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番外編2-1 再会

遅くなってすみません!!


サーレル編、第2話です

それではどうぞ。


城に戻って二日目。

サーレルバードは自室でゆったりと寛いでいた。

お供はいつだったか、彼が探し求める彼女の教えてくれた薔薇の紅茶。


「……、……」


自ら淹れた薔薇の紅茶は、彼女が淹れてくれたお茶より幾分味が劣るが───とても懐かしかった。


久しぶりに飲んだ、今となっては。


淡く微笑みながらお茶を淹れる彼女を、じっと見つめるのが好きだったことを思い出す。

執務が一段落したとき、休憩に、と彼女がよくこのお茶を淹れてくれたものだった。

この休憩が、何より楽しみだったのだ。


「アリアも、楽しんでくれたのだろうか」


───あの、ささやかな幸せの時間を。


カップの中のお茶を見ながら、ぽつりと呟く。

空気の振動で、薄茶色の液体がゆらゆら揺れた。



しばらくぼうっとしたあと、サーレルバードは突然ハッと思い付いた。


「そうか……神殿だ」


呟いたあとに、さっと立ち上がった。

彼女と出会ったのが神殿ならば、また出会えるだろうと考えたのだ。


思い立ったらすぐ行動。

とばかりに城を出る準備をする。


部屋を出てすぐに、偶然通りかかった宰相にそのことを伝え、慌ただしく城を飛び出した。





深い深い森の中。

その中心部にある、大きな神殿。


そこにアリアは一人で住んでいた。


明るい明かりが灯っていたからつい、その大きな扉を叩いてしまったのだ。

出迎えてくれたのがまさか、超絶美女だとは思わなかった。

けれど、優しく───知らなかったとはいえ、対等に接してくれることがとても嬉しかったのだ。


だから足繁く通っていたのも、無理はない。




あの暖かかった日常を思い出しながら、サーレルバードは足を進めた。

辺りが既に暗くなってきているので、早めに歩く。

森に入って10分ほどすると、大きな神殿が見えてくる。そんな記憶を頼りに一歩一歩進んでいく。


ついに見えてきた神殿。


相変わらず大きくて白い、神聖な場所だった。


大きな扉をノックもせずに開いて入る。

昔、そうだったように───。

そして。



「───あら、サーレル?」



ずっと待ち望んだ、柔らかな声が耳に入った。


サーレルバードは驚きに目をみはる。

無理もないだろう。

いるのか、と半分賭けた神殿に彼女がいたのだから。


「───アリア……!!」


感極まり、思わず駆け寄ってアリアを抱き締める。

そんなサーレルバードに、彼女は拒まなかった。


反対に受け入れてくれたことに嬉しくなって、彼女の柔らかな唇にキスを落とした。


「やっと見つけた」


驚いて固まっているアリアを見つめながら、耳元にそっと囁く。

吐息がかかったのか、彼女の身体がびくりと跳び跳ねた。


「え、えっと、あの、サーレル? 離して……ってかこれ有名すぎる壁ドン!?」


戸惑った声でおろおろとサーレルバードを見返すアリア。最後に意味がわからない言葉を言ったが……そこはスルーだ。

今は出会えた喜びを噛み締めたい。


「サーレル! 離し……て? ってえっ、ちょっとぉっ!?」


喚く彼女をキスで黙らせ、軽々と抱き上げてスタスタと廊下を歩いて彼女の部屋へと向かう。


部屋に入ると寝台に向かい、アリアを寝台の上に転がしてから自分も横たわった。


もちろん───、彼女を腕の中にホールドすることも忘れずに。




サーレルバードはこの日、まことに至福な気分で眠りについた。






「いきなりキスするわ抱き上げるわ抱き締めてくるわ……、ロールキャベツ系男子か」



サーレルバードが眠りについたあと、その腕の中で彼女がそう呟いたのことは彼女以外誰も知らない。












ロールキャベツ系男子って私的には好きですね。

あ、ロールキャベツ系男子とは、見た目草食系、中身は肉食系のことを差しますw


周りにいないかなあ……案外いたりしてw

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