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パーティー2

パーティーがいよいよ始まり、ダンスの曲も流れ出した頃。


「……? オーレリアはどこだ?」

「そういえば……、まだいらっしゃってませんね」


デュカリアスたちが、周りを王妃候補たちに囲まれた中で密かに話していた。

宰相ラリスが側にいた小間使いに彼女を探すように頼み、また自らも探すが……いない。


「「……?」」


二人顔を見合わせて考える。

数分後、頼んでいた小間使いが近寄ってきていないと報告をした。


大広間だけじゃなく、本殿にも探しに行かせようかと思ったその時。



「ここにおりますわ」



突如、軽い風が吹くと同時によく知った涼やかな声が耳に入る。

風が収まると、そこには彼女と初めて出会ったときに身に付けていた衣装と似た衣装を来たオーレリアがいた。


「遅くなりまして申し訳ございませんわ、陛下。急遽、済ませねばならぬ用ができまして、そちらを済ませておりましたの」

「……分かった」


微笑みながら遅れたことを詫びる彼女に、デュカリアスは圧されたように頷いた。

オーレリアが纏う雰囲気がただ者ではない、と感じた者はデュカリアスたちだけではないのだろう。

実際、大広間に集っている全員が彼女を見ている。


何せ傾国の美姫になんとも言えない雰囲気を纏うのだ、これで見るなと言う方が無理だ。


「王妃候補、最後の一人……、オーレリア・リーズ・フェアリストと申します。以後お見知りおきを」


大広間に集う者すべてが見ていることに気がついたのか、彼女が朗々たる声で自己紹介し、優雅にお辞儀した。


もはや、この場は彼女が支配していた。


「……オーレリア・リーズ・フェアリスト……」


ふ、と呟いた彼女の名前。

フェアリストという名に聞き覚えがある気がした。

デュカリアスは極秘にラリスに調べさせようと決めた。





「え? 用事ってなんだったのかって?」


「それはね、大事なようで大事じゃなかったの」


「ルシアスがね、慌てた様子で今すぐに来いなんて言うからすぐに天界に戻ってみればみんながみんな『姫さま不足です、補充させてください』なんて言うもんだからさ」


「呆れたのなんのw」


「あ、でも放っておけば世界滅亡の危機だから大事だったかしら?」


「まあ、とにかくそんな用事だったのよ」


「全く、真面目に焦った私がバカみたいだったわ」


「え? 世界滅亡は洒落にならないって?」


「……うん、そうね、そうよね……」

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