会議
ジースセント王国に宣戦布告をされた、その翌日。
会議場では、緊急会議が行われていた。
国王、宰相、主要貴族のみの会議。
……それだけ、重要であることが窺える。
「……応戦」
「あちらは魔術に長けた国……圧倒的に不利です」
「……服従は最終手段でしょうか」
「大国同士ですぞ……」
「ですがそれしか」
「応戦すれば民が……」
もつれあう、結論という糸。
なかなかいい案が浮かばない。
「……騎士たちも訓練に励んでいますが……」
「応戦するべきでしょうか……」
「……だが、大きな犠牲が出る」
「戦争だ、仕方あるまい……」
内容はもちろん……、
応戦するべきか服従するべきか━━━━。
大国同士の戦いは、大きな犠牲を伴う。
そのことを熟知している全員は、ため息をつくしかなかった。
「陛下」
「陛下……」
「……分かっている」
応戦するしか、道はないということを。
描いた未来予想図は、果てしなく地獄にしか見えなかった。
「……応戦を、なさるのですか?」
突如響いた、涼やかな声。
聞こえたのは扉の方。
全員がそちらを見ると……王妃候補の一人、オーレリアがいた。
その細い腕に似合わない、重たそうな大きい本を持って……。
「オーレリア……」
「緊急会議を中断させてしまい、申し訳ございません。ですが、伝えたいことがございますので、無理に口を挟めさせていただきました」
「「「……?」」」
伝えたいこととは、何なのだろうか。
全員が怪訝そうな表情を浮かべたのに気づくと、オーレリアは、心なしか沈んだ声で呟いた。
「……では聞いていただきましょう。
私が体験した、戦争を━━」
「大事な人を奪っていった、戦争を」
次回、第一次世界対戦、第二次世界対戦に関する内容が出てきます。
長くなりますので、見にくいと思われた方はご遠慮なくお申し付けください。
苦手な方はご注意くださいますようお願い申し上げます。