア編  作者: 如月 茅紗
全ての始まり
8/47

お、王妃?

「…」


オーレリアは、暫し唖然としていた。

カチンコチンに身体が固まっている状態である。


理由は。


「なぁんで私は王妃になってるのよぉおおお!」


だからである。


「オーレリア、落ち着け」

「これが落ち着いていられるもんですか!!」


セフィロスの制止の声も聞かず、オーレリアは叫んだ。

ちなみに、この事を言ったのはセフィロスであり、ここにはデュカリアスもいる。


「そんなこと、これっっっぽっちもないわよ!!」

「何気に酷いな、オーレリア」

「……あ、陛下……じゃなくて、デュカリアスもいたんだったわ」

「……おいおい」


ずぅーんと落ち込むデュカリアスと、呆れたようにため息をつくセフィロスと、頭を抱えるオーレリア。

それぞれの反応をするなかで、クスリと控えめに笑う侍女が一人。彼女は主がこのような会話をしたのを見た覚えがない。

少なくとも、仕えてきた10年間の間は。

だからこそ、彼女にとってこのような光景は実に微笑ましいのである。


「……ん? どうかした、アリス」

「あ、いえ、何でもありませんわ。会話が面白くて……つい」

「面白いならいいんだけどね……」


はぁ……とため息をついたオーレリアは、うん、本を読もう! とテーブルの上に置いてある本を幾つか手に取った。


当然、セフィロスとデュカリアスは無視だ。


「「……、……」」


二人がオーレリアを見るが、当の本人は涼しい顔で読書をしている。


これは相手にされないと悟った二人は、同じようにため息をつきながら、セフィロスは小型の竜の姿へと変え、デュカリアスは執務に専念するのだった。


そんな様子も侍女のアリスに見られていたことを、当の本人たちは知らない。





「ところでよ」

「どうした、オーレリア」

「誰が私を王妃に推薦したのかしら?」ニッコリ

「……俺だ」

「あら、正直なのね」

「妻に向かって正直ではない夫とはどんな阿呆だ」

「……王妃の件、慎んでお断りさせていただきたいのでございますが」

「お前が王妃じゃなかったらこの国終わるぞ」

「どんな未来予想よ!?」

「というわけで決定な。ちなみに城中の人間が認めているから拒否権はないぞ。というより皆が逃がすつもりはないらしいが」


もちろん俺もな。


(のたま)った国王陛下は、ニヤリと猛獣のような笑みを硬直している姫君に向けた。


「つまり私は逃げられないんじゃ」

「そういうことだ」

「イヤァァァァアアアアアアアアアアアアアア!!!」



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