四神の望みと姫の望み
更新遅くなりまして、すみませんっ!(´・ω・`;)
カオスな三人の神々による子どもじみた会話も終わり、オーレリアは重い腰をあげる。
「そろそろ戻らなければならないわ」
「「「……え」」」
「……」
なんなのだろうか、この捨てられた子犬のような視線は。
全員が全員、行かないで、と視線で訴えている。
……。全く、困った子たちだこと。
「時間が時間なのよ……、あと、近々戦争が起きそうだし、ゆっくりもしてられないわ」
ため息をつきつつそう言うと、四神たちは本当に嫌そうに顔を歪める。
そんな四神たちに笑いつつ、オーレリアはん、と身体を伸ばした。
そもそも四神たちは戦に向いていない、穏やかな性格の持ち主だ。
しかし、担う役目が世界の守護なため、戦争には否応なしに巻き込まれるのである。
青龍は東方守護。
白虎は西方守護。
朱雀は南方守護。
そして玄武は北方守護。
四神たちは四方の守護を司る神々なのだ。
「……いい? 私はね、この戦争を被害をいかに少なくして終わらせるか考えているの」
突然聞こえたオーレリアの言葉に、四神たちが訝しげに彼女を見る。そこにはいつになく真剣な表情。
「この度の戦争の被害は、甚大なものになると予測されるわ。だったら、私がその戦争に入り込むことで被害を少なくできるかもしれない、そう思ったの」
「「「「……」」」」
またか。
また、彼女はその身を犠牲にして世界を守るのか。
四神たちが、諦めにも似た気持ちでそう思う。
この心優しい女性は、我が身を犠牲にして世界を━━━━あるいは国を、いつもいつも助けるのだ。
母のように。
━━━いや、母だからこそ。
だが、四神たちは彼女は無理しすぎだと思っている。
確かに子どもである人間たちを助けることは、母の役目であろう。
けれども彼女は、我が身が壊れるまで働くのだ。
それが当然とでも言うように━━━━。
四神たちも彼女の望みは知っている。
随分前に四神たちに言っていたのだ。
『子どもたちが、自分だけになっても━━━道を外れることがないよう、手助けをしたいの』
そう、笑いながら願いっていた。
「……無理してないか?」
「大丈夫よ。心配しないで」
青龍の問いかけに、微苦笑しつつ答えたオーレリアは、じゃあねと手を振って消えていった。
おそらく、王城に戻っていったのだろう。
四神たちにとって、彼女は特別。
母であるから、という理由ではなく、儚げに笑いけれど凛と佇む彼女を守りたいから。
それだけの理由で、彼らは動く。
我らが誇りの天空の姫巫女よ。
貴女がそう望むなら。
我らはその願いの手助けになろう。
この手で貴女を守り抜こう。
ああ。
惜しむらくは、戦場で動く貴女を守れないことであろう━━━━。
基本的四神たちは、主人公至上主義ですね(´・ω・`;)
なかなかうまく動いてくれないので苦労してますw
さて、次回はどうなることやらw