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天空の姫巫女 フィールア編  作者: 如月 茅紗
全ての始まり
7/47

城内

ところ変わって、こちらは王都。


広場は子供たちが遊び、道端には店が所狭しと並ぶ。

道という道は人々で溢れかえり、陽気な喋り声や笑い声が響き渡っていた。


だが。


「……うわあ」


半強制的に王都へと連れてこられたオーレリアは、城の大きさと豪華さに思わず声を漏らしていた。

因みに、今オーレリアたちがいるところは、城の城門前である。

大きい。豪華。眩しい。目が死ぬ。

これだけに一体どれだけのお金を費やしたのだろう、という思いが頭を過る。


「……オーレリア? 行くぞ」

「……! ちょ、」


口を開けてポカーンとしているオーレリアを、デュカリアスがいきなり手を引く。

それにオーレリアは体勢を崩しながらも、なんとか持ちこたえ、大人しく彼の後をついて城の中へと入った。


不意打ちとは卑怯な。

全くもって面白くない。

オーレリアは仏頂面でデュカリアスに文句を言った。


「もうっ! いきなり手引かないで!」

「固まってたお前が悪い」

「庶民なんだからしょうがないでしょ!」

「……庶民なのか?」

「え? そうよ?」

「神殿に住んでたから、巫女かと思った」

「……、……まあ、それは否定できないけど」

「だったら巫女だろ」

「……じゃあそうしとくわ」


巫女と庶民って違うのか、なんて思う。

ほのぼの?な会話をしつつ歩いていると、すれ違う人たちが皆オーレリアを見ていることに気づいた。

それに訝しげにデュカリアスを見上げる。


「あら、私変?」

「いや?」

「みんな私を見ているから」

「……それは俺と一緒にいるからだろ」

「ああ、そうね。国王陛下だものね」

「ああ」


オーレリアはそう、と納得し隣を歩く彼の表情の微かな変化に気づくことなく、壁に掛けられた絵画を物珍しそうに見ていた。


そのまま歩くこと10分程。

不意にデュカリアスが足を止め、つられてオーレリアも足を止める。


「ここは……?」

「執務室だ」

「……入るの?」

「入らないでどうする?」

「……。そうよね、うん」


一人で頷くオーレリアを訝しげに見るデュカリアス。

デュカリアスがちらりと後ろを見、控えていた近衛騎士が、さっとオーレリアたちの前に出て、目の前の豪奢な扉を開いた。


そして、オーレリアが城に連れてこられた本当の理由を知るまで、あと一週間。



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