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海賊放送船イービル・トゥルース号の冒険  作者: 悪魔の海賊出版
第六部

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回る回るよカルトは回る

回る回るよカルトは回る




 これより超自民要塞フミア・ザヤカは、自立自転運動じりつじてんうんどうを開始する。

 超自民要塞フミア・ザヤカが自転することよって内部に発生する疑似重力ぎじじゅうりょくは、重力制御によって相殺そうさいする。

 ただし、自転による擬似重力が制御範囲せいぎょはんいを超えた場合、想定外の事態じたいが発生する可能性がある。

 総員! 右向け右で前にならって、思考停止しこうていしで注意せよッ!

 総員! 想定外の疑似重力の発生に注意!

 想定外の重力によって発生したすべての損害そんがいは、すべて自己責任であるッ!

 繰り返す!

 想定外の重力によって発生したすべての損害そんがいは、すべて自己責任であるッ!


 ドブラックな壺鉤十字つぼかぎじゅうじと教祖様フミア・ザヤカ像を頂点にかかげる、純白と鮮烈せんれつな赤でいろどられた、華美かびな戦闘指揮所に響く声!

全姿勢制御ぜんしせいせいぎょスラスター、右むけ右で全数全開噴射ぜんすうぜんかいふんしゃを開始!」

「小惑星規模の移動要塞を姿勢制御するスラスターの全推力ぜんすいりょくを注ぎ込めば、たった一隻のド旧式ドクロ宇宙戦艦が持つ姿勢制御ごときでは絶対に追従ついじゅうできまい!」

「いつまでもただ撃たれるだけと思うなよッ!」

「なんとしてでも、セントラル・ドツボへの暴力挿入ぼうりょくそうにゅう阻止そしするのだ!」

「セカンド・政権交代など発生したら、人類家畜化計画じんるいかちくかけいかく頓挫とんざしてしまう!」

断固許だんこゆるすまじ! 不同意戦闘罪ッ! 我々は一切! この戦闘行為に同意などしていないのだからな!」

「超自民要塞フミア・ザヤカ! 自転運動を開始しました!!」

「姿勢制御スラスター出力100%継続。オーバーヒートまで残り時間20銀河標準秒!」

 自身にせまった危機に、人の名を持たない権畜ナンバーズ達の緊迫きんぱくした声が、華美かびな戦闘指揮所の循環空気を震わせる。

 ドブラックな壺鉤十字つぼかぎじゅうじと教祖様フミア・ザヤカ像を頂点にかかげる、純白と鮮烈せんれつな赤とでいろどられた華美かびに過ぎる戦闘指揮所は、大自民統一教会党の本部に頭狂恥権得捜部とうきょうちけんとくそうぶ強制家宅捜索後きょうせいかたくそうさご不起訴ふきその報が入ったかのような大騒ぎ!

 金王冠を頭上に戴くフミア・ザヤカ様が、大宇宙を我が物にしようと両手を天に広げるその下で、メイン・モニターに映るドクロが画面の外へと消えていく。

「成功だ! アンチエネルギー・シールドに発生した脆弱面ぜいじゃくめんを、ド旧式ドクロ宇宙戦艦の真正面から外すことに成功したぞ!」

「超自民要塞フミア・ザヤカは、巨大な壺の形をした異次元の存在なのダゾッ。正面から少しでも角度がずれれば、脆弱面ぜいじゃくめんから内部へおナマで直通の一斉射などは、絶対不可能なのダゾッ!」

「あとは、自転によって次々に照準しょうじゅんが可能となるフミア・ザヤカ砲が、圧倒的な抑止力を持つ隠滅力いんめつりょくでド旧式ドクロ宇宙戦艦をこの宇宙から任命拒否にんめいきょひするのみなノダッ!!」

「勝った! 勝ったの大勝利! 圧倒的多数である権力様は、またも圧勝してしまったノダッ!」

 自身の身に迫った危機に対処したことで、権畜達は大騒ぎ。

 かしこで権畜達が肩を抱き合い歓声かんせいがあがる。そして、大自民統一教会党権畜歌(だいじみんとういつきょうかいとうけんちくか)の大合唱だいがっしょうがはじまる。

 

 けーけー! フミア・ザヤカ!!

 征けー征けー! フミア・ザヤカ!!

 批判ひはんはすべて、誹謗中傷ひぼうちゅうしょう!!

 政権批判せいけんひはんで、人が死んだらどうするの!?

 世の中が悪いのは、ぜんぶおまえの責任、自己責任!

 俺様に対する誹謗中傷ひぼうちゅうしょう、名ばかり批判ひはんはもうやめて、部屋の掃除とか、自分ができることをしてやがれ!

 征けー征けー! フミア・ザヤカ!!

 征けー征けー! フミア・ザヤカ!!

 積極的平和主義で、どーんっとゆけー!

 征けー征けー! フミア・ザヤカ!!

 征けー征けー! フミア・ザヤカ!!

 大宇宙をたったひとつの、Systemにしてしまうのだ!


 ドブラックな壺鉤十字つぼかぎじゅうじと、教祖様フミア・ザヤカ像を頂点ちょうてんかかげる、純白と鮮烈せんれつな赤とで彩られた華美かびに過ぎる戦闘指揮所は、大自民統一教会党権畜歌(だいじみんとういつきょうかいとうけんちくか)の大合唱だいがっしょうが渦巻く歓喜かんき坩堝るつぼ

 めプの極みで油断して、ゆるくなって開いたお穴に、ガンガンにおナマで突っ込まれてヤラレはしたが……

 超自民要塞フミア・ザヤカが自転運動を開始した今、シールド・ジェネレーターを破壊された脆弱面ぜいじゃくめんはもうド旧式ドクロ宇宙戦艦に正対しない。

 であるならば、巨大で異様な壷型つぼがたをした超自民要塞フミア・ザヤカに発生した脆弱面ぜいじゃくめんをついて、ド旧式ドクロ宇宙戦艦が要塞内部への直撃をねらうことは困難こんなんを極める。

 だが問題がないわけではない。超自民要塞フミア・ザヤカが自転するのであるならば、一周回って戻ってくる脆弱面ぜいじゃくめんに正対して斉射すればいい。

 ここがアニメの世界であるならば、はっはっはっはっとドクロ宇宙戦艦は高笑いしながら、再び自身の真正面に脆弱面が現れるのを、不動の姿勢でイケたかだかに待つのだろう。

 だが、現実はそんなに甘くない。ここは科学考証激アマなアニメの世界などでは断じてない。

 もしも、一周回って脆弱面ぜじゃくめんと再び正対するのを待ってみろ。高笑いして待っている間、超巨大な壺の形をした超自民要塞の全周に配置されたフミア・ザヤカ砲が次々に、ド旧式ドクロ宇宙戦艦に照準を合わせていくことになる。

 互いに正面きっての超接近戦なら、超自民要塞フミア・ザヤカの砲は、要塞全周に搭載された主砲で直近のドクロ宇宙戦艦を狙えなかった。

 だがいまは、超自民要塞フミア・ザヤカは自転するという、ト与太自動車よふとじどうしゃもびっくり仰天ぎょうてん怪善かいぜんを行った!

 全周に配置されたエネルギー充填済みのフミア・ザヤカ砲が、次から次にド旧式ドクロ宇宙戦艦にドバドバとお生で、次々にドクドクとエネルギーを注ぎ込み続けるのだ!

 それはまるで、多数の平和杖へいわじょうが大回転して超高速連打の平和力を解き放つ六身収束回転平和杖ろくしんしゅうそくかいてんへいわじょうが、頭がお花畑の左翼暴力テロリストどもを高速平和力連射で平定するがごとくだ。

 実にいい。

 大自民統一教会党がかかげる、何もかもをたったひとつにたばねて統一する思想そのもの。

 超自民要塞フミア・ザヤカは今、多数をたったひとつにたばねた巨大な六身収束回転平和杖ろくしんしゅうそくかいてんへいわじょうとなって、ド旧式ドクロ宇宙戦艦をはちの巣にしようとしているのだ!


 音楽のちからでひとつになって肩を組み体を揺らし、歓喜かんき坩堝るつぼと化す戦闘指揮所を見下ろす金玉座のうえで、我は森羅万象をつかさどると豪語ごうごしたアベンシゾーは口を開く。

「アンダー・コントロール」

 Space Synthesis System 中枢宴卓ちゅうすうえんたくに並ぶ世界に響くサントソーのタダ酒で、ドクターストップ状態と設定された消化器官にキッツい肉の脂を流し込む。

「現場は自助! 現場の危機には共助! 公助は銀河神民だけのもの! 異論を口にする者は、総合的に判断して任命拒否にんめいきょくひ!」

 銀河臣民を粉にして作られたパンケーキが、銀河臣民から搾取さくしゅした甘い汁をたっぷり吸って、ガース・ヒーデの中に飲み込まれていく。

「経済! 経済! 経済! 物価と株価があがって給料は実質ガンガン減ったけど、税金はバンバンあがってピンハネしまくり! シン・資本主義で、大自民統一教会とお友だちは、スゴイお金持ちになった気分!」

 ズワイガニと寒ブリを次々に胃に落とし込むメガネ男は、サイコーに異次元な笑顔が危険なキシガ・イフミーオ。

 超自民要塞フミア・ザヤカの中枢宴卓ちゅすうえんたくに並ぶのは、高級料理と世界に響くサントソーのタダ酒。

「私はこういうことはしたくないのだけども、党勢拡大とうせいかくだいのためにはやりたくないことをしてしまうのです」  

 ニコニコと笑いながら、やりたくもないことを冷酷れいこくに実行する軟弱変節なんじゃくへんせつミリオタ操り人形、コロイシバ・カシゲール。

 並ぶ豪華料理ごうかりょうりとサントソーのただ酒達は、私腹しふくやすアベンシゾーの不正なお仲間たちのお象徴しょうちょう

「ステイ・ホーム」

 アベンシゾーが満足げに両腕を天にむかって広げ、豪華料理とただ酒が並ぶこの宴卓えんたくを永遠に続けようと言う。

 銀河臣民を搾取さくしゅ煮詰につめて甘い汁を作り上げ、粉にしたその身を焼いて食らう。半数が選挙に行かないことによって至った、権力様が大自由のやりたい放題!

 選挙協力のために手を結んだカルト宗教が、ドバドバとお口にお出しになるご要求を、アベンシゾー総統陛下は舐めてしゃぶってキレイに全部ごっくん!

 Space Synthesis Systemを形作る憲法までを破壊して生み出したのは、アベンシゾー悲願のシン・憲法!

 シン・憲法に追加されたのは、カルト宗教様がドバドバ出したご要求が成就せいじゅした緊急事態条項きんきゅうじたいじょうこう

 アベンシゾー、ガース・ヒーデ、キシガ・イフミーオ、コロイシバ・カシゲール。Space Synthesis System 死天皇が、すべての権力を牛耳ぎゅうじり、なにもかもをたったひとつに支配したことで生み出された、究極絶対の権力宴卓けんりょくえんたく

 その頂点ちょうてんで天を我が物にしようと両手を広げるのは、冷酷無比れいこくむひ冷感商法れいかんしょうほうで銀河臣民を養分にふとる、カルト宗教銀河臣民統一教会の教祖様フミア・ザヤカ!

 Space Synthesis System 中枢閣の死天皇が席に着く宴卓えんたくに並ぶのは、公金チューチュー官房機密費かんぼうきみつひで揃えた豪華なお料理。

 ドクターストップのかかった消化器官には、とうてい無理な脂のキッツイ肉塊にくかいステーキ。

 銀河臣民の未来を粉砕ふんさいして粉にして、搾り上げた甘いシロップかけたパンケーキ。

 銀河臣民にはとうてい手の出ない、ズワイガニと寒ブリが並ぶ。

 殺りたくない殺りたくないと言いながら、ぶくぶく太った変節軟弱ミリオタボンクラ操り人形が今日も飯がウマウマ。

 そして、新商品試飲会という名目めいもくで、宴卓に並ぶは世界に響くサントソーのタダ酒。

 豪華絢爛ごうかけんらん! 公金チューチューの極みな大宴会なのに、暇空アカンネーは何一つ文句を言わない!

 永遠に続く権力が生み出す宴卓えんたくに、不気味な振動。

 高級料理を盛った皿が、ただ酒の入ったグラスが、不吉に揺れる。

 ピタリとやむ、戦闘指揮所の歓声。そして、一瞬にして冷たい何かが戦闘指揮所をかけぬける。

 だが、アベンシゾー、ガース・ヒーデ、キシガ・イフミーオは何一つ気づかない。

 なぜなら、その不気味な振動について、現場からの報告はないのだから……

「ステイ・ホーム」

 ドクターストップ状態という設定の消化器官に、脂のキッツイ肉塊ステーキを流し込む闘いに、アベンシゾーは戻っていく。

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