第2話 主人公と能力と
「さて、君はあの世界をどうしたい?」
俺は魔王と向かい合うように座り、あの世界について話す
もちろん、俺はあの世界に行く。
あんな世界はあんまりだからな。
そして質問の答え
あの枯れた世界。
俺が一番してやりたいのは……
「空…空を変えたい。太陽や月、雨や雪の有る世界に……!!」
やっぱしこれだな。
一様、あの世界も朝と夜があって、
朝~夕方が真っ白の空
夕方~朝方までが真っ黒の空らしい。
出来れば星とかも見せたいからなぁ
きっとあの世界の人たちは、あの空を当たり前と思っている
空が変われば大地が変わり、大地が変われば海が変わる……っ!!
世界で共通の物は大地と空。
この2つは、その世界が滅ぶまであり続ける。
そんな大事なもんが、あんな汚いままでいいはずがない!
俺は1人、空を変える決意を固める。
それを見た魔王は笑いながら―――
「ふはははっ!空か、そうかそうか!!」
嬉しそうに笑う魔王を見て思わず俺も笑う
なぜ笑ってるかは知らないけれど、魔王はいい人だからな。
つい、恥ずかしくなって俯く。
すると、魔王の笑いが絶えた
そしてもう一度魔王を見る
すると―――
「魔を司る王家の力よ……」
なぜかぶつぶつと唱え始める魔王。
なにかの詠唱だろうか?
刹那、魔王から出て来た藍色?紺色?の光
その光は一点に収縮され、ビー玉サイズの球体となる。
そして
「汝の野望を叶えるが如く、その身に宿らんっ!!」
魔王の詠唱が終わると同時に、
その収縮された紺か藍色だった球体は
「……おぉ、綺麗」
その黒さが抜けたかのように
透き通るように綺麗な空色と化し
「え?えっ!?」
俺の左手の甲に吸い込まれていった。
魔王が俺の手を見つめているのが分かる。
恐る恐る自分の右手甲に目線を落とすと……
「それが我の力。王家の紋章だ。」
複雑な魔方陣のような模様が浮かび上がっていた。
王家の紋って……!?
「俺……魔法が使える…のか?」
地球では扱うことの出来なかった魔法。
しかも、魔王の力。
俺の心境は矛盾とかしていた。
さっきまで、あんなに行きたくなかった世界。
しかし、その世界を救えるかもしれないと思うと……
「ほぉ、いい顔つきだ。ずっとそれならモテルな」
「うるせぇっ!!……これで、あの世界を救えるのか?」
俺は、あの世界を守りたい。
絶望を表したような大地を、
冷え切ってしまったあの空を
「君は、あの世界を救ってくれるか?」
希望が溢れる綺麗なものに変えてやる。
「もちろんだ。俺はあの世界を変えてみせる!!」
今、俺のやるべきことが見つかった。
そんな俺の心境を映すかのように、
右手の紋が鮮やかに輝いて見せた。
2/13 修正完了 主に書き方 前話参照