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番外編2 帰城

今回はサーレルバード編です、短いかも←


「……」


今日も今日とて歩く歩く。

世界中を旅して、見聞を広めていく。

───彼女に会えることを信じて。





世界一周の最後の国、出身地ジースセント王国。

出発したときにはまだ夏だったこの国。

冬になると極寒の寒さとなる北の国にも、春が訪れようとしていた。


「変わってないな」


繊細な面立ちはそのままに精悍さが加わり、クールな美青年となったサーレルバードは、城下の町並みを見てポツリと呟いた。


民に混じり歩き回って、時たま果物を買って食べながら町を進む。


「どーだい、うちのグフスは旨いだろう?」

「───そうだな、旨い」

「だろ!」


活発な果物屋の主人とのんびり会話を交わすサーレルバード。


「また来いよ!」

「ああ」


グフス片手に主人と別れる。

グフスは大ぶりのミカンのような果物で、見た目は少し不味そうだが、とても甘いのである。


「……オーレリアみたいな果物だな、」


見た目は冷たそうで、穏やかそうで。

その実、とても優しくて、繊細で、時に残酷。


見た目で判断すると痛い目を見る───。


グフスもオーレリアも、似た者同士だな、とサーレルバードはほろ苦く笑った。





「……おや、戻ってこられたようで」


城に戻ると出迎えたのは、元宰相だった。

驚いたようで、少し目を見開いている。


「たった今な」


苦笑ぎみにそう返すサーレルバード。


「姫君は見つかりましたか?」

「いや、全く見つからんな」

「おや」

「この世界にいるとも限らんが」

「苦労性ですね、貴方も」

「それは俺のセリフだろ」


冗談も交えつつ、談笑するふたり。


和やかな時間が過ぎていった。






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