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海賊放送船イービル・トゥルース号の冒険  作者: 悪魔の海賊出版
第六部

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アイアンブルーとガンメタルグレイ

アイアンブルーとガンメタルグレイ




 逃げていくぷりんぷりんなケツをアークが追いかけ、ようやくたどり着いた格納庫で、ハードでヘヴィなメタルマシンにもぐりこんでいた頃……

 アイアンブルーとガンメタルグレイで構成された艦橋では……

「超音波アクティブソナー。レーザー走査。電磁気力測定でんじきりょくそくてい振動検知しんどうけんち。その他もろもろを含めて、カルト・スターの内部構造及ないぶこうぞうおよび、保有ほゆうする戦力を精査中。エニグマ・メインフレームのオーバークロックよる解析かいせき順調じゅんちょうに進んでいますが、まだまだ時間がかかります」

 イービル・トゥルース号搭載の様々なセンサーを総動員させて、内部構造の把握はあくにAXEがつとめている。

 現時点まで解析中の内容をまとめたAXEからのデータと、現在の戦況が情報表示盤に流れるように表示されていく。ミーマ・センクターお姉様の金と銀の瞳が、あらゆるデートを中枢神経細胞に取り込んで、状況判断を開始する。


 本船が今おかれている状況を整理するよぉ!

 巨大航宙ホテル船に隠れての接近で、異次元異様要塞いじげんいようようさいカルトスターの全力一斉射を見事みごと回避かいひ

 超至近距離からの実体弾攻撃で、表層ひょうそうに存在するシールド・ジェネレーターを破壊!

 異次元異様要塞カルト・スターの大事な防御膜ぼうぎょまくにできた脆弱面ぜいじゃくめんに、一点集中全力ガシマンイケの形で主砲斉射をガンガンにぶち込んだ!

 その結果開いた、クっソでかいユルガバ大穴のおナカに、太くて長くてマジでヤヴァイ宇宙戦艦ごと突っ込んだ!

 本船がいまいるのは、主砲をガンガンぶっこんでグバァッと開けた、破滅はめつのユルガバ大穴のど真ん中!

 カルトスターの主砲を完全無力化する、絶対安地なゲームバランス崩壊ほうかいゾーンにたどり着いたけど……

 こちらも主砲をブッ放したら、要塞核付近に搭載されていると思われるメインリアクターをブチ抜いて、一緒にドッカン!

 ふたりで一緒にイッテしまう!

 ラッブラブな状況だったら最高だけど、synthetic streamと同じベッドに入るなんて、震えあがっちまうキモ状況だからねえ!

 ここから先は、synthetic streamを先に逝かすことだけに全力集中!

 ガシガシでガンガンに殺りまくる気がまんまん!

 マジでヤッヴァくてハードな白兵戦が始まるよ!

 要塞の核に存在するはずの、synthetic streamの中枢に押し込んで、カルト・システムの総裁様をブッ殺す!

 これからはじまるマジモンのカチコミにブッ込む、機動兵器を確認するよぉ!

 ブルーナイトメア、キャンディ・アップルレッド、GTZ、A2 (AXE-AXE)、カラミティ・ヒア、BTTB (Back to the Back)、パワード・ヌーンが二機! そして、ロボット乗組員をハードでヘヴィな機動兵器に変える、追加ボディが4体!

 総勢12体のヘヴィメタルマシーンがあるけれど……

 実質前線に出て戦えるのは、実質六機。

 豊富な戦争体験と実績じっせきを持つパイロットが、たったふたりしかこの船にはいないからねぇ……

 野蛮生命体勢がドライヴさせる、ブルーナイトメアとキャンディ・アップルレッド。そして、メタル野郎勢のイクト・ハジメにエイタとイゴウにツーツーが、実質的に出撃できる最大戦力。

 だけどね。

 たった六機の機動兵器と言っても、この大宇宙でふたつとして同じ物が存在しない、イカれきったスペシャルチューンのオリジナルマシーンばかりだよ!

 しかもパイロットは、大宇宙の驚異級きょういきゅうにバイオレンス・タイプな女のコと、いかにもオールドボーイ・タイプな暴力の権化ごんげみたいな残酷ざんこく残虐ざんぎゃく暴虐ぼうぎゃくあふれる暴威ぼうい。ふたりの背に続くのは、ギンギラメタルボディの野郎ども!

 対する相手は……

 はる彼方かなたの昔に大ヒットした映画、星星戦争に出てくる最終兵器死の星みたいに異次元級に異様な巨大要塞。

 小惑星級にクソデカイ、ドクッソ怪しい壺の内部構造はどうなっているのか?

 いったいどれだけの白兵戦力を抱えているのか? その詳細は現在不明。

 以上のことから、勝算はあるものともないものとも状況判断不能なんだよ!

 とは言ってもさ!

 我は森羅万象しんらばんしょうつかさどると豪語ごうごする大宇宙のクソの素は、ただのボンクラで戦い方なんかわかりゃしない!

 どうせ、自分で何も決められなくて、お答えを差し控えて部下に忖度そんたくさせてるだけさ!

 こっちにしてみりゃお相手は、権力ばっかで前線に出たこともない、フニャンフニャンのザコ珍砲ちんほうどもだよ!

 だからこのラスト・ドンパチは、勝てるって思って間違いない!

 生きて帰ってもう一度、愛しいお相手とベッドにはいってファックしたけりゃ! もう殺るしかないよねぇ!


 ボンキュッボン! の素敵なラインを描く身長2銀河標準メートルの褐色かっしょくボディに、ガッチバチのベルトとバックルだらけの軍隊仕様のバトルスーツに身を包んだ黒髪ロングのセンクターお姉様が、金色と銀色の瞳をギッラギラに光らせ吠えた!

「ジギョウケイカクショヲ、ダシテオケッ!」

 ミーマ・センクターお姉様に続いてハードに吠えたのは、イクト・ジュウゾウ。

「地獄に続く一本道みたいな場所じゃあ、攻めてくるのは前と後ろしかないからなぁ。ケツから機関室が攻められちゃうかもしれないなぁ。となるとこちらにも、応援が欲しいなぁ」

 と言ったのは、機関室につめているコタヌーン。

増援要請了解ぞうえんようせいりょうかいです。ところで、さきほどから奥様は?」

 AXEは情報を精査しつつ問う。

「それがさぁ、シミュレーションに夢中で、全然相手してくれないんだよなぁ」

 AXEの冷静な表情に、一瞬疑問の色が浮かぶ。

「この最終局面で、オクタヌーン機関副長が、夢中でシミュレーションをしている?」

 とミーマ・センクターお姉様が考え込む。

「この最終局面でやることではないのでは?」

 AXEの冷静な問いに、タッヤが反応。

「この最終局面に、明日か明後日にでも解けばいいシュミレーションに、オクタヌーン機関副長がかじりつくとは思えません。理由を話している余裕よゆうのない、重大な問題があるのかもしれません。早急に機関室に応援おうえんを出しましょう」

 タッヤが臨時暫定指揮官りんじざんていしきかんを示す猫耳をピクピクさせて素早く判断。

「俺が殺りにいってもいいんだぜ?」

 イクト・イチバチのカメラ・アイに、危険な殺意をはらんだ炎が灯る。

「イチバチさん。ロボット三原則に縛られず、知的生命体をバンバン撃ってBANできるあなたしか、この船の武装はブッ放せないんですよ」

 猫耳揺らすタッヤの言葉に、イクト・イチバチはうなづき、戦闘隊長席であるサディ席に視線をうつす。

「ジュウゾウさん。機関室にメタル野郎の応援をたのみます」

「チョウカキンムテアテヲ、ダシヤガレッ!」

 タッヤに応答したイクト・ジュウゾウが、船体管制盤を素早く叩く。

 格納庫でオーバードライヴ状態で稼働しているジゴロクに、イクト・イゴウとツーツーに追加ボディを装着して、船尾機関室へ応援にむかえと指示。

 そして、アイアンブルーとガンメタルグレイで構成された艦橋を、メタルボディのキラーマシンが歩く冷たい音が、循環空気を震わせる。

 大宇宙の科学技術が生み出した叡智えいちを集めた密着バトルスーツ姿の女の子の真逆に位置する、マッパ剥き出しメタルボディでイクト・イチバチが戦闘隊長席に歩いていく。

「人の類は皆殺しの時間ってやつさ」

 ガチでバチバチに冷たいメタル製の殺戮機械さつりくきかい、イクト・イチバチが再びサディの席につく。

 銀河イチ逃げ足の速い操縦士の横に、空席ひとつはさんで座るメタルマシンから、冷たくハードでヘヴィな暴力の匂いがたちのぼる。

「く、く、くそがぁぁ……」

 グバァッと開いたユルガバ大穴の深淵しんえんに船を進めつつ、イービル・トゥルース号を繊細せんさいにあやつるネガは静かに毒づいた。

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