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海賊放送船イービル・トゥルース号の冒険  作者: 悪魔の海賊出版
第六部

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アーク・マーカイザックの発狂

アーク・マーカイザックの発狂




「どんづまりの行き止まりでついに、アークはおかしくなっちゃったってことなんですかぁぁぁ?!」

 アイアンブルーとガンメタルグレイで構成された艦橋に、タッヤの悲痛ひつうな悲鳴が響いて、悲劇の現場をめぐる循環空気を震わせた。

 ボンキュッボンのラインを描く身長2銀河標準メートルの褐色かっしょくボディを、ガッチバチのベルトとバックルだらけの軍隊仕様のバトルスーツで包んだ、黒髪ロングのセンクターお姉様が、ひたいに嫌な汗を浮かべて金と銀色の瞳を泳がせながら、状況判断を開始する。


 後先のことをなにひとつ考えない、理屈りくつだけの話なら……

 この船がブッ放せば、要塞をブッ壊せるのは間違いない。ここまでは、アークの言っていることに嘘はない。

 ただし、こっちもタダでは済まないどころか、死ぬ可能性が99.89%以上確実にある、という事実を忘れてはいけない。

 要塞をブッ飛ばしても、俺達は重装甲に守られて、全員ピンピンしてGO TO 明後日!

 細かいことを考えなければ、この話は本当のように聞こえる場合もあるけれど……

 純粋100%混じりっけ一切ナシで、正真正銘しょうしんしょうめいの大嘘だってのが事実だよ……

 だけど……

 通常の二倍以上に常軌を逸していると言っても、アーク・マーカイザックが選ぶ選択肢は、いつもブッ飛び過ぎた未来への道を突っ走っているだけで、完全に無策むさく無謀むぼう暴挙ぼうきょだったということは、ただの一度もなかったのも事実。

 だとすれば……

 切り札なんざ一枚もありゃしないアークが、全乗組員の大事な生命タマまでオールインで全部突っ込む、クッソ強気でヤッヴァイ大ブラフ!

 そういうことなんだろうけどさあ……

 切り札ゼロの究極役無しフニャフニャ役勃やくたたずなブタ手札で、イカれた強気だけを頼りに大ブラフをぶちかまし、危機的状況を華麗かれいにパス!

 そんな嘘みたいなことに、大事な生命をオールインしちまうイカれた精神を、乗組員全員がもってるわけじゃないと、状況を判断するしか……


 情報分析状況判断士一種特級を持つ、ミーマ・センクターお姉様の状況判断は的確だった。

 通常の二倍以上にイカれきっている奴が、すでに発狂しているのなら、そういう狂いきった大博打も打てるのだろう。

 だけど、だけど、だけど……

 イービル・トゥルース号の乗組員全員が、アークみたいに普段からイカれきっているわけではないし、発狂すらもまだしてないわけで……

 なにより、狂いきった大博打に何もかもをオールインできたとしても、それがハッピーエンドに結びつく確率は……

「くそがぁぁぁ……」

 銀河イチ逃げ足が速いと呼ばれた操縦士は、ガスマスクの中で激しくうめいた。


 銀河イチ逃げ足が早いと呼ばれた俺が、どんなに本気だして全力でケツまくって逃げ出したとしても、この要塞の爆発より早く逃げることは不可能なんだぞ……

 残虐行為を突きつけて、ガリッゴリに脅迫することは、確かに効果があることもあるだろう……

「てめえの大事なタマをブッ潰されて、マジモンの女になりたいか?」

 大宇宙の驚異級に危険な女にすごまれて、大事なタマが震えあがってヒュンとなり、とにかくこの女から逃げ出さなければと、俺が前に進んだことは事実だ……

 だけど、だけど、だけど……

 もとより畜生みたいに生きているsynthetic streamの権畜達が、残虐王の殺戮宣言に大事なタマが震えあがるところまではいくとしても……

 それで何もかもが解決するような展開が、起こり得るかよ?


 銀河イチ逃げ足の速い操縦士は、ガスマスクの内部に格納している中枢神経細胞をフル回転!

 そして出た答えは!?


 ここはな……

 大人気過ぎて絶対に終わることが許されない漫画、習慣性念しゅうかんしょうねんジャップの中にある世界じゃないんだぞ……


 つまり、ご都合主義の大逆転なんてものが起きるわけがない!

「く、そ、がああああ……」

 銀河イチ逃げ足が速いと言われた操縦士の毒づきが、そんなことは絶対に無理なのだと、言外げんがいに言っていた。

「こいつはもう本当にどうにもならくなって、絶対に当たらない大穴に、全財産賭ける奇行きこうに走っちゃったってことなのかなぁ〜」

 機関室直結通信機から漏れるコタヌーンの声は、さすがにこの大穴が当たることはないだろうと言っていた。

「絶対に当たらないとまで、言い切ることはできないと思いますけど、ほんのちょっとでも当たるとも言えないですよね……」

 イービル・トゥルース号に帰還し、艦橋にむかって移動中のAXEからの通信は冷静過ぎて、冷たい刃物みたいだった。

 synthetic streamの中心で、親族どころか誰も参列できないお葬式が大確定!

 今現在すでにお通夜状態の空気をブッ飛ばすように、アイアンブルーとガンメタルグレイで構成された艦橋のスピーカーが、ガンガンにがなりだす。


 synthetic streamの阿呆駄郎あそーたろうのケツの穴は、クッソちいせえくせして、大宇宙で一番大馬鹿なアス・ホール!

 だからいつも、無理めの残クレローンで馬鹿買いしたクソバカどデカい汚珍砲おちんほうをもろだして、はじを知らずにギンギンたせてズラズラ並べ、砲の先からダラダラ漏らしてオラオラと、お阿呆あそーみたいにイキってオラつきまくりやがる!

 カッコいいだけの軍服で、サキッチョまで大事にピシッと包んでいるから、あっというまに逝っちまう! 短小短命たんしょうたんめいチンケな生涯確定しょうがいかくていのざこざこざーこ! 阿呆駄郎で馬鹿イチ間違いなしの真正ボンクラ坊やどもだよ!

 この大前提だいぜんていを忘れるんじゃないよ!

 こんな大風呂敷の大ブラフを、あいつがやるとは読めなかったけどね!

 ガチでバチバチにマジモンのハードな男が本気まるだしのズルけで、何もかもオールインしてガンガンに突っ込んでくる大ブラフに、synthetic streamの小珍砲こちんほうどもがちぢみあがっちまう可能性は、普通にあるあるって決まってる!

 そしてあいつは今、めっちゃ幸運になるバフがガンガンかかって、ガチでギンギンなマジモンの大ラッキー暴威なんだよ!

 ボンクラ坊やどもが、大事なタマをちぢみあがらせて、言われるがままになっちまう!

 この程度の幸運を、アークがつかみとる可能性はめっちゃ普通にマジである!

 ダイジョブだよッ! あたしがあいつに魔法をかけて、あいつは今、この大宇宙で一番めっちゃ幸運!

 ガチでバチバチなマジモンにハードでガンガンにギンギンの、この大宇宙で一番大ラッキーな暴威だよ!

 細かいことはなにひとつわからにゃいけど! 勝てるよ! あたし達は勝てる!

 synthetic streamのボンクラ坊や達が、本気で強気になってるアークにち向かうなんて、絶対無理!

 総員、右向け右で前にならって雁首並がんくびならべて大事なタマがヒュンとなり、戦意喪失せんいそうしつが大確定! 

 全員、アークの前で軍服脱いで正座して、全裸土下座してごめんなさーいするに決まってる!!


 バトルブーツのヒールからあかい火花散らして艦橋にむかって疾走しっそうしている、サディからの通信が循環空気をガンガンに震わせまくる。

 アークは完全にイカれているけど、本船自慢の危険な女王様もクッソヤヴァイ! 恋は盲目もうもくどころか、血の色みたいな未来しかみえていない!

「サディさ〜ん! あなたいつから、魔法が使える設定になったんですかぁぁぁぁあああ?!」

 タッヤの悲痛な悲鳴が、悲劇の現場を満たす循環空気を震わせる中、魔法使いサディから大宇宙イチの幸運をさずけられたアークの、めっちゃ強気な海賊放送がまだまだ続く!

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