招待という名の強制
◇オーレリアside◇
「……何故陛下がここにいらっしゃるんでしょうか……?」
あの出来事から一週間がたった。
ああ……やっと平穏が戻ってきたかと思えばこれ。
ないわー、ほんとないわー笑
うん。実に笑えない。
笑えるわけがない。
ワロエナイ。
だって、セフィロスだけじゃなくてシヴァールの王までいんのよ!? あり得ないわよ!
何故何のオンパレードよ、全く!
怖いわ!
「……ああ、竜王に今日ここに来ることは言っておいたから問題はない」
…………ん?
なんか、ツッコミどころ満載のセリフ頂きましたけど?
うん、昨日あなたと話したのはセフィロスで間違いない。んで、そのセフィロスが…………竜王?
そんでもって伝えておきましたと?
そんなことひとっことも聞いておりませんが?
「…………」
「………………」
ジト目でセフィロスを見たら、さっと顔を逸らされましたよ。
竜王ということは間違いはないわね。
うん。確信を持って言う。
んで、「言っておいた」ですってぇ?
セフィロス、あなた言わなかったわね?
その意味をこめて笑顔で彼を見ると、あっさりと頷きやがった。
「んで、理由は?」
「言ったら、お前逃げてただろ」
「あら、そんなことはないわよ? 実家に帰るだけで」
「「同じだろ」」
「…………。酷いわねぇ」
つまり、私を帰らせたくないがために言わなかったと言うわけね?
厄介ごとに巻き込まれたくない私を。
っていうか、陛下まで突っ込んだわよ。
酷くない? 酷いわよね。もう。失礼しちゃうわ。
「分かったわ。セフィロス、この世界の神に私の伝言を伝えてきて。この世界滅びても知らないわよって」
「「いや、無理だろ」」
あら。またふたりに突っ込まれちゃったわ。
って……、酷いわ、このふたり。
「……ところで、陛下。何の御用です?」
「……ああ、敬語使わなくていい」
「…、分かったわ。で?」
「城に招待しようかと思ってな。ちょうど近衛騎士たちも竜王も賛成してるし」
「……」
陛下。
それは招待という名の強制ではないでしょうか……。
でも、セフィロスが賛成したって言うことが、なんか意外なんだけど?
ちらりとセフィロスを見ると、ため息をつきつつ頷いた。
いや、ため息をつきたいのはこっちだから。
しかも、拒否権なしですか。
って、私のお家ここ! ここだから!
でも定期的に帰させてくれるのならいいわよ!
それで妥協してあげるわ!
なんて心の声が。
「…………」
もう諦め半分でコクりと無言で頷くと、陛下は嬉しそうに笑った。本当に嬉しそうに笑うのね。かわいいわ。
……そういや、陛下の名前聞いてないわ。
ま、いっか。
後で聞こ。
「じゃあ、行こうか」
「……!?」
今ですか!?
と思わず突っ込んでしまったのは仕方がないことだと思いたいの。いやはや、実に招待という名の強制でした。
……はあ。
どこかに私の平穏ライフ、落ちていないかしら?
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