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海賊放送船イービル・トゥルース号の冒険  作者: 悪魔の海賊出版
第六部

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サイコパミュパミュ

サイコパミュパミュ




 超重機動兵器モビル・ツボーマー・ジミングの操縦席で、ナイ本部長大将がゲラゲラと笑う声が、送気マスクと一体となった通信機からガンガン響く。

「生身の軍隊を送り込み、散々ブッ殺されまくった後に……、今更いまら、異次元級に超重量過多のビッグなクソ壺みてえな機械マシーンが出てくんのかよ……」

 公開通信チャンネルに響く、あきれかえった男の声。

「こんなクソでかいクソ山みてえなクソ機動兵器があるんなら、最初っから出してこいよぉぉぉ! マジモンの戦争屋を殺ってるあたしに、抵抗することもできないボンクラどもを、大量虐殺させようとしやがってぇぇぇぇッ!」

 激怒する女の叫びが、公開通信チャンネルをガンガン揺るがす。

「何を言っても無駄無駄無駄ァァァッ! ごくごく少数ごときが世の中を変えられると思っている、頭がお花畑の左翼暴力革命テロリストども! 過半数を突破した圧倒的多数が、権力様となって大自由に振りますわす平和力! モビルツボーマー・ジミングの積極的平和力行使をみせてヤるゾぉぉぉぉッ!」

 シン・管理職、ナイ本部長大将の叫びに続いて、再び死の回廊を震わせだす、壮大そうだい荘厳そうごんなフルオーケストラ音楽!

「ダーイ・ジーク・ジミン!」

 ヴィーン電動子消し合唱団のロリショタが、お口をクパァと開けて大合唱する、ダーイ・ジーク・ジミン! のお追従ついしょうが無限ループ。

 過剰かじょうな演出をたっぷりと垂れ流しつつ……

 モビルツボーマー・ジミングの前面に取り付けられている、巨大な鉤十字かぎじゅうじが大回転を開始して、本体からの分離を開始する。

 大自民統一教会党のお家芸! 嘘でも100回繰り返せば真実だ!

 右でも左でもない普通の銀河臣民は、とにかく繰り返し言われ続ければ、いずれは言うことを聞いてしまう!

 気がつかないうちに憲法をシン・憲法に変えてしまエヴァ、あとは独裁! 大自由で好き放題にやりまくり!

 ナティーヌ・ドイシダー手法の象徴しょうちょうたる鉤十字かぎじゅうじが、死の回廊にぐるぐるまわって浮かんでる!

 荘厳そうごんなフルオーケストラ音楽と、ダーイ・ジーク・ジミン! の合唱による過剰演出かじょうえんしゅつが、破滅の到来とうらいをこれでもかと予感させる!

 本体から分離された鉤十字かぎじゅうじにこれから、いったいなにが起きるというんだ!?

 これから起きる事態じたいは、何もかもが想定外!

 左翼暴力革命テロリストに降伏してしまった元権畜達は、死の回廊に立ち尽くして呆然ぼうぜんとするばかり……

「大自民統一教会党は……、サイコパミュまで実用化していたのか……」

 頭上に浮かんでぐるぐる回る鉤十字をみあげていると、技術開発部門への任命を拒否されて、前線に送り出されてきた生命体がつぼやく声が、通信機から流れてくる。

「サイコパミュとはなんだ!?」

「話せ! 話せ! 話せ!」

「サイコパミュが何かわかれば、左翼暴力革命テロリスト様が、なんとかしてくれるかもしれないのだぞ!」

「左翼暴力革命テロリスト様達が勝てば、あとは何もかもが解決! 明るい僕様達の桃色しましまパンツが大確定なのだぞ!」

 通信チャンネルを飛び交う疑問と不安に、技術開発部門への任命を拒否された、元技術系権畜が話し出す。


 サイコパミュとは……

 Space Synthesis Systemの管理職によく見られる、異次元級に異様な特異精神構造とくいせいしんこうぞうを持った者を対象にした、特殊な精神感応システムなんだ……

 Space Synthesis Systemの管理職は、巨大なシステムに対して自ら率先そっせんして忖度そんたくし、システムが願う方向性に事実を捏造改ねつぞうかいざん歴史修正する、強力な忖度能力そんたくのうりょくを持っている。

 その反面はんめん、Space Synthesis Systemの管理職かんりしょくは、一個の生命体に対しての思いやりや配慮はいりょがまったくないという、完全に相反あいはんする精神構造せいしんこうぞうを同時に有することができる、極めて異様で特異な異次元の存在なんだ……

 巨大な組織に対しては思いやりが働くのに、部下同僚ぶかどうりょうはおろか、自分の家族にすら思いやりの心を持つことはない……

 そんな、矛盾むじゅんする精神構造を同時に保持ほじできる個体を、Space Synthesis Systemは異能忖度体いのうそんたくたい=サイコパスタイプと呼んだ。

 異能忖度体いのうそんたくたい=サイコパスタイプが、Space Synthesis System上位層過の過半数を超過して圧倒的権力を握ることで、権力はより強固きょうこに、絶対不可侵ぜったいふかしん領域りょういきへと進化するであろう!

 それはサイコパスタイムが連れて来る、絶対安全安心な明るい未来を支配する神話級のエネルギー!

 つまり、権力の革新かくしん

 ダーイ! ジーク!! ジミン!!! 

 このサイコパスタイプ理論を、権力の革新かくしんとして提唱ていしょうしたのが、ジミン・ズブ・ダイクソ!

 ジミン・ズブ・ダイクソが提唱ていしょうしたサイコパスタイプによるすさまじい忖度能力そんたくのうりょくを、積極的平和活動に応用しよういう研究が始まり……

 異能忖度体いのうそんたくたい=サイコパスタイプの中枢神経波動ちゅうすうしんけいはどうを機械に直結接続して、平和力を直接操作することを可能とする技術構想が生まれたんだ。

 それがサイコパミュさ。

 異能忖度体いのうそんたくたい=サイコパス・タイプの精神に感応かんのうして、事実の捏造改ねつぞうかいざん歴史修正が意のままに行われるという、権力様が理想とする妄想世界を構築可能こうちくかのうなこの技術は、秘密裏ひみつりに開発が進められていったんだ……

 サイコパミュを機動兵器に搭載とうさいするには、様々な実験が必要となり、想像を絶する異次元級のハコモノを作り続けた。

 アベンダチ公企業にガンガンに甘い汁を垂れ流し! 

 絶対使途不明ぜったいしとふめい官房機密費かんぼうきみつひをジャブジャブに注ぎ込み、着実に、サイコパミュは研究され続けていたんだ……

 サイコパミュ技術はどんどん進化していき、巨大な機動兵器に搭載とうさいする段階にまで、ついにいたったということさ……

 ジミングは、異能忖度体いのうそんたくたい=サイコパス・タイプ専用として、初めて実戦投入されたモビルツボーマーなのさ……

 おそらく、サイコパスタイプの異能精神に感応するフレームでもって、モビル・ツボーマーのコックピットを形成するんだ……

 巨大な権力様に対して、操縦者がそのお心をおしはかって忖度そんたくをする。その精神波動をサイコパスフレームが読み取って、モビル・ツボーマー・ジミングが自動駆動で、事実を捏造改ねつぞうかいざん隠滅いんめつと歴史修正を実行するんだ……

 それが、サイコパミュ・システム……。

 大自民統一教会党がほこる、異能忖度体いのうそんたくたい=サイコパス・タイプを、積極的平和活動に投入する、異次元の積極的平和活動……

 おそろしいぞ……、異能忖度体=サイコパス・タイプは……

 始業開始前の掃除に朝礼、一切不要いっさいふようのスキンシップを強行し、公衆の面前での威圧あふれる叱責しっせき、そして、終業後の飲み会の最初の一杯から、不快極まる不躾ぶしつけな話題にいたり、強制参加の二次会三次会と果てしなく続き、最後には泥酔でいすいした者を大自由にいじりまわす……

 しかも、異能忖度体いのうそんたくたい=サイコパス・タイプは、アベンシゾー総統陛下の手下、つまりはアベンダチ公だからな……

 どんな罪でも起訴きそされず、万が一逮捕状が出たとしても、アベンダチ公ということでもみつぶされるんだ……

 異能忖度体いのうそんたくたい=サイコパスタイプはつまり、ありとあらゆる徹底的ないやがらせをどこまでも絶対に実行できる、ナチュラル・ボーン・嫌がらせーだーでもあるのさ。

 それが、異能忖度体いのうそんたくたい=サイコパス・タイプなんだ……

 そんな異能忖度体いのそうそんたくたい=サイコパスタイプの、異様な忖度精神そんたくせいしんのままにあらゆるものが同期して、あらゆる方向性から徹底的な嫌がらせでおもてなしを実行するのがサイコパミュ……

 異能忖度体いのうそんたくの異様な精神が生み出す忖度そんたくは、今までの忖度そんたくを遥かに超越する、非知的生命体道的な、究極のオールレンジいやがらせを行うんだよ……

 左翼暴力革命テロリスト様が、勝てるわけ……、ないんだよ……

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