あのコが激しく突いて現実突きつけわからせる
あのコが激しく突いて現実突きつけわからせる
「撃て撃て撃て撃てェェェッ!」
絶叫がごとき撃ての令が、ドブラックな壺鉤十字を掲げ、黄金の王冠かぶるフミア・ザヤカ銀河臣民統一教会教祖の像が天を統一しようと両手を広げる、豪華絢爛たる戦闘指揮所の循環空気をビリビリと震わせる!
異次元の異様で異常な高額献金がごとく、すさまじい大量のエネルギーが壺へと注ぎこまれる!
搾り上げて注いだ壺に満ちた富を、破滅を生み出す平和力へと収束させて、大自由神民主主義銀河臣民統一砲四連装八基三十二門が赤黒い光弾を吐き出し続ける!
当たる! 当たる! ドンドン当たる!
命中! 命中! また命中!
たった一隻の少数に百発百中! これは絶対200%の撃沈確定!
大自民統一教会は、過半数を超える圧倒的多数様!
折れよ屈せよ沈黙せよッ! たかが少数の微塵どもッ!
い・や・が・ら・せ・デ・お・も・て・な・し
これが現実、頭お花畑には理解できない社会の理、Space Synthesis Systemのきまりしきたりお家芸!
なのに! なのに!! なのに!!!
沈まない! まったくもって沈まない! どれだけ撃たれようが、折れも屈っしもしないどころか、怯えてひるむことすらありゃしない!
主砲に副砲機銃までもが沈黙し、ただの一発も撃ち返せもしないのに、ド旧式なドクロ艦はなにひとつ恐れることなく突っ込んでくる!
艦首の巨大なドクロから、太くて長くて先っちょがマジでヤヴァイ! 死の棘を生やした艦がグングン迫ってガンガン突こうとやってくる!
ドブラックな壺鉤十字を掲げ、黄金の王冠かぶるフミア・ザヤカ銀河臣民統一教会教祖の像が天を統一しようと両手を広げる、豪華絢爛たる戦闘指揮所のメインモニターいっぱいに、巨大なドクロが満ちている!
「沈みません! 所属不明! 正体不明! 学歴職歴住所性的指向一切不明(がくれきしょくれきじゅうしょせいていしこういっさいふめい)のド旧式ドクロ艦! まったく沈みません!」
Space Synthesis System中枢閣によって、宇宙最強唯一無二の絶対無敵圧倒的抑止力と閣議決定された、大自由神民主主義銀河臣民統一砲が生でドバドバ出しまくりの平和力による斉射をものともせずに、懐かしい未来感漂うデザインをしたド旧式ドクロ艦が迫って迫ってやってくるッ!
「相対距離10宇宙キロッ! このままではド旧式ドクロ艦と正面衝突! 衝角によって艦をつらぬかれてしまいます!」
「命令は撃沈であるのだゾッ! 沈められないとは、それはつまり命令違反であるのダゾッ!」
肌身に迫るマジモンの危機に、synthetic streamの意味不明な言葉があふれだす!
「想定外ダッ! 我が艦がブチ抜かれるなんてのは想定外ダッ!」
「互いにやり合う双方向の白兵戦など、我々は一切同意してないゾッ! これは我が方の同意なき、不同意戦闘罪ではないカッ!」
「おかーさーん! おかーさん! 僕、無理やりヤラレちゃうよぉぉぉ〜!」
悲痛な悲鳴が響いて悲劇の様相に乱れてあえぐ戦闘指揮所に、老人恥的生命体の声が高く響く!
「ナティーヌみてぇに、戦う覚悟をキメやがれぇッ!」
ビシッと白で揃えたギャラクシー・893ファッションに身を包んだ肉体半溶解状態の老恥的生命体が、金玉座のうえで肉体下部の生殖器官をおったてて、白い液体信号をピュッピュと発し、白兵戦用意ッ! の意思を表明する!
「マニュータ・ロー副総統陛下ッ! 森羅万象宇宙戦艦一番艦アベンシゾーは、大自由神民主主義銀河臣民統一砲のほこる圧倒的超々遠距離射撃を主体として、現場に一切足を踏み入れることなく、相手の射程外から一方的に徹底的に平和力を注入することを本分とする艦です! 現場に足を踏み入れてやりあう双方向行為自体が想定にありませんッ!」
ドブラックな壺鉤十字を掲げ、黄金の王冠かぶるフミア・ザヤカ銀河臣民統一教会教祖の像が天を統一しようと両手を広げる、豪華絢爛たる戦闘指揮所に、悲痛に悶える権畜達の悲鳴が響いて悲劇の様相。
「みぞゆうの危機にィッ! 戦う覚悟がなけりゃぁ! (俺を)守れねぇだろうがよぉ!」
ビシッと白でそろえたギャラクシー・893ファッションに身を包んだ肉体半溶解状態の老恥的生命体が、格安リアクターを使い始めてから急速に歪んでしまったひしゃげた口でまくしたてる!
「想定外です! こんなことは想定外ですッ! まさか!」
「まさかッ! まさかぁぁぁッ! 折れも屈服もしないで、立ち向かってくるなんてぇぇ!」
「学徒出陣した勇猛果敢なロリショタを撃てもしない頭お花畑のアマちゃんどもは、一方的に滅多撃ちにあって、折れて屈して沈没し、永遠に沈黙するはずなのにぃぃぃッ!」
「転進ッ! 転進ダッ!」
「想定では、絶対200%の確率でとっくの昔にド旧式ドクロ艦を沈めているため、転進する時間はもう……」
「森羅万象をつかさどる総統陛下が不沈艦と呼んだ艦なのだ! 絶対に沈むわけにはいかぬッ! 回避だ! なんとしてでも回避するのだ!」
「口をつつしめぇぇぇぇッ! 回避などではないッ! 転進であるぞ! 前に進んでいるのだ! 転進は断じて回避などではないッ!」
「転進を! 副総統陛下! 転進のご英断をッ!」
意味をなさない議論が重ねられて加速して、ぐるりぐるりと回ってドロリドロリと停滞する。
回避だ、いや転進だ、つまりは別方向に前進するのだ! いや、前進などとんでもない! いまはとにかくケツまくって逃げるのだ!
てめぇら、みぞゆうの危機なんだ! お国のために戦って、(この俺を)守りやがれぃッ!
頭がおかしくなりそうな、既知の外の言葉達がクルクル周り、パーッと意味なく消えていく。
総員右向け右で右に寄ったネトウヨが前にならって雁首並べて大行進!
奇怪なお花が狂い咲く素敵なお花畑を、勇ましい響きの軍靴の音高く、らん、らーらら、らんらんらん!
貴重な銀河標準秒がイチ秒、二秒、四秒、八秒過ぎる。意味をなさない既知の外言葉が、クルクル回ってパーッと消えて、ひたすら時間が浪費されていく。
そして……
結局、具体的な対処を一切できない森羅万象宇宙戦艦アベンシゾーの戦闘指揮所に、ついに破滅的な時がやってきた。
森羅万象をつかさどると豪語する、ドデカいミスター最強の宇宙戦艦様に、太くて長くて先っちょがマジでヤヴァイ! ド旧式ドクロ艦の刺突衝角がブッ刺さるッ!
ハードでヘヴィなメタル製のエッグいブツが、不沈艦の大事なお膜をえぐり貫きブチ破り、内部へとすさまじい速度で突進して奥深くへと挿入されていく。精密で緻密な機密たっぷりの金属臓器をかきまわし、ぐっちゃドロドロの鉄くれに変えながら、おナカのオクへむかってガンガン突いて侵攻してくる!
響く! 揺るがす! 震わせる! 大事な旗艦をガンガンに突いてくる残虐過ぎる暴力が!
ドブラックな壺鈎十字を掲げ、カルト宗教の教祖様が両手を広げる戦闘指揮所が、ガンガン突かれて揺れてイク!
血が凍る! 肉が震える! 骨身が恐怖に砕かれる!
「あああぁぁぁァァァアアアあああッ!!!!」
悲鳴が漏れた。悲痛が満ちた。
後方勤務が前線勤務に変わり、これからやってくる最前線でもって殺されるであろう自分への悲哀が、何よりも悲しい涙を流して悲劇を生み出した。
相手の射程外から、一方的に平和力を注ぎ込んで滅多撃ちにし続けることを本分とする艦に乗り込んだ権畜達は、否認することのできない戦争をおナマでブチこまれた現実に直面して、心の底から恐怖した。
自分は後方、やられる前に射程外から、一方的に平和力を注ぎ込んで滅多撃ちで叩きつぶす!
そういう反撃能力を行使する、積極的平和行動だったはずなのに……
おナマでおまえの艦にブチ込んて、殺戮の雄叫びをあげながらガンガンにおまえを突いてヤルぞと、野蛮生命体どもが侵攻してきたのだ!
想定外の現実が! 予想もしなかった現実が! 残虐で残酷な過酷すぎる現実が! いま権畜達に突きつけられて、肉と骨身をガンガン突いて揺さぶり震わし、涙がこぼれて落ちて血が凍る!
艦が揺れるッ! 床が震える、壁が震える、天井が震える! 戦闘指揮所のすべてが揺れているッ!
凶悪なドクロから生える死の棘がえぐって突いてかきまわす振動がすべてを震わし、骨身がぶるぶるガクガクされて逝きそうだっ!
膝がゲラゲラ笑って、ガクガク震えた。頭の中がグラグラして、お国がどうとか、そんなのもうどうでもイイッ!
出ちゃう! デちゃう! 科学戦隊めいたカッコいい軍服のおナカに、ドッバドバともう出てるッ!
「戦闘指揮所を緊急閉鎖ぁぁぁ! 戦闘指揮所を緊急閉鎖ぁぁぁ!」
「全区画、耐圧扉閉鎖ッ! 各ブロックを閉鎖せよぉぉぉ!」
「すべての通路を封鎖せよぉぉぉ! 白兵戦力の侵入を阻止する幾重もの防御幕を作り出セッ! 絶対防衛線を構築し、戦闘指揮所への侵入をどこまでも絶対に許すなッ!」
これから自らの肉体をナマの戦争にブチこまれて侵されて、徹底的に破壊される恐怖に精神を侵された権畜達の対処は、指揮命令一切待たずにすみやかなる保身行動を実行する。
だが、積極的平和行動中の無断離脱は、反積極的平和主義者としての重罪ゆえに即時銃殺刑!
ここから逃げる命令をなんとしてでもいただかないと、ここから逃げ切っても後から生物学的に必ずBAN!
「マニュータ・ロー副総統陛下ッ! 想定外の事態ですッ! これは想定外の事態ですッ! 相手の射程外から一方的に叩くことを想定した森羅万象宇宙戦艦に、白兵戦の備えはありませんッ! 総員退艦のご英断をッ!」
否認することのできないナマでブチこまれた戦争を、先送りするためにできることはすべてした。あとは、なんとか稼いだ時間の中で、とにかく保身をはかって逃げるだけ!
しかし……
権畜達が総員退艦命令を期待する金玉座は、すでにもぬけのからだった。
ビシッと白でそろえたギャラクシー893ファッションにキメた、半溶解状態の老恥的生命体は、とっくの昔にバックレていなかった。
「はあああ!?」
権畜達の間抜けな声が、ドブラックな壺鉤十字を掲げ、黄金の王冠かぶるフミア・ザヤカ銀河臣民統一教会教祖の像が天を統一しようと両手を広げる、豪華絢爛たる戦闘指揮所に満ちる。
我先にと逃げたのか?!
あれだけ戦う覚悟がどうだとか! 散々言ってきたではないか!?
ナティーヌ・ドイシダーみてぇにしゃんとしやがれと、あれだけ勇猛果敢に激を飛ばしていたではないか!?
ナティーヌ・ドイシダーの総統、アベルフ・シンゾラーがごとくにヤッていたではないかッ!?
なのに、いの一番に、何もかもをほうりだし、自分だけとっととバックレるのか!?
てめえが逃げるのなら、俺達にも逃げろと言って逃げやがれ!
知的生命体として最低限の考えもありゃしない!
やっぱりあんの野郎は、未曾有の無能なアホウ駄郎ッ!
すっからかんの金玉座を顔面蒼白でぼーっとみつめる権畜達の身を、艦をブチ抜いた刺突衝角がガンガンに突いてくる強烈な振動が揺さぶり震わし、否認することのできない過酷な現実を突いて突いて突きつけるッ!




