表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
天空の姫巫女 フィールア編  作者: 如月 茅紗
戦争と喪ったもの
29/47

四神たちとの一時


心地よい朝の日差しを浴びながら、神殿にいるオーレリアはため息をついた。

その原因は。


「「「「姫っ!」」」」

「……お黙り、四神たち」


いつもは冷静沈着な四神たちがこうも叫ぶのは、天空の姫巫女(そうぞうしゅ)であるオーレリアの前だけである。


人型となっている四神たちはみな、見目麗しい美男美女だ。

……朱雀は美女、というよりは美少女だが。

青龍は青く長い髪に空色の瞳の美青年。

白虎は白い髪に銀の瞳の青年というよりは少年なのだが、美しいのは変わらない。

玄武は渋い感じの美青年だ。焦げ茶色の髪に緑色の瞳。理知的な瞳に眼鏡をかけているが、それも魅力の一つだ。

朱雀は四神の中で、唯一の女性である。

紅い瞳に焔の髪。全身赤尽くしだが、ナイスバディなおねーさん……と思いきや、見た目15歳ぐらいの美少女である。

だが見た目に騙されては、後で痛い目を見るのだ。

何しろ「胡散臭そうな笑顔を見るよりは、無表情の方がマシだわ」との爆弾発言をするのだ、言われた方はたまったものではない。


「……で、何の用」

「遊んでよぉー!」

「……何で遊ぶのよ……」

「「「「姫」」」」

「こらそこ、何を言ってるのかしら」


さも当然とでもいうように真顔で言い切った四神たちに、オーレリアは思わず突っ込んでしまった。


……私でなにをしようとしてるのかしら、この子たちは。


そう思ってしまったのは言うまでもなく。


「何故」

「「「姫が好きだから」」」

「……て、あんたたち、姫に本気出してないか」

「「「あぁ」」」

「……、……突っ込む気も失せたわ」

「……姫、あたしがコイツら抑えられるのも時間の問題よ」

「わかってるわ……」


明らかに面倒くさいと書いてある、オーレリアの麗しい顔。

朱雀は思わずため息をついた。

三人がオーレリアを連れ戻そうと暴走するのも、時間の問題であろうと考えられる。


「ただでさえその手の問題ばっかりなのに……」


そう。

オーレリアは恋愛に関する問題を抱えやすいのだ。

その身にあるがゆえ、叶わぬ想いとなるのだが。

だから、オーレリアはそのことに頭を抱えているのだが、あまり解決していないのが大半であるが。


「……はぁ」


こやつらは自分が厄介者であることを、理解しているのであろうか……。


子どもじみた言い合いをしている青龍、玄武、白虎を見た朱雀とオーレリアは同じ考えだったことにため息をつく。


平和そのものであることには変わりはないが、状況がカオスであることを感じているのは、朱雀とオーレリアしかいないだろう。


楽しいがカオスな時間は、オーレリアにとって大切な時間であることには変わりはない。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ