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第3話 普通の高校生と再起する魔法少女

前回のあらすじ

普通の高校生 姫本さくらは天野レイの家で魔法少女について教えてもらい、彼女達と協力することを約束する。

その後、さくらは明日の放課後に来る事を約束し、自身の家へ帰っていった。

さくら「いってきますわ」

さくらはいつも通りに登校していた。

さくら (昨日はいろんな事があったなぁ、登校中に出会ったヒカリさんが私のクラスにやってきたり、リインフォースさんを助けるために魔法少女に変身して戦ったり、レイさんに魔法少女について教えてもらったり、

今日も何かあるのかなぁ)

さくらは今日も何かが起こるかと微笑みながら期待していた。

さくら (そういえば何か忘れている気がするけどそのうち思い出すかもしれないからいっか)

そんな事を考えながら道を進んでいるとヒカリと出会った曲がり角に着いていた。

そこにはさくらがよく知っている人が立っていた。

さくら「ヒカリさ…ま…?」

ヒカリ「さくらさん おはようございます」

さくら「ごきげんよう、じゃなくて!その顔色!何があったんですの!!!」

ヒカリ「少し眠れなくて」

さくら「大丈夫ですの?」

ヒカリ「お気になさらず」

そう言ってヒカリは学校に向かおうとしが、

ヒカリ「あ…れ…?」

さくら「危ない!」

ヒカリが倒れそうになると、さくらは咄嗟にヒカリを抱きかかえた。

ヒカリ「ごめんなさいさくらさん」

さくら「全然大丈夫じゃないですか!」

さくらは抱きかかえているヒカリをおんぶして、ヒカリに問う。

さくら「ヒカリ様の家と学校、どちらの方が近いですの?」

ヒカリ「ここからだと学校の方が近いです」

さくら「なら、わたくしが学校の保健室までおんぶして行きますから保健室で休んでください」

ヒカリ「いいんですか?」

さくら「ヒカリ様が道端で倒れるくらいならこのくらいへっちゃらですわ!」

ヒカリ「…ありがとうさくらさん…zzz」

ヒカリは小声で感謝するとそのまま眠ってしまった。

さくら (ヒカリさん思ってたより軽い…ご飯ちゃんと食べてるのかなぁ?)




さくら「お邪魔します…」

保健室の扉を開けたが中には誰もいなかった。

さくら (保健室の先生が戻ってきた時のためにメモを残しておこう)

さくらはヒカリをベッドに寝かせると、登校中にあった出来事をまとめたメモを残し、保健室を後にした。





さくら「皆様ごきげんよう!」

「おはよう!さくら」

「おはようございます、さくらさん」

「ごきげんよう、さくら様」

さくら「ごきげんよう」

いつも通りにさくらと挨拶を交わすクラスメイト達。

「あら?今日はヒカリ様とは一緒じゃないんですの?」

昨日、とても仲良くしていた、ヒカリとさくらが一緒じゃないことに疑問を持ったクラスメイトはさくらに質問した。

「そういや、今日はまだ来てないな」

「さくらさんは何かご存じで?」

クラスメイト達の質問にさくらは答える。

さくら「ヒカリ様は体調が優れないから、保健室で休んでいますわ」

「ヒカリに何かあったのか!」

さくら「ヒカリ様は寝不足とおっしゃっていましたわ」

「朝から保健室で休むくらいに、体調が優れないのでしたら、どうやって登校したんですの?」

さくら「わたくしが背負って、一緒に登校しましたわ 」

「背負って来たんですの!!!」

「一旦落ち着け!」

さくらがヒカリを背負って来たことに驚く、お嬢様言葉のクラスメイトを、勝気なクラスメイトが落ち着かせようとした、その間に真面目そうなクラスメイトがさくらに声をかける。

「お疲れ様ですさくらさん、ヒカリさんにもお大事にと伝えておいてください」

さくら「承知しましたわ、授業が終わったら、ヒカリ様にお伝えしますわ」

さくらが伝言を預かると、勝気なクラスメイトが、口を開いた。

「そうなると、今度の休日の予定どうするか?」

さくら「今度の休日がどうかしたのですか?」

さくらの疑問に落ち着きを取り戻したお嬢様言葉のクラスメイトが答える。

「実は今度の休日に近所のデパートに行かないかという話をしてまして、そのデパートに行く時にさくら様とヒカリ様を誘おうか話し合っていましたの」

お嬢様言葉のクラスメイトが答えると、それに続くように、ヒカリとさくらを誘おうとした理由を勝気なクラスメイトが話した。

「ヒカリとはまだ関わりが浅いから関係を深めたくて、さくらは一緒にいると楽しいからなんだが…」

勝気なクラスメイトの話した理由にさくらは微笑みながら答える。

さくら「ええ、一緒に行きましょう、ヒカリ様には授業が終わった後、すぐに伝えに行きますわ」

「ありがとう、さくらさん」

さくら達が休日の話を終えたちょうどいいタイミングで、ホームルームのチャイムが鳴り、先生が教室に入ってきた。

先生「はーいみんな席について~」

「それじゃ、ヒカリによろしくな」

さくら「承知しましたわ」

さくら達はホームルームのため、自分達の席に戻った。



~授業後~


さくら「それでは、わたくしはヒカリ様のところへ行ってきますわ」

「ヒカリによろしくな」

「次の授業は移動教室ですので、さくら様の教科書を代わりに持っていきましょうか?」

さくら「ありがとうございますわ、ならそのお言葉に甘えさせてもらいますわ」

さくらは、お嬢様言葉のクラスメイトに教科書を渡して、保健室へ向かった。




さくら「失礼します」

ヒカリ「さくらさん…おはようございます」

保健室には、今起きたヒカリ以外の人はいなかった。

さくら「ごきげんようヒカリ様、体調はいかがですの?」

ヒカリ「さくらさんのおかげで、だいぶ良くなりました」

そう答えたヒカリの顔はお世辞にもいい表情とは言えなかった。

さくら (ヒカリさん暗い表情だなぁ、もしかして眠れなかった理由が関係しているのかも)

さくら「ヒカリ様」

ヒカリ「どっっどうかしましたか、さくらさん?」

ヒカリは慌てて笑顔を取り繕う。

さくら「話していただけませんか」

ヒカリ「え?」

さくら「どうしてさっき、暗い表情をしたんですの?」

ヒカリ「暗い表情なんてしてい…」

さくら「いいえ!していましたわ!」

ヒカリの言葉を遮るように、さくらが否定する。

さくら「眠れなかった原因も、暗い表情をした理由と関係があるんじゃないんですの?」

少し考えた後、ヒカリは口を開いた。

ヒカリ「少し長くなってしまいますが、聞いていただけますか?」

さくら「ええ、長くても構いませんわ」

ヒカリは、自身が眠れなくなってしまった原因について、語り始めた。

ヒカリ「昨日、さくらさんと別れた後、親しい人が路地裏に入って行くのを見て、その後を追いかけました…」

ヒカリ「…その先では、親しい人が危ない人達と関わっていて…」

ヒカリ「…それで私は、危ない人達からその人を離れさせようとしました…」

ヒカリ「…ですが、返り討ちに遭い、私…は…」

さくら「ゆっくりで構いません、わたしは聞き続けますよ」

ヒカリは途切れ途切れになりながらも、言葉を吐き出し続け、さくらはヒカリの隣に行き、落ち着けるように背中をさする。

ヒカリ「ありがとう、さくらさん…少し落ち着きました」

ヒカリは落ち着きを戻すと、話の続きを語りだした。

ヒカリ「…それで、私はその人に惨めな姿にされ、その姿を見られたくない人に見せてまいました」

ヒカリ「これが、昨日あった事です、親しい人を救えず、惨めな姿にされ、その姿を曝される、そんな情けない自分の事を考えていたら眠れなくてしまいました」

ヒカリは悔しさと後悔を混ぜたような声で、途中から涙をこぼしながら自分の事を話した。その話を聞き終えたさくらは、泣いているヒカリを強く抱きしめる。

ヒカリ「さくら…さん?」

さくら「ヒカリ様は惨めでもなければ、情けなくもありません!!!」

さくらの瞳は涙が溢れるほど、潤っている。

さくら「だって、危ない人達から親しい人を守るために、立ち向かったじゃないですか!」

さくら「そんな人をわたくしは!わたしは!!!惨めだとか、情けないだとか思いません!!!」

ヒカリ「ですが私はあの人を救えなかった…」

さくら「だったら!わたしが協力して、その親しい人を救ってみせます!」

ヒカリ「協力と言っても、どうやって…」

さくら「少し待っていてください」

そう言うと、さくらは流していた涙を拭い、ヒカリから少し離れ、何処からか変身用の腕輪を取り出し、宣言する。

さくら「変身!」

さくらが光に包まれ、その中から魔法少女になったさくらが現れる。

さくら「魔法少女になったわたしが、危ない人達からヒカリさんの親しい人を一緒に助けましょう!」

さくらは、温かさの中に強さのある声とともに、手を差し伸べる。そんなさくらに迷いながらも答えがわかりきっている質問をする。

ヒカリ「…危険な目に遭うかもしれませんが、それでも一緒にいてくれますか」

さくら「ええ、どんなに危険な事や人に関わっていく事になっても、ヒカリさんと一緒に乗り越えたいです!」

その言葉を聞いたヒカリは、差し伸べられた手を取る、ヒカリの表情からは明るさがほんの少し戻っていた。



その後、さくらは変身を解除し、ヒカリと共に保健室を出て、次の授業がある教室に向かって行った。





さくら「ヒカリ様、今度の休日何かご予定はございますか?」

ヒカリ「特には無いですが、どうしてですか?」

さくら「クラスメイトの方が、ヒカリ様と交流を深めたいという事で、近所のデパートへ一緒に行きたいと伝言を受けましたので」

ヒカリ「そうでしたか…」

ヒカリは少し考えた後、笑顔で答える。

ヒカリ「行きましょう、私も交流を深めたいと考えていたので」

ヒカリの返事に、さくらは喜びながらヒカリの手を取る。

さくら「では、その時は一緒にお店を回りましょう」



そんな会話をしていると、

ヒカリ「!!!」

さくら「どうかされましたか?」

ヒカリ「保健室に忘れ物をしていました」

さくら「なら、わたくしが取りに行きましょうか?」

ヒカリ「一人で行きますから、さくらさんは先に教室に行ってください」

そう言うと、ヒカリは急いで走り去ってしまった。

さくら (まだ授業には間に合うけど、何かあったのかな?)

そんな事を考えていると、さくらのスマホにメールが届く。

さくら (学校にネガが出現!?リインフォースさんも向かっているから、わたしには先に見つけて対処してほしい!?)

それはレイからのネガ出現を知らせるメールだった。

更に畳み掛けるように、校内に設置されているスピーカーから緊急の放送が流れる。

「昇降口付近に不審者がいます、生徒は安全に避難を、先生方は生徒の安全を確保した後、警察や魔法少女の方に通報してください」

放送を聞いた生徒達はパニックに陥る。

さくら (警察だけじゃなく魔法少女にも通報してるのは、もしかして昇降口にいるのは不審者じゃなくて、ネガかもしれない!)

そう考えると、さくらはパニックに陥っている生徒達を掻き分けながら進んで行く。


そうして昇降口に着いたさくらが見たのは、足首までの大きさのネガが数体、それも片手で数えられるくらいだった。

さくら (これくらいなら、リインフォースさんが来る前になんとか出来そう)

さくら「変…」

一人でなんとか出来ると考えたさくらは、腕輪を着けて変身しようとする。しかし…

さくら (腕が動かない…どうして?)

何故か腕が動かず、変身出来ないさくら。

突き上げようとした腕を見るとそこには腕全体をネガが包み込んでいた。

さくら「ネガ! いつの間に、それに何処から」

何処からネガが来たか見回していると、目の前の下駄箱から数匹のネガがさくらに向かって飛び出して行く。

さくら (まさかあの下駄箱は、既に取り込まれて…)

さくらは一旦その場を離れようとするが、腕に纏わり付いているネガのせいで、バランスを崩し仰向けに倒れてしまう。

飛び出してきたネガ達は倒れたさくらの四肢を包み込み、床にくっついて、さくらの身動きを封じてしまう。

さくら (早く脱け出さないと他の人達に危害が)

動けないさくらに対して元々居たネガ達がどんどん近づいて来る。

ネガとさくらの距離が手を伸ばせば届きそうなくらいまで近づいたその時、

???「待ちなさい!」

ネガ達の動きが一旦止まり、声の発せられた方へと向かって行く。

さくらが声の発せられた方に顔を向けるとそこにいたのは見たことのあるチアガールのような格好をしているが、以前会った時よりもとても明るく堂々としている少女だった。

リインフォース「お待たせしました、さくらさん!」

さくら「リインフォース様!」

リインフォースは自身に向かって来るネガ達をまるで踊る様に軽々と倒していく。

向かって来たネガを全て倒すとリインフォースはさくらを拘束するネガを引き剥がそうと近付く。

リインフォース「さくらさん大丈夫です…」

さくら「待ってください、まだ後ろの下駄箱にネガが!」

さくらの言葉で下駄箱の方を向いたリインフォースは自身の手から魔法でできたポンポンを生み出すとそれをネガに取り込まれている下駄箱に向けて放つ。放たれたポンポンは勢いよく下駄箱に衝突するとネガだけを消滅させた。

リインフォースはネガを倒した事を確認すると、さくらの手足を包み込んでいるネガを引き剥がした。

リインフォース「さくらさん、此処から離れますよ」

さくら「どうし…え!?」

リインフォース「しっかり掴まってください」

リインフォースはさくらをお姫様抱っこして、下駄箱から別の場所に移動する。




リインフォース「此処なら他の人に見つかる心配は無さそうですね」

そこは人目のつかない校舎裏だった。

リインフォース「降ろしますね、気をつけてください」

さくら「あ…ありがとうございますわ」

さくら (急にお姫様抱っこをしてこんな所に連れてきて、リインフォースさんどうしたんだろう?)

困惑するさくらを降ろしたその直後、リインフォースは全身でさくらを強く抱きしめる。

さくら「リインフォース様!?」

リインフォース「さくらさんのおかげで…私は…もう一度頑張ろうと思いましたから…」

リインフォースの涙を流しながらの抱擁に戸惑いつつも、さくらはこぼれた言葉に疑問を持つ。

さくら「あの…リインフォース様、わたくし何かしましたか?」

リインフォース「どんな事があっても…一緒に乗り越えたいと…言ってくれましたよね」

さくら(その言葉はヒカリさんに…まさか!)

さくらはリインフォースの正体に気づく、それと同時に自身がした伝言を思い出し顔がどんどん赤くなる。

リインフォース「さくらさん?」

さくら「もしかして貴女はヒカリ様ですか?」

リインフォース「!!!……何時気づきましたか」

さくらが自分の正体に気づいたことにリインフォースは驚き、流れていた涙が止まる。

さくら「先程おっしゃったことは、ヒカリ様にのみ伝えていましたので」

さくら「それで…その」

さくらは恥ずかしがりながら、質問する。

さくら「昨日の伝言覚えてますか?」

ヒカリ「はい…私も大好きですよ」

ヒカリの言葉でさくらは気を失ってしまう。




さくらが次に目を覚ましたのはヒカリの背中の上だった。

ヒカリ「目を覚ましましたか、さくらさん」

さくら「ええと…どうしてこうなっているか、説明してもらっても?」

ヒカリはさくらが気を失った後のことを説明した。

どうやら、さくらを保健室て寝かせてヒカリは教室に戻った、その後また校内にネガが出るかもしれないということで、学校は全生徒を帰宅させた。その際にさくらの家が近いからヒカリがさくらを背負って下校したらしい。

さくら「そうでしたか…いろいろありがとうございますヒカリさん」

ヒカリ「どういたしまして」

さくら「それで…その…ヒカリさんに言いたいことがあって…」

ヒカリ「何でも言ってください」

さくら「わたしと…わたくしと付き合ってください!」

ヒカリ「もちろん 喜んで」

さくら「ありがとうございますわ」



こうして付き合いはじめた二人は共に帰路を進んで行った。


       続く

まずはじめに、お待たせしました。

次の話までにまた半年ぐらいかかるかもしれません、

感想が欲しいです。

最後に読んでいただきありがとうございます。

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