1.教義
読み飛ばして大丈夫です。
最初に闇の聖霊があった。
闇の聖霊は一柱で長く在り続けた。
闇の聖霊は長い生に飽き、自らを消す存在として光の聖霊を生み出した。
しかし光の聖霊は闇の聖霊を消す事を良しとしなかった。
光の聖霊は闇の聖霊に生を楽しませるため、炎の聖霊を生み出した。
炎の聖霊は光の聖霊の希望に応えるため、闇の聖霊を楽しませようと世界を覆うほど燃え盛った。
闇の聖霊は世界を覆い光の聖霊すらも飲み込むほどの炎を止めるため、水の聖霊を生み出した。
水の聖霊は炎を止めたが、世界は水で覆われた。
光の聖霊は世界を覆った水を減らすため、雷の聖霊を生み出した。
雷の聖霊は水を蒸発させたが、絶えず雷に満ちた危険な世界になった。
闇の聖霊は危険な雷を受け止めるため、土の聖霊を生み出した。
土の聖霊は雷を受け止めたが、土に覆われた世界は静止した。
光の聖霊は静止した世界に変化を作るため、風の聖霊を生み出した。
風の聖霊は大地を削り世界に変化を与えたが、荒れ狂う風が何一つ立ち止まらせなかった。
闇の聖霊は荒れ狂う風をせき止めるため、氷の聖霊を生み出した。
氷は風をせき止めたが、世界を凍らせた。
光の聖霊は氷が世界が凍らせる事が無いよう、炎の聖霊を使役した。
闇の聖霊は炎が世界を燃やし尽くす事が無いよう、水の聖霊を使役した。
光の聖霊は水が世界に溢れる事が無いよう、雷の聖霊を使役した。
闇の聖霊は雷が世界を襲う事の無いよう、土の聖霊を使役した。
光の聖霊は土が世界を静止する事の無いよう、風の聖霊を使役した。
闇の聖霊は風が世界を吹き飛ばさないよう、氷の聖霊を使役した。
光の聖霊と闇の聖霊はそうして炎の聖霊、水の聖霊、雷の聖霊、土の聖霊、風の聖霊、氷の聖霊を生み出し、使役し、今の世界を作り上げた。
次に光の聖霊は闇の聖霊を楽しませるため生物を作った。
永い生の虚しさを知る闇の聖霊は生物に死を与え、最期を受け止める事とした。
こうして生まれたのが我々である。
我々は、我々を生み出した光の聖霊を見習い、相手を思いやり生きていくべきなのだ。
そして最期を迎えた時、闇の聖霊に受け止めてもらえるよう、後悔の無いよう精一杯生きるべきなのだ。
聖霊でゲシュタルト崩壊。