激震! 超自民要塞フミア・ザヤカ!
激震! 超自民要塞フミア・ザヤカ!
異次元異様要塞カルト・スターに叩き込まれた、九式海賊放送弾が振動して要塞構造物を震わせていく。
物理振動によって要塞の構造物自体から音が流れ出すために、絶対に聴取拒否不可能の海賊放送は、超自民要塞フミア・ザヤカ全てに激震を走らせた。
ヘッド・オフィスが、サテライト・オフィスが、戦闘指揮所が、現場監督指揮所が、現場詰め所が、権畜給餌場が、権畜畜舎が、権畜慰安所が、ありとあらゆる場所が、拒絶不可能な海賊放送をダバダバと流しこまれて、循環空気をビリビリと震わせられた!
「俺が殺ろうと思えば、てめえらを全員漏れなくブッ殺せるんだぞ」
野蛮などという段階を通り越した、残酷残虐暴虐虐殺実行(ざんこくざんぎゃくぼうぎゃくぎゃくさつじっこう)を大宣言した恐怖の放送が、ありとあらゆる権畜達の聴覚器官をビリビリと震わせた!
権力様にご奉仕するという、義務を果たした時のみ生きることを許される。人権を持たない権畜達は衝撃を受けた。
科学戦隊めいたカッコいい制服に身を包み、権力様という大樹に寄り添って僕様は生きてきた。絶対安全安心な明るい未来しかないはずの僕様が、リアルに凸してきた左翼暴力革命テロリストに間もなくブッ殺される! 目の前に突きつけられた、ありえないような余命宣告に、僕様達の中枢神経細胞がブルブル震えた。
本当にそんなことができるのだろうか?
圧倒的多数様を従える権力様に寄り添う権畜達を、全員皆殺しにできるような暴力を、左翼暴力革命テロリストどもは本当にふるえるのだろうか?
そんなことはあり得ない。そんなことは常識的に考えられない。
何よりこちらは圧倒的に巨大で、過半数など簡単に突破した多数様が生み出した、大自由に権力をふるえる権力様なのだ。そして、Space Synthesis Systemとは、多数が絶対強者で絶対正義の絶対的なシステムなのだ。
そんな強大な絶対存在が、おそらく千人未満の生命体で運営されている、たった一隻のド旧式ドクロ宇宙戦艦に破壊されるだって?
嘘みたいなことが、実際に起こり得るのだろうか?
昨日も一昨日も、僕様達は圧倒的な権力を大自由にふりまわして無双した。だから当然今日も、圧倒的な権力で何もかもを無双するはずだった。毎日、毎日、当たり前のように繰り返されてきた権力無双。それは強烈な正常性バイアスとなって、僕様たちにとって都合の悪いことはあり得ないし、想定しない。
でも、今現在という今日は違う。
要塞に凸してきた頭がお花畑の左翼暴力革命テロリストに事実、しっちゃかめっちゃかにヤラれまくっているわけで……
この放送自体がそうだ。
権力様の前に平服して多額のゼニーを政治献金し、権力様からご許可いただくことすらしていない!
自由気まま勝手にやりたい放題! アベンシゾーは馬鹿だ阿呆だケツの穴で、国賊売国虚言癖だと好き放題に言っている!
Space Synthesis Systemでこんな放送が行われたなら……
即刻電波停止どころか、放送局ごと知的生命体が全員集団自決して、自己解決しているに決まってる……
でも、いま現在、そんなあり得ないような放送が現実に、ガンガンに要塞のあらゆるところでバリバリ鳴り響いているのだ……
権畜達は、目の前にある情報表示盤を叩いて、今日という現実をモニターの中にみる。
モニターで確認した左翼暴力革命テロリストの姿は、ホラー映画など軽く突破した、恐怖の残虐王みたいな姿だった。
全身血みどろで、ドログチャになった臓器まみれの、知的生命体をブッ殺すことをなんとも思っていない、正真正銘の悪鬼にみえた。
そして……、血みどろ悪鬼の前には……
肉体を上半身と下半身に分断されて、なかみを全部ぶちまけて死んでいる、あまりにも多くの死体。まきちらされたバラバラの手足と、いちじるしく損壊した臓器が生み出した、血の海にころがっているあの男の顔には、見覚えがあった……
「あ……、あ……、ああああ……」
お生でガンガン突っ込まれた無修正の現実が、権畜達の心までゴンゴン届いて徹底的にわからせる。
権畜達の心がグラグラ揺れて、膝がゲラゲラ笑い出す。
こんなはずじゃなかった……
巨大な権力様に寄り添って言う事を聞いておけば、僕様は絶対安全安心な明るい未来が大確定。
権力様がさきっちょだけだからと言って、あとは問答無用でおナマでオクまでインの、一本道をガンガン突いてヌメヌメ進んで、最後は自分勝手にドバドバ出すような、ドロドロに気持ちいい生涯が、僕様には約束されていたはずなのだ。
でも、でも、でも……
次から次に私番号樹脂板に届いたレッドペーパーでもって、後方勤務への任命を拒否されて、最前線に出て逝かされた同僚達の姿を思いだす。
あいつも、あいつも、あいつも、どいつもこいつも、私番号樹脂板がピカピカ赤く光って連れてかれ、モニターの中に転がるバラバラ死体になって死んだのだ。
同じ釜の甘い汁を吸った同期の豚は、血みどろまみれの残虐王がふりまわしている電動凶器に分断されて、ドログチャの肉塊骨片になってしまった……
同僚がどれだけドログチャになろうと、僕様に起きたことではない。
しょせんは全部、他人事!
だけど……
血みどろまみれの残虐王が、血みどろまみれの悪剣を突きつけて……
「次はおまえだ」
と言っている。
おまえの皮膚を裂いて肉を斬り刻み、臓器を全部引きずり出してから、骨の髄まで砕いてやると言っている。
対岸の火事だと思っていた惨事は今や、僕様のところまで火の粉が飛んできているのだ……
お生かつ完全無修正で突きつけられた現実に、僕様の大事な生命がヒュンとなる……
だとしても……
降伏するなんて選択肢が、ありえるのか?
いつも厳しい現実をみている圧倒的な権力様が、頭がお花畑の左翼暴力革命テロリストに倒されるなんてことが、本当に起こり得るのか?
いつもだったら、右でも左でもない普通の権畜である僕様は、そう考えただろう。
でも……いまは……
モニターの中に存在する、血みどろ臓器まみれの暴力装置が、おそろしい対物チェーンソーを手に、死の壁のように立つ姿をみてしまったら……
あんなに野蛮で暴力に満ちあふれる、劣等残虐生命体が、あんなにヤヴァイオモチャを持ってリアルに凸ってくるのだとしたら……
僕様達はわからされてしまうどころか、腹が破れるとこまで殺られて血液プッシャーして逝き果てて、ブッ殺されてしまう気しかしない。
その恐怖は、昨日も一昨日も権力様のお力で無双してきた、僕様達の心をグラグラと揺さぶった。
見ろ。血みどろ重機動兵器の背後にいる、今どきあり得ない、大宇宙戦争時代のロマン兵器みたいな姿をした、ド旧式ドクロ宇宙戦艦を……
実体弾攻撃など化石級の時代遅れになった零和 (※)の時代に、全身を重装甲で包みこんだ宇宙戦艦だなんて……
性能詳細一切不明……。だから本当にあの宇宙戦艦は、この要塞が大爆発しても、平気な顔して生き残れるのかもしれない……
なにより……
アベンシゾーたった一体差し出せば、おまえら全員、畜生から人権を保証された知的生命体に千階級特進!
アベンシゾー明けましたね!
権力様が要求する義務を果たした者だけが、生きることを許される。そういう家畜みたいな生涯を生きている僕様達の心に響く、畜生から知的生命体への大幅格上げという素敵な未来!
「アベンシゾー明けましたね!」
権力様の耳が痛いどころではない! 権力様をブッ殺すと権力の中心で叫んだ、無免許ごめんの海賊放送がブチかました言葉は、すさまじい破壊力を持って権畜達の心にブッ刺さったのだ!
※ synthetic streamでは、多数の銀河が採用する大宇宙世紀を使用せず、独自の年号を使用している。それが零和である。




