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天空の姫巫女 フィールア編  作者: 如月 茅紗
戦争と喪ったもの
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応戦準備

『ですが、応戦するのであれば私には止める権利はございませんわ━━━━』


去り際、彼女が放った一言。

それはあたかも、応戦することに決めたことを知っているような雰囲気であった。


「……彼女は、辛い戦争を乗り越えてきたのですね」

「映像を写し出すあの魔術は見たことありませんが……、そのような、感じでしたね」

「実際に見たものを映像にして我らに見せたのだろう」


彼女は人々が死んでいく様子を見て、どう思ったのだろう。

嘆き、涙を流して慟哭したのだろうか。

大切な人が死んだことを、受け入れられたのだろうか……。


いや、今はそれを考えている場合ではない。


デュカリアスは軽く頭を左右に振って、後ろを振り返る。

そして、自らの意思を告げた。


「応戦するぞ」


この国を守るために。

国民を、守るために━━━。

なによりも、愛しき者を守るために。


「「「御意」」」


そんな国王の決意が伝わったのか、王候貴族たちはしっかりと頷く。


そんな様子を、彼女が微笑みながら見ていた気がした。





翌日から、とたんに忙しくなった。


騎士たちに応戦することを伝え、国民には宣戦布告されて受けてたつことを伝え。

王妃候補たちには、戦争をするということだけを伝え、一旦実家に戻らせた。

仮にも王妃候補たちを戦争に巻き込むわけにはいかないのだ。


「あとは、オーレリアだな……」


そう、残る王妃候補のうちの一人。

彼女が住んでいた森には、戦地に近く……戦争の火の粉が舞い込むかもしれない、と言う恐れがあるのである。

かといって城に残しておくのは危険が多すぎる。

留守であることを狙って、襲われるかもしれないのだ。


「……連れていっても危険だ」

「姫様のご意志を尊重いたしましょう、出来る限り」

「そうだな……聞いてみよう」

「そのようになさると良いですよ」

「あぁ」


今日は忙しい。

国王は宰相とそう会話を交わし、頷きあう。

オーレリアには、明日聞いてみることにした。



戦争が始まるまであと



三ヶ月。

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