表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
海賊放送船イービル・トゥルース号の冒険  作者: 悪魔の海賊出版
第六部

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

277/362

公共の福祉実行!

公共の福祉実行!




 わずか0.05銀河標準メートルの装甲で作られたヘヴィ・メタル棺桶内部かんおけないぶのアークに、不気味な振動が伝わってくる。操縦桿と背中をあずけるバトリングシートから、臓腑ぞうふを揺らして骨身ほねみに染みる不気味な振動が、アークの全身をゆさぶっている。

「いったいなにをおっぱじめやがった!?」

 巨悪きょあく象徴しょうちょうみたいに巨大で凶悪きょうあくなドリルを右腕に装備する黒い機体の背後に、リバース・ターンアックスボンバー(回転式斧爆弾・裏)を叩き込み、機体同士が背中合わせ状態のブルーナイトメアには、黒い機体の前面に何が起きているのか把握はあくできない。

 巨悪の象徴みたいに巨大で凶悪なドリルの駆動音とはまた違う、何かが高速で往復運動を繰り返す機械音と、体液がドログチョにかきまわされる不快な音。

「わたしのぉぉぉッ! 秘所がぁぁぁぁッ!! わたしがぁぁ! 知的生命体ではなくなるぅぅぅ!!!」

 とらわれのプリンセス・オユーコの絶叫が、接触状態にある機体を伝わりアークに届く!

 そして、巨悪きょあく象徴しょうちょうみたいな巨大凶悪ドリルの生理的に耐えられないあの駆動音が、ひときわ大きくなって甲高かんだかい叫びをあげる。

 背中合わせの黒い機体が生み出す不気味な振動が、ブルーナイトメアの操縦席ごと、アークの中枢神経と骨身をゆさぶってくる!

「なにがなんだかよくわからねえが、証拠隠滅しょうこいんめつドリルが動きっぱなしなのはありがてえ! まずはとにかく、大宇宙のクソの素アベンシゾーを殺処分するしかねえ!」

 アークが握る左操縦桿を素早く動かす。

 ブルーナイトメアの左腕を背後の黒い機体の腹部にまわし、操縦席のおナカが丸見え状態にあるプリンセスをガードする。

 アークの鋼鉄芯入りのクッソ重たいブーツがペダルを踏み込み、ブルーナイトメアに急速後退の意志を叩き込む。

 フルパワーで後退開始のコマンドを叩き込まれたブルーナイトメアが、甲高い駆動音をあげてフロアを蹴る!

 左腕で囚われのプリンセスを守り、折り曲げた右腕関節部から伸びる青いとげで黒い機体を串刺しにしたまま、ブルーナイトメアが黒い機体ごと後退を開始。

 うなりをあげる巨悪象徴巨大凶悪きょあくしょうちょうきょだいきょうあくドリルを回転させ続ける黒い機体ごと、Red Suckers 大自民統一教会亭の大宴会場に突っ込む過激行為!

 ブルーナイトメアを隠滅いんめつしようとかまえたままだった黒い機体の巨悪象徴巨大凶悪きょあくしょうちょうきょだいきょうあくドリルが、殺戮現場さつりくげんばと大宴会場を分断する、硬化テクタイト製の絶対安全安心否認具ぜったいあんぜんあんしんひにんぐに突き刺さる!

 背中合わせ状態のヘヴィ・メタルマシーン二体をあわせた巨大質量の衝突しょうとつに、硬化テクタイト製の透明否認具がたわんで白濁はくだく。すさまじい轟音をあげて暴れまわる巨悪象徴巨大凶悪きょあくしょうちょうきょだいきょうあくドリルが、わずかずつだが確実に硬化テクタイトをえぐって削り破壊していく。

 一秒、二秒、そして四銀河標準秒。

 気が遠くなるような長い時間が過ぎていく。

 硬化テクタイトはイービル・トゥルース号の艦橋前面の窓にも使用されている、宇宙最強クラスの硬度をほこるウィザード級のレジェンド物質。そう簡単に破れないことはわかっている。だがいまは、大宇宙のクソの素を何事にも優先して殺処分しなければ、大宇宙の公衆衛生は改善されず、この大騒動は終息しない!

 俺は残弾無限の海賊放送で、最後までsynthetic streamにあらがうつもりだった! だが、そういう手段ではどうにもならないところまで、synthetic streamを腐らせたのはアベンシゾー! おまえにほかならない!

 ならば! 俺が今できることを殺るまでだ!

巨悪象徴巨大凶悪きょあくしょうちょうきょだいきょうあくドリルでとっととブチ破って、大宇宙のクソの素を隠滅いんめつしちまいなッ!」

 アークは叫ぶ。ペダルを踏み込み、異次元の保身ほしんのために用意された硬化テクタイト製否認具の向こう側、血まみれの惨劇さんげきを高みの見物しているRed Suckers 大自民統一教会亭の大宴会場に、むきだしの暴力を注入しようと激しい挿入行為に没頭ぼっとうする。

 巨悪象徴巨大凶悪きょあくしょうちょうきょだいきょうあくドリルが硬化テクタイト製の否認具をブチ破ろうと暴れまわるすさまじい振動に、ブルーナイトメアの操縦席は揺れている。その中に、さっきまでは存在しない別の振動が含まれている。だが、アークはそのことに気が付かない。

「まだかッ!?」

 アークのひたいに汗が浮かぶ。

 異次元の保身ほしんのために持ち出された硬化テクタイトはまだ破れない。

 中枢制御装置をブチ抜かれて破壊された黒い機体の巨悪象徴巨大凶悪ドリルも、いつまで暴れ続けてくれるかわからない。

 一刻も早く、大宇宙のクソの素クソオブクソなミスターキングうんこマン、アベンシゾーを殺処分しなければ……

 この大宇宙は、巨大なひとつのつぼに詰めこまれて腐り果てた、クソのかたまりにされてしまう……

 カルト宗教とカルト政党を一体化させた、前代未聞ぜんだいみもん空前絶後くうぜんぜつごのドログチャ腐敗不正実行組織ふはいふせいじっこうそしき、大自民統一教会党が存続そんぞくしたら……

 カルト宗教とカルト政党が混ざりあった宗政複合体しゅうせいふくごうたい、大自民統一教会党がこの大宇宙をたったひとつにしてしまったら……

 大宇宙から法治ほうちというタガはなくなり、様々な知的生命体が生まれながらに持つと銀河連合憲章ぎんがれんごうけんしょうがみとめた、基本的な尊厳そんげんすらもが失われる……

 憲法も法律も蹂躙じゅうりんし、やりたいほうだいやりまくりの不正帝国を作り上げた、前代未聞空前絶後ぜんだいみもんくうぜんぜつごの腐敗の帝王。

 国賊こくぞく盗賊とうぞく虚言癖きょげんへき売国奴ばいこくど反社はんしゃ首魁しゅかい、カルトの帝王ていおう。腐敗政治の頂点、企業献金きぎょうけんきんによる腐敗癒着ふはいゆちゃく典型てんけい冷血漢れいけつかん、異次元のサイコパス、ろくでなし、ひとでなし、生きている価値がなし、生かしておく意味がなし、生きれば生きるほど息を吐くように嘘をつき、悪徳あくとくを大宇宙にき散らして腐らせちる。

 諸悪しょあく根源こんげん、森羅万象のクソをつかさどる総クソ大臣クソの素。

 様々な銀河と星がそれぞれの思いでもって存在しできる世界を二束三文にそくさんもんにまとめあげ、何もかもをアベンダチ公の食い物にしてむさぼりぐらい、憲法すら腐敗の底に叩き落としてギャラクシー7最下位の貧困に社会を突き落とした、マジモンのクソオブクソ。つまりはシン・うんこ野郎!

 もっとも嫌悪けんおされ唾棄だきされるべき、恐ろしい永久不滅のけがれポイントがクソだまりにたまりまくって腐った男、アベンシゾー! 

 大宇宙のクソオブクソ、ドクソいミスターキングうんこマン、アベンシゾーがふりまわす悪徳あくとくさかえをイチ銀河標秒でも存続そんぞくさせたら、大宇宙がより腐って崩れてダメになる。

 俺は残弾無限の海賊放送で、腐り堕ちた世界を変えたかったんだ!

 だけど、だけど、だけど!

 警察も検察も、アベンシゾーを何一つ取り締まりゃしない!

 憲法も法も取り締まれない無法の悪は、殺処分するしかない!

 パンと弾けばタイパもコスパもいいけれど……、そういうことは正義の味方としてはできねえんだよ。

 そんなあまっちょろいことを、もう俺は言っていられない!

 大宇宙のクソオブクソに荒らされた俺の畑はすべての花が枯れ果てて、ガチでバチバチな銃と砲が生えてきたんだよ!

 マジクソカスな悪の素!

 害虫、バイキン、致死性ウイルスよりも危険な存在は、イチ銀河標準秒たりとも生かしておけぬ!

 知的生命体の未来が閉ざされる! 知的生命体の生命がおびやかされる!

 大宇宙に生きる知的生命体が築きあげた、社会が崩壊してしまう!

 大宇宙までもを腐らせるアベンシゾーという名の災害は、すみやかに鎮圧ちんあつされる必要がある!

 駆除くじょ! 駆逐くちく! 滅菌めっきん! 消毒しょうどく

 ここまできたら、それがもっとも文明的な対処法!

 だから俺に! 殺処分という公共こうきょう福祉ふくしを実行させてくれッ!

 アークが握る、両椀を操る操縦桿が脂汗あぶらあせれる。

 一秒、二秒、そして四銀河標準秒。

 気が遠くなるような長い時間が過ぎた後、アークが左手で握りしめる左腕操縦桿が……

 急に軽くなった。

「あ?」

 突然スカスカになった左腕操縦桿側に、ガクンと体を倒したアークが間抜まぬけな声をあげる。

 左腕がイカれた?!

 機体左側面部を映すモニターの中には、パーティ会場に広がる血の海に落下したブルーナイトメアの左腕が、ゴロリと転がっている。

「なんだとッ!?」

 ブルーナイトメアの左腕がもげただとッ?!

 確かにド派手に突っ込んではいるけれど、俺が給料を全部突っ込んで仕上げた機体はそんなにヤワじゃない。

 アクチュエーターも新開発した人工筋肉に変えたし、それにあわせてメタルジョイントもすべて見直し、再設計して組あげたのだ。

 さらについこの間、頭部と片腕を失って宇宙空間を漂っていた、クッソ古いロボットアニメに出てきそうな青白赤のトリコロールカラーのクソでかい機動兵器に使われていた、意味不明に硬いくせにクッソ軽過ぎる謎過ぎ合金でフルチューンしたばっかなんだぞ!?

 機体剛性も装甲強度も二倍以上あがっているはずだ!

 なのに!? 腕がもげるだと!?

 細かいことは何一つわからんが、こいつはいったい!?

 アークの神経細胞が高速回転を開始。アークの知覚を未知の領域まで連れて行く。アークの肉体感覚が、ブールナイトメアの機体へと、その知覚の世界を広げていく。

 時間の流れが、白濁はくだくする粘液のようにねばつきだして、ブルーナイトメアとアークを揺さぶる凄まじい振動の周期が遅くなる。

 詳細しょうさいに知覚できるようになった振動が、巨悪きょあく象徴しょうちょうみたいに巨大きょだい凶悪きょうあくなドリルから発せられるものだけではないことに、アークは気がつく。しかもその振動は、ブルーナイトメアの装甲をえぐり削って、刻一刻こくいっこくとアークへ迫っていた。

 生理的に受け付けない骨身ほねみけずるような甲高い音をたて、ブルーナイトメアのナンジャニウム合金複合積層装甲ごうきんふくごうせきそうそうこうをえぐってけずり、アーク自身へと迫ってくる複数のドリル駆動音!

 ドリルが複数!? だが、黒い機体には右腕の巨悪象徴巨大凶悪きょあくしょうちょうきょだいきょうあくドリルひとつしかなかったはずだ……

「てめえは俺に! いったいナニをしてやがるッ!?」

 ブルーナイトメアに搭載とうさいされた、特殊装備の引き金をアークは引き絞る。

 ブルーナイトメアのバックパック上部から射出しゃしゅつされたブツが、ニューコンチネンタル・オーダニー号のパーティ会場の高い天井に突き刺さる。ブツに搭載されたドローンが複数発射されて空中を浮遊することで、、背中合わせのブルーナイトメアと黒い機体を様々な角度から撮影。

 そして、ブルーナイトメアのメインモニターに映し出されたのは……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ