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序章 海狼INエルド人民共和国

とりあえずgdgdです。


それでもよろしければお読みください。


そして作中に出てくる国名、人名、地名などは全てフィクションであり、実際の類似するものとは一切無関係です。

『ヴォルヘンシャフトよりゼーヴォルフ1、今回のミッションはエルド警察から現地に収監されている北海学園の女子高生1人、女子中学生1人を救出することだ。彼女らは両方とも資産家の1人娘。失敗は許されない。必ず生きたまま奪還せよ。』


「ゼーヴォルフ1、了解。あとヴォルヘンシャフト、先制攻撃は可能なりや?」

『オーケーだ。現地警官は汚職まみれだ。何人殺っても構わん。警察トップも許可を出している。』


「了解ですヴォルヘンシャフト。早速任務につきます。」


『了解、健闘を祈る。』



南米、夕焼け眩しいエルド人民共和国の財産である広大なジャングルの中で鳥たちの囀りや水の流れる音に混じって響く物騒な無線通信。



そして、人口百万の小国は今まさに破綻寸前であった。


公的機関には汚職が蔓延り、マフィア絡みの犯罪が多発、そして社会主義独裁政権に対しての反政府テロとそれに対する政府軍による反撃が繰り返され政情は極めて不安定であり、日本帝国政府は在留邦人に退避指示を大使館経由で出していたが、いきなりマフィアとの癒着が指摘されるエルド警察が大使館を包囲、数百人の邦人を逮捕監禁した。


大半は翌日に帝国空軍の空挺部隊が解放したが北海学園の2人だけは解放に失敗してしまった。


とはいえ第二波を送ったり軍事侵攻するのは国際的な批判を帝国が被ることになる。



故に世界の諜報機関からマークされていない北海学園生徒の中から常人とは違う能力を持った生徒を訓練、そして法外な報酬で危険な紛争地帯や政治的に空白な国での違法任務を遂行させていた。



そう、ゼーヴォルフ1と呼ばれる彼もその一員だ。





「何々、エルド中央警察署は………百キロ先の首都バチルグラードに有るのか。やっぱりチリから陸路潜入は大変だぜ。」



本当は彼は深夜にバチルグラード近郊にヘリで降下したかったが流石に隣国ベネズエラがいい顔をしなかったため今回はヘリ降下を諦めた。



だが彼も普通の特殊部隊とは違う。


ジャングルのような未開の大地を一時間で百キロ近く進むという化け物じみた能力を持っているため、さほど苦にはならない。


平地なら彼は二百キロ毎時は堅いと日頃言っているが今はまだ分からない。




ともかくゼーヴォルフ1は易々と危険なジャングルを抜け、日が沈みきる前にバチルグラード潜入に成功した。


ここからは先行して潜伏している支援部隊のティーゲル部隊と、現地の反政府ゲリラと協同して彼は警察署を襲撃、2人の少女を奪還する。



まずはゲリラやティーゲル部隊との作戦会議。


お互い英語・スペイン語はペラペラなため意思疎通は容易かった。



段取りとしてはまずは反政府ゲリラ30人がロケットランチャーを外壁にぶち込んで高圧電線付き外壁を破壊、ティーゲル部隊と共に兵力の大半を引き付けている間にゼーヴォルフ1が2人を救出し、日本帝国に亡命を希望する警察内の内通者を連れて屋上でヘリに回収されて脱出するという流れだ。



秒単位で決められた綿密な作戦だが、ゼーヴォルフ1は一つだけ心配している事が有った。


それは今回ダミーのミッションとしてティーゲル部隊に汚職まみれの警察長官の始末という任務が課せられているが、ソイツがいる長官自室がメインターゲットの2人の近くにいることだった。




しかし今更どうこう言おうと何も変わらない。


それにゲリラの目的は警察長官の暗殺。


それに協力してやるのも筋だと思い直し、気持ちを入れ替えた。



決行は深夜00時。


大半のビルが電気を消す中、警察署の六階立てのビルは煌々と明かりを灯していた。


『ゼーヴォルフ1、まもなく我々が動く。正面の方から爆音が響いたらすぐさま裏口の換気ダクトを登って六階へと向かってくれ。そこに我々と君らが求める者が有るはずだ。それから危なくなったらいつでも呼んでくれ。仲間を10人位派遣しよう。それでは、新たなるエルドの為に。』


「ゼーヴォルフ1了解、貴部隊に神の加護の有らんことを。」



ゲリラのリーダーと短い会話を交わした彼は来るべき時に備え、今回持ち込んだ四種類の銃器の最終確認を始める。


散弾銃にはロシア製Seiga-12、サブマシンガンはイスラエル製のUZIを、グレネードランチャーはドイツ製のM320、そして拳銃はイタリア製ベレッタを使用、そして弾丸を見ても国籍が割れないよう日本やアメリカ製の銃器は手持ちでは使用しない。


まぁ、現地にあれば奪って使うレベルである。




(はぁ、ホントに政府の退避指示を守らない奴はいっぺん死ねばいいのに。そして救出対象が女性だと後々手紙やらがどっからか身元が割れて来るんだよな。あれに返信するのハッキリ言って面倒だ。幸い金はある。返信代行サービスを使ってみるか…………?)





彼が意識を任務以外に集中させていると、




ドドドドドドドドドドドドド!!



と何か堅い物がいっぺんに崩れる音がした。



「さて、愉しいカーニバルの始まり、か。」



彼は事前に内通者が掘った敷地内への穴ぼこを潜ると傍にあった換気ダクトを常人離れした握力でつかみ、重たい銃器を肩に下げてわしゃわしゃと上ってゆく。途中三階や四階で警官の走る靴音が聞こえたが窓のすぐ近くを登る彼には誰一人気付かずに走り抜けていった。




「よっこらせっ、と。」


ガチャン!!バリバリッ!!


僅か一分で六階へと辿り着いた彼は近くの窓ガラスを銃床で叩き割ると身軽な動きで六階の廊下に着地する。




当然侵入者警報がジリジリと鳴るが拳銃で破壊、すぐさま黙らせる。


「おい、誰だお前は!!」


後ろからスペイン語が聞こえたため後ろ向きにグレネード焼夷弾を発射、誰何を阿鼻叫喚へと変える。


単純な作業。


すると続々と足音が聞こえてくるため、彼は散弾銃とサブマシンガンを乱射、後ろの簡易火炎地獄に散弾と銃弾の花を添える。



ついでに汚職警官の血と断末魔を捧げて。



署内の地図はゲリラが提供してくれたため正確でありすぐさま署長室へと向かう。




そのころ署長室では署長が高級売春婦と一戦をやらかしていた。



タタタタタ、バン!!



「何なんだ君は!!」


裸の女越しに叫ぶ署長程威厳のないものは無い。


「エルド中央警察署署長、フィデア・ラルフだな。」

ゼーヴォルフ1は右目のアイサイト越しに汚職の根源、ラルフ署長を蔑みの目で見据える。



「は、反政府ゲリラか!警官は何をしていた!」


彼が武器を大量に持っていると分かると急に怯えだして周りに自らの駒である警官の姿を探す。


「ああ、あいつら?今頃廊下で焚き火でもしてるんでしょう。」



それは彼が放った火であるが、そんな事は署長にも分かる。



「分かった、金と女をやるから命だけは助けてくれ、な?」


その太った醜い顔を笑みで歪ませ彼に命乞いをするラルフ署長。


「だが断る。」


彼は女と合体している署長の口に拳銃を押し込むと躊躇わずに引き金を引いた。


バァン!!



9㎜弾が貫通した穴から血と脳漿が混じった臭い液体が流れ出し彼の鼻をつくがそんなことを気にせずその女の延髄にチョップを入れて気絶させると、本来の救出任務へと戻る。



無様な死に様を晒す署長を放置して廊下を走る彼は、途中途中で出会う武装警官を撃ち殺し、斬り殺し、蹴り殺し、死体から流れる各種の液体が混じった川を作りながら第七拘置所を目指して突っ走る。




後ろから追いかけていた武装警官は同僚の死体の無惨さに目を覆ってしまっていつしか彼を見失ってしまった。








そして第七倉庫前に到達した彼は電子ロックをサブマシンガンで物理的に破壊し、南京錠をかかと落としで破壊すると扉を蹴り壊して中へと押し入る。



中には更に鉄格子が有り、彼はそれを跳び膝蹴りを蹴破ると、



「もうご安心下さい。我々S.I.A.C.S.が到着しましたのであなた方2人の安全は保障されます。」


と、先程署長を射殺した時ほど冷徹ではない声で俯いていた二つの人影に声をかける。


「あなた方は行方不明となっていた峰雲彩矢さんと十六夜真帆さんでよろしいですね。」



その言葉に俯いた顔が持ち上がり、彼女らの顔が見える。



だがその時、


『おいゼーヴォルフ無事か?しかし、流石東洋のアサシン、素晴らしい死体アートだな!!』


といきなり反政府ゲリラリーダーから通信が入った。

「ありがとなレブニス、先に殺らせてもらった。恨まないでくれよ。」


『気にすんなゼーヴォルフ。それよりもう帰るのか?』


「ああ、ただし数日は南米にいるさ。」


『なら後日に一杯飲みに行かないか?ヤパニッシュかチャイニッシュか知らないが気が合うからな。』


「まぁ、いいだろう。ただし、ワリカンだがな。」


『分かった。我々はアジトにて待っている。あとゼーヴォルフ1、貴殿に会えて光栄だ。』


「ふふっ、ありがとさん。」



いつまでも終わりそうにない通信を切ると、彼は2人に手でついて来るように合図をする。



しかしそこで無惨な遺体に慣れた武装警官が追ってきたためグレネードランチャーの爆裂弾を発射、殺戮のショータイムを血の赤と脳漿の色で演出する。


当然そんな流血シーンに慣れていない2人は顔が青ざめるが彼は気にしない。


「こ、怖いですぅ……彩矢お姉様ぁ……。」


十六夜はその悲惨なる光景に目を覆い、峰雲にしがみつくが、彼は気にしない。

いや、気にできないのだ。

そんなことを気にしていたら戦場では生き残れない。



『アドラー3よりゼーヴォルフ1、屋上に着陸しました。指示を願います。』


「分かった、今から2人を連れて屋上へと向かう。LZは確保してあるから安心してくれ。」


『了解しました。』




2人の少女を迎えにきたヘリとの交信を終えると彼は屋上へ続く扉を破壊して階段を先に上らせる。




途中拳銃を乱射しながら迫り来る武装警官を散弾銃とグレネードで屠殺しながら2人をヘリへと乗せ、アドラー3に離陸指示を出す。

『了解、アドラー3離陸します。』


エルド軍採用のソ連製ヘリに似せた輸送ヘリがバタバタとやかましいローター音をたてながら離陸するのを確認すると彼はまた換気ダクトを伝って降りてゆく。



ちなみに、不用意に戦場に長時間留まるのは時にベテラン兵ですら死に至らせる。


それを理解しているゼーヴォルフはミッションを達成するとすぐさま姿をくらます。




音沙汰も無く。


証拠を掴ませず。


それはまるで北欧神話の怪狼フェンリアの如く。


どこからともなく現れ、確実に標的を仕留め、また何処かへと消えてゆく。




「さて、レブニスの待つアジトにでも戻りますか。」

彼は幾多の人命を奪ってきた銃器をコートで覆い、路地裏からエルド繁華街の雑踏へと溶け込む。


「ふあーぁ、やはり日本とエルドだと半日違うからな。」





その数日後、エルド人民共和国は資本主義を唱える反政府ゲリラに首都を制圧されて崩壊、新たに南カリブ連邦が成立した。


そのお祭り騒ぎの中で数機の新生南カリブ連邦のヘリが密かに失踪、残骸すら発見できなかったという事件が起きるがすぐに人々の忘却の海に沈んでしまった。



旧エルド国民は祖国の改革に夢中でそれどころではなかったのだ。


そして、ぜーヴォルフ1もつかの間の非日常から離れ、高校生活という日常に一旦帰ることにした。


あぁ、誰かラブコメの書き方教えてくれないかな。

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