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海賊放送船イービル・トゥルース号の冒険  作者: 悪魔の海賊出版
第三部・キャプテンパンダと愉快な仲間達号の冒険

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受けたり攻めたり

受けたり攻めたり



「あんたら、ハチさんに、マルさんに、ワンコさんで間違いないかい!?」

 104mm RINGO砲が生み出した砂煙の中、トゲトゲマックスなシノギ仕様の強襲トラックからの通信。

「801801。あんたらが、ヴィーさんとエノレさんで間違いないかい?」

 センクターが通信機に言葉を返す。

「腐った女子が」

 トラックからの通信。

「腐った組織を蹴っ飛ばす」

 センクターの応答。

「いいだろう。攻めたり受けたりが大好きなあたしらだけど、あんまりじゃれあってると、腐った組織がここに激しく突っ込んでくるからね。あいつらとからむのはめんどくさい。細かいことは抜きにして、とっととシノギをかたづけてサヨナラしよう。さあ、銀河の果てから持ってきた、腐ったブツをみせてみな」

 トゲトゲマックス仕様の強襲トラックからの通信。

「あたしらがじゃれ合ったらユーリィだからねえ。細かいことは抜きにしようか。今は早くコトが済む方がいいからねぇ」

 センクターがカラミティ・ヒアのトリガーを引く。

 BAN (G)!!

 コンテナの外装が開き、ぎっちり詰まった紙の本の山が現れる。

「取引前に、ブツの味見をさせとくれ」

「好みを言いな」

「スパダリ、ワンコ、砂を吐くような」

「承知だよぉ。ハチ! あんたに近い山、向かって左端の3冊目を投げてやんな」

 キャンディ・アップルレッドが、指定された本を山から器用に抜き取り、強襲トラックへと放り投げる。

 強襲トラックの窓からレーザーにスタッズだらけの腕がのび、空中で本をキャッチ。窓の中へと本が消えていく。

「あら〜♡ 銀河の果てのスーパー攻め様は、やっぱりワイルドでいらっしゃる♡」

 さっきとはうって変わったスィートなボイスが通信機から流れる。

「もう一冊、お味見をしてみるかい?」

 センクターが通信機にささやく。

「いきなり好み指定のブツを投げてよこせるなら、その山はどれもブラック・レーベルの宝の山と信じるよ。カップリング成立だ」

「いいこだよぉ」

 センクターがトリガーを引くと、コンテナの外装が閉じていく。

 トゲトゲマックス仕様の強襲トラックが3機のメタル・マシーンとコンテナへと接近。

 今度は強襲トラック側のコンテナが開いて、銀河間交易手数料ぎんがかんこうえきてすうりょうと闇取引のマージンを合わせたゼニーと、兄冥土あにめいどのあいだで物々交換されて闇流通しているブラックレーベル作品の山をさらす。

「どこの山から抜いてもいい」

 通信機の言葉にセンクターがうなづく。

「ちょいとレーザーと変な音を出すけれど、ビビらないでよぉ。こいつは行為の前の検査みたいなものだからさぁ」

 カラミティ・ヒアの頭部から緑のレーザーが照射しょうしゃされ、同時に奇妙な音が砂漠に響く。

 カラミティ・ヒアには、瓦礫の中に埋まった知的生命体を発見する、レーザーと超音波を使用する探知機が装備されている。この技術を応用して、山積みのブラック・レーベル作品の内容とゼニーの真贋しんがんを、カラミティ・ヒアは見抜くことができるのだ!

「どうだい? ウチの銀河のお味は?」

「カップリング成立だよぉ」

 センクターの言葉に、強襲トラックのコンテナが閉じる。

「マル!」

 漆黒しっこくのメタル・マシーンAXE-AXEエイツーが強襲トラックにつまれたコンテナに手をかけ、重厚じゅうこうな近接戦闘兵器である溶断斧・アチチアックス(断じてヒートホークではない)を軽々振り回す力をふりしぼり、コンテナを地面におろす。

「良き腐道を」

 センクターのカラミティ・ヒアが敬礼。

 漆黒のメタル・マシーンAXE-AXEエイツーが強襲トラックに、ブラック・レーベル作品(通称BL)が満載されたコンテナを載せる。

「良き腐道を」

 トゲトゲマックスの強襲トラックからの応答と、窓からのハードなレザーとトゲトゲスタッズの腕がみせる敬礼。

 そして漆黒のメタル・マシーンAXE-AXEエイツー

「お時間です」

 と冷静に告げる。



「くそがぁぁぁぁ!」

 銀河一逃げ足の早い操縦士が機動兵器の投下ポイントへと帰るために、全力でペダルを踏み込みキャプテン・パンダと愉快な仲間達号の操縦桿を倒す!

 全力転舵ぜんりょくてんだ強烈傾斜きょうれつけいしゃの船体! 重力制御装置が消しきれないキツイ横Gの中で、アークとタッヤとネガが歯を食いしばる!

「キャプテン・パンダと愉快な仲間達号、全力転舵中! 回収ポイント到達まで4分と予測。急襲降下部隊は回収ポイントへの上昇を開始してください!」

 タッヤがセンクター急襲降下部隊に無線を飛ばす!

「SS戦闘機が複数、回収ポイントに向かって急接近中! こいつら予想より速く飛びやがるッ!」

 AXE席のレーダー盤からアークが飛び出し、横Gを利用してアイアンブルーとガンメタルグレイの艦橋をすっ飛んで、こんどはミーマ席にかじりつく!

「SS戦闘機隊、回収ポイント到達まで2分と推測! まずい! こいつはカチ合うぞ! コタヌーン! センクター急襲降下隊の回収後、この船のケツに火をつけるぞ!」

「あいよぉ! まんま宇宙にブッ飛ぶくらいに燃やしますぜぇ」



「さあ、お母さんの腹に帰ろうか」

 ゼニーとブラック・レーベル作品(通称BL)がたっぷり詰まったコンテナを抱いた3機のメタルマシーンが、個体燃料ロケットに着火する。

 すさまじい爆音が響き、3機のメタルマシーンが背負う固体燃料ロケットエンジンが炎をあげる。

 鋼鉄の腕が抱くゼニーとブラック・レーベル作品たっぷりのコンテナと共に、3機のメタル・マシーンが空へと上昇を開始する。

「突っ込む時はあっという間だったけれど、昇るとなるとなんだかもどかしいねぇ」

 


「接近中の所属不明の宇宙船と上昇中の機動兵器3機を確認! 上昇中の奴等は、積荷不明のコンテナを抱いています! さらに、方位11に爆走する武装トラックを一台発見! シラセ隊長! どれを狙いますか?!」

 部下からの報告にSystem Self-Defense Force SSF支援迎撃隊隊長、係長准尉かかりちょうじゅんいシラセの脳が高速回転!

 所属不明の宇宙船を平定すれば大金星。機動兵器は帰れない。しかし、機動兵器を降下させるということは、宇宙戦艦でなかったとしても武装艦であることは間違いないだろう。重力下では航空機に対して宇宙船は鈍重どんじゅうなマトに過ぎない。砲の死角からの平和力行使で完全平定。しかし、それは我々が宇宙船に接近できればの話。強大なジェネレーター出力で稼働かどうするビーム兵器の前では、遠距離から接近中の我々は、ミサイルよりも遅い鈍重なマトであり、完全迎撃されてつまりは無力。何より、我々は対艦ミサイルを装備していない。

 となれば、狙うは積荷不明のコンテナを抱くテロリストどもの操る機動兵器! 爆走するトラックは音速を超える我が隊からしてみれば、ひょうから逃げるカタツムリ! 後から追えばいいだけだ! 

「我らは不格好ぶかっこうに空を昇る不届き者どもを平定する! 所属不明の宇宙船はSystem Self-Defense Force SSF護衛艦隊に任せればいい。ここを片付けたら武装トラックを平定するぞ!」

「応ッ!」

 部下達の力強い応答にシラセはうなづく。

 だが……。なんだこの胸騒むなさわぎは? 所属不明……。嫌な思い出をよみがえらせる言葉だ。

 音速で空を翔けるシラセの心中は、正体不明にざわついている。



「くそがぁぁぁぁ!」

 大気圏内をキャプテン・パンダと愉快な仲間達号をぶっ飛ばすネガの悪態あくたい

「センクター急襲降下隊の上昇開始を確認! 回収ポイント到達までおよそ1分!」

 アークが状況報告を終えると、横Gの中をミーマ席から飛び出して、今度はAXE席にかじりつく!

「SS戦闘機隊急速接近! まずい! こいつは回収ポイントでドンピシャのご対面だ! しかもこっちにゃ今はスゴ腕の砲手がいねえ!」

 アークが叫ぶ!

「センクター急襲降下部隊! シンセティック・ストリームの戦闘機とカチあいます! 最悪の場合はコンテナを放棄ほうき! 帰還きかんを優先してください!」

 鬼の表情と化したタッヤが、無線に苦渋くじゅうの決断を告げる!

「オレノバッテリーハドウナルノ!?」

 イクト・ジュウゾウの言葉が、アイアンブルーとガンメタルグレイの艦橋に悲しく響く。



反撃平和力行使突入陣はんげきへいわりょくこうしとつにゅうじんでいくぞ。まわりこんで所属不明の宇宙船の射線しゃせんと機動兵器を我が陣とむすぶ。それならば艦砲射撃はあり得ない」

 シラセが部下へと告げる!

「応ッ!」

 System Self-Defense Force SSF支援迎撃隊が一列に並び縦隊じゅうたいを形成。接近する所属不明の宇宙船の射線を予測し急降下、撃てば機動兵器が消滅する位置を取る!



「まずいよぉ。まずいよぉ! こいつはまずいよぉ!」

 鬼と化したタッヤからの通信と、接近してくる戦闘機の到達時間を告げるAXE-AXEエイツーからの通信を聞きながら、センクターが歯ぎしりする。

「奴等をおさえればいいんでしょ?」

 キャンディ・アップルレッドからの通信に、センクターの金と銀の両の瞳が見開かれる!

「あんた! なにするつもりだい!」

 センクターの問いには答えず、キャンディ・アップルレッドがコンテナから片手を放し、個体燃料ロケットが火を吹く背中をコンテナにあずける。

 ガチン! 

 背中の固体燃料ロケットから飛び出したメタルアンカーが、コンテナへと食い込む音。

「マジ!?」

 AXEからいつもの冷静さを欠いた言葉が漏れる。

「いーやっほぉぉぉ!」

 背中に背負った2基の個体燃料ロケットを1基コンテナへと残し、キャンディアップルレッドが空へと飛び出す!

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