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海賊放送船イービル・トゥルース号の冒険  作者: 悪魔の海賊出版
第六部

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殺ってごらん遊ばせ! 危険に過ぎるお嬢様ッ!

殺ってごらん遊ばせ! 危険に過ぎるお嬢様ッ!




 アイアンブルーとガンメタルグレイで構成された艦橋で、猫耳付きヘッドセットマイクをサディからたくされたタッヤは、頭のうえに猫耳のせて思考をぐるぐるめぐらせる。

 アークが船からブッ飛んで行った後、残された乗組員のナカで最先任さいせんにんだったサディさんが、臨時暫定指揮官りんじざんていしきかんとしてこの船の指揮をとった。

 そのサディさんまでもが、いま前線に出るという。

 アークもサディさんもいない艦橋で私は、この船の最先任乗組員となってしまった……

 つまり、いまこの船の指揮をまかされたのは私ということで……

 思いがけない成り行きで、いまや臨時暫定指揮官りんじざんていしきかんを示すことになった、AXE入魂の作による猫耳少女変身アイテム。タッヤの頭上でヘッドセットマイクの猫耳がピクピク震える。

 私は覚悟していた。synthetic streamを横断航海おうだんこうかいするのだから、多少のドンパチはあるだろう……

 でも、こんな大立ち回りは想定外。だけど現実はいつも予想以上のやっかいごとを連れてくる。

 ドンパチなんて、私の専門外だし、やろうと思ったこともない。

 でも……

 予算もなにも、次の休暇も給料も、とにかくここから生きてかえらないと話にならない。

 四の五の言ってぼーっとしてたら、この宙域で見てはいけないものをみてしまった一般知的生命体はみんな殺されて、きれいさっぱり隠滅いんめつされてしまうだろう……

 記録も名簿もございません。だからこの宙域に誰がいたかなんてわかりません。

 行方不明? 家出でもしたんじゃないですか?

 アベンカールト銀河でアベンダチ公とパーティだと言っていた? 

 はて、ご到着した記録が一切ございません。おそらく道中で、大宇宙の驚異きょういにごっくんされたのでしょう。

 synthetic streamがそう言ってごまかすのが目に浮かぶ。

 だからイービル・トゥルース号は、想定外のドンパチに打って出た。

 空に向かってぶん投げたなら、そのまま宇宙の果てまで飛んでいきそうな女のコが前線に出るのだから、自力で空を飛べちゃう私もガチでやらないといけないのかもしれない。

 かもしれないなんかじゃない。

 私だってガチにならないと、この船に乗る誰かが死ぬ。この宙域にいる一般知的生命体は、もれなくすべてみつぶされて殺されて、記録までもが隠滅いんめつされてなにもかもなかったことになる。

 ドンパチしたくないから、私は海賊放送船に乗った。でも現実は、誰も彼も彼女までもを戦場につれていく。

 誰も彼も彼女まで生きのびて、私は星の海を旅したい。

 誰も彼も彼女まで生きた世界で、明日の食卓に無事にそろってごはんを食べるために、この船は本気を出さないといけない。それはつまり、イービル・トゥルース号の臨時暫定指揮官りんじざんていしきかんは本気を出さないといけないことは、邪悪なまでに真実だ。

 だけど……

 1番過酷な役目と罪を背負わすのは、頭の上に輪っかどころか背中に羽もなく、しっぽすらもついてやしない、無改造どノーマル状態な女のコ。

 あなたには翼もついていないのに、あなたが空を飛ぼうと決意したのなら、空どころか宇宙の果てまで飛んでいきそうなくらいに、魂がブッ飛んでいる女のコ。

 空を飛べるくらいにブッ飛んでいるのに、大好物は海のさちという猫みたいな女のコ。

 めっちゃ体重軽いのが自慢なんじゃないですか!? と言いたくなるくらい、果てしなく海の幸を生でお腹に放り込んでいく女のコ。

 サディさん。あなたなら、ナマおいおいスター百人前くらいは、ぺろりと食べてしまうのでしょう。

 いったい何ゼニーになるのやら……私のバンソロが震えだします……

 だけど、だけど、だけど!

 あなたが生きて帰ってきてくれるのなら、お腹にヤヴァイ虫がわいちゃうほど食べさせることを約束します!

 私も腹をキメますよ! サディさん!

「帰ってきたら、ナマモノだらけでパーティですよ! いってらっしゃいませ! どいつもこいつも殺りまくり! 危険に過ぎるお嬢様!」

 アイアンブルーとガンメタルグレイで構成された艦橋で、巨大なスズメが猫耳揺らしてビッグなレバースイッチをバッチーン! と倒す!

 通常の三倍以上にかわいく危険な赤い機体を保持ほじするメタル・ギミックが火を吹いて、キャンディアップルレッドとハードでヘヴィなフルアームドメタルボディな野郎どもを突撃刺突衝角とつげきしとつしょうかくの内部を疾走しっそうさせる!

 刺突衝角内部の金属回廊きんぞくかいろうの中を、三機の重メタルマシーンが駆け抜ける!

「いーっ! やっほぉぉ!」

「ヴーーッ! ガーーッ!」

 イービル・トゥルース号に直結されたエネルギーラインをその背に引き連れ駆けぬける、フルアームド状態のキャンディアップルレッド・ホーリーウォールデストロイヤーと、極厚装甲に身を包んだメタル野郎どもの前に、刺突衝角最先端部がぐんぐん迫る!

 ここから先はマジモンの地獄だぜッ!

 そう言いたげな、クッソバイオレンスなドクロが描かれた、ハードでヘヴィな耐圧扉!

「タッヤ! イッチまいなぁッ!」

「シンセティック・ストリームのクソ野郎どもを、地獄の果てまでイカせまくってヤッてくださいませ! ドッログッチャに殺りまくりの危険に過ぎるお嬢様ッ!」

 白骨化したユニコーンの角先つのさきから、ヤッヴァいナニカがドピュンと出ているアイコンが描かれたボタンを、タッヤが羽先でバチコーンとブッ叩く。

 DooooooKAAAAAAAAANNN!!!!!

 突いて突いて深く深くブッ刺さり、おナカのオクまでしっかり届いた長くて太い刺突衝角のマジでヤッヴァイ最先端部が、ドデカイミスター宇宙戦艦様の大事な大事なさらに奥にむかって大爆発!

 全高4銀河標準メートル、通常の三倍以上にヤッヴァイ、ヘヴィ・メタルなあかき巨人が突入して暴力をふりまわす空間を作り出す大爆発が、敵艦の大事なおナカのオクに向かって何もかもをグッチャドログチャにかきわけて進んでく!

 クッソバイオレンスなドクロが描かれた耐圧扉が開かれて、地獄への入場門を作り出す!

「ひざまづけぇぇぇッ! こうべをたれてゆかなめなぁぁぁ! 大事なタマを踏み潰されて、あたしの道に成り果てろぉぉぉ!」

 未来ある少年の大事な大事な聖なる壁が、未来永劫みらいえいごうグッニャングニャンに歪みまくる、全身密着タイプの真っ赤なバトルスーツに包まれた小さなお手々が操縦桿の引き金を引き絞るッ!

 イービル・トゥルース号と直結されたエネルギー・ケーブルから、キャンディアップルレッドのジェネレーター出力を超えた暴力のもとが注ぎこまれる。

 キャンディ・アップルレッドが両椀で構える、ヤヴァくてエッグい熱いナニカを吐き出す暴力装置が、真っ白い濁流だくりゅうを解き放ツ!

「いーーーッ! やっほぉぉぉッ!」

 白い暴力が濁流だくりゅうとなって突撃刺突衝角先端部とつげきしとつしょうかくせんたんぶからあふれ出て、宇宙戦艦内部の奥を熱くとろけさせて熱いドロドロシテル何かに変えてイク!

「ハジメ! エイタ! イービル・トゥルース号をたのんだよ!」

 白い暴力の濁流が生み出した熱く泡立あわだち溶解している回廊かいろうを、火を吹く追加ブースターで駆けるキャンディアップルレッドのナカで、ぴっちりバトルスーツ姿のサディはえた。

「ヴーーッ! ガーーッ!」

 シンセティック・ストリームのクソ野郎を地獄の果てまでイカせまくる、ヴィーンヴィンうなりをあげるエネルギー駆動兵器を構え、驚異的な持続力を約束する極厚装甲に身を包む、ハードでヘヴィなメタル野郎どもが、刺突衝角最先端部しとつしょうかくさいせんたんぶ阿修羅あしゅらの鬼となって立ちはだかる。

 ヘヴィアームド状態のハジメとエイタは、イービル・トゥルース号とエネルギーラインで直結されてる。船のエネルギーが尽きるまで、シンセティック・ストリームはもちゃしない!

 あたしのお船のおナカに一匹たりとも侵入することもできないままに、情けなく地獄の果てまでイカされちまいな。後方にいる時だけいさましい、本当はおちんたまなしのクソカスゴミカスボンクラ坊やどもッ!

 鮮血せんけつがごとく赤い口紅くちべにひいたくちびるを歪ませて、牙みたいにとがった犬歯をむき出し、サディは不敵ふてきに笑う笑う。

 イービル・トゥルース号の砲はイチバチに任せてる。ナニカあったら、イチバチがみんなの大事な生命たまを守ってくれる。

 それ以前に、この状況下でイービル・トゥルース号を撃てるような、ふてえヤツはいやしない。

 旗艦のナカまで深く奥までぶっ刺さってるイービル・トゥルース号を撃ったなら、大事な大事な旗艦様まで一緒にドッカーン!

 ド偉いミスターホワイトカラー様が満載まんさいの旗艦ごと、イービル・トゥルース号を沈める度胸どきょうなんざ奴らにない。

 使えもしない御珍砲おちんぽうとお弾々(タマタマ)をかかえて、大事な大事なてめえの旗艦がガンガンにおナカのオクまで突かれて何もかもをブッ壊されて、目の前でメッチャクチャにされてイクのを、指をくわえてみておいで。

 もんで吸って犯して奪って搾取さくしゅして、古くなったらポイっと捨てる。

 てめえらが散々ふるった暴力の味ってやつを、今てめえらにたっぶりと味わわせてやる!

 さあ、戦う覚悟をみせる時がきた! 

 あたしはたった一機で、この旗艦をメッチャクチャのドログッチャにしてやるのさ!

「アーク! あんたが大宇宙のクソの素アベンシゾーを殺処分するか? あたしがスペースバトルシット・アベンシゾーをブッ壊すか? 競争だよッ!」

 未来ある少年の大事な大事な聖なる壁が、未来永劫みらいえいごうグッニャングニャンに歪みまくる、全身密着タイプの真っ赤なバトルスーツでブッ殺すほどに着飾ったサディを内部に包み込む、ハードでヘヴィな赤きメタルマシーンがその背に死神を引きつれて、ドデカいミスター宇宙戦艦様のおナカのオクを蹂躙じゅうりんしようと駆けていく!

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