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海賊放送船イービル・トゥルース号の冒険  作者: 悪魔の海賊出版
第六部

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皆殺しの雄叫び

皆殺しの雄叫び




 凶悪きょうあくな破壊力をほこる三連装砲塔二基六門が鎮座ちんざする、イービル・トゥルース号甲板の先端から、紅蓮ぐれんの炎が吐き出される!

 船首ドクロを包み込む紅蓮ぐれんの炎の中から、ブルーナイトメア・スーパーエクスキューションとアークを仕込んだ、たった一発のフルメタルジャケット弾が現れて、星の海を満たす時空を切り裂いて飛んでいく!

 いまアークは、アベンシゾーを狙うたった一発の青い凶弾となって、ニューコンチネンタル・オーダニー号に向かって突き進む!


 フルボディアーマーでギチギチに詰まったの操縦席に、ガンガンに響く女の声。


 あんなデッカイ船に、ごまんと護衛がつまってるんだ!

 こいつはもう、ドロッドロッでグッチャグチャの殺り放題だよ!

 タマがカラッケツになるその向こう側まで、思う存分にヤッてきな!

 残忍で残酷な冷酷極まる悪魔みたいな暴威ぼうい! アーク・マーカイザック!


 真に空なる宇宙をふるわせる電磁振動にのって、フルメタル仕立の残虐兵器の内部に届いた女の声に、アークは右の親指を立て、はっはっはっはと笑う。

「俺がみこんだ、通常の三倍以上に危険な女。マシンガン・サディよ。イービル・トゥルース号を頼んだぜ!」

 


「いっくよぉぉぉ!」

 漆黒しっこく真紅しんくの着物のそでをたすきでくくり、ヘッドセットマイクから生える猫耳を頭にのせたサディの声が、アイアンブルーとガンメタルグレイで構成された艦橋に響く!

 漆黒のマニキュアえる小さなお手々が、巨大なリヴォルバーカノンの引き金を引き絞る。

 それぞれが明後日あさっての方向に向けられた主砲塔が、一斉に宇宙空間に紅蓮ぐれんの炎を解き放ツ!

 艦橋をゆるがし震わす轟音ごうおん! ブ厚い硬化テクタイト製窓のむこうでまたたいていた星星ほしぼしを一瞬で大流星群に変える科学技術は、もう魔法とみわけがつかない!

「くッそがぁぁぁッ!」

 なつかしいドレトロな未来感たっぷりの、ガチでバチバチに武装したマジモンの宇宙戦艦を大回転させる主砲塔の反動に、銀河イチ逃げ足の早い操縦士が毒づきながら全力で対抗たいこう

 まともな奴にネチョネチョに粘着質ねんちゃくしつな奴らがウヨウヨと群がるがごとく集まってくる、公厳警察とSystem Schutzstaffel混成艦隊へ、海賊放送船イービル・トゥルース号はドクロを向ける。

「エニグマ・エンジン! おーーばぁぁ、ドラーイブぅ!」

 猫耳つきヘッドセットマイクに、サディが叫ぶ!

「大穴を当てるというか、いまは包囲網に大穴あけないとなぁ」

 機関室が生み出すメカニカルな騒音そうおんの中で、コタヌーンの声がのんびりと響く。

「ヤロウドモッ! メタルボディデ、ツッコムゾッ!」

 メタルヘッドに赤いバンダナ巻いた、イクト・フタロクのホットな号令!

「ヴーーッ! ガーーッ!!」

 メタルヘッドに緑バンダナ巻いたメタル野郎どもがえ、ガチャコンガチャコン巨大なメカを動かし操る!

「レッドゾーンのむこうがわを、ついにみてしまうのかもしれません!」

 あらゆる数値がレッドゾーンに突入する計器類の前にいるオクタヌーンの声にまで、ふだんあり得ない興奮こうふんが聞き取れる。

 たった一隻でsynthetic streamに対抗し得る、驚愕驚異きょうがくきょういな船の素敵なケツに、アッツイ青き炎が燃えあがる!

「いくよッ! ネガ! 包囲網とか言うクソで作ったクソリングからクソ全力でバックレるんだ! エニグマ・エンジンのタマが空っけつになるまでしぼりだすよ!」

 空席となったアークの席をはさんで届くサディの声に、

「イービル・トゥルース号、全力逃走! 了解ッ!」

 ネガは力強く逃走を宣言!

 イービル・トゥルース号のうるわしきケツを華麗かれいに振って、宇宙の果てのレストランまでブッ飛ばすがごとく、推力調整すいりょくちょうせいペダルをアイアンブルーの床までネガは踏み込む。

 イービル・トゥルース号二番目の乗組員であるアークから、ガチでバチバチなマジモンのドンパチをたくされた、三番目の乗組員サディが猫耳付きヘッドセットマイクにがなりだす!


 本船はこれより、最大速力で形成されつつある包囲網に接近!

 通常の三倍以上に危険な女、マシンガン・サディと呼ばれたあたしの、本気ってヤツをみせつける!

 抵抗ていこうすることもできない一般知的生命体を、圧倒的多数でよってたかって一方的につぶしてぶっ殺そうとしている、シンセティック・ストリームのクソ野郎どもの大事な大事なおちんたまが二度とたちあがれないように、このあたしがブッ潰してまわるのさ!

 二度と殺れない身体に、このあたしがしてやるよぉ!

 ドクソのシンセティック・ストリームのクソ大虐殺から、一隻でも多く生きて帰すんだ!

 これが海賊船の矜持きょうじってやつさ!


「イービル・トゥルース号は海賊放送船であって、海賊船ではありません! それと、船のタマが空っケツになるまで撃つなんて、財務的にあり得ません! と言いたいところですが、ここから生きて帰らないと、財務がどうとかそういう話にすらなりません! 生きて帰れる範囲でブッ放しちゃってください!」

 これから受けるであろう壮絶そうぜつな砲撃にあらがうために、対抗障壁領域を生み出す逆位相ジェネレーターのオーバードライヴに備えるタッヤが叫ぶ。

「シンセティック・ストリーム艦隊の構成は、最前列に、オッマポ・ダワンワン級、さらに後方にケイサ・ツコッカ級、包囲網の外縁がいえんに、System Schutzstaffel突撃艦、その背後にアベンシゾー級ネームシップ・ドデカいミスター宇宙戦艦様、つまり旗艦が隠れているものと思われます!」

 明滅めいめつする光点の群れが生み出す不気味な輪をにらみ、艦影照合かんえいしょうごうを続けていたAXEが、包囲網の布陣ふじんを読み解いた。

 そしてミーマが、緊急事態の状況判断を開始する。


 常識的に判断すれば、艦隊規模の武装艦に包囲された状態からの生存は、あり得ないものと状況を判断せざるを得ません。

 ですが、多数の船にまぎれてここまでたどりついた、ガチでバチバチなマジモンの戦争屋みたいな本船の存在は、今現在シンセティック・ストリームの計算に入っていません。

 抵抗ていこうすることもできない少数弱者を、圧倒的過半数で袋叩ふくろだたきにしてつぶす。

 ぬる過ぎる計算を乱すことが可能な、イービル・トゥルース号がいるのなら!

 生きて帰ることは万がイチのもしかしてレベル以上に、実現可能であると状況を判断します!


 ミーマが半透明の拳を握りしめ、絶望的だが、絶対に絶命することをとはしないと見極めた。

「イクゾ! メタルボディノ、ヤロウドモッ! ロボットニ! ジンケンヲッ!」

 ギンラギラにギラつくメタル・フィストをイクト・ジュウゾウがアイアンブルーの天に突き上げ、イービル・トゥルース号各の持ち場で駆動する、ギンギラメタルボディの仲間たちにカツをいれる!

「ヴーーッ! ガーーッ!!」

 海賊放送船をドライヴさせる、ギンギラメタルボディの野郎どもが、各所でヘヴィな雄叫おたけびをあげる!

 サディの小さなお手々が武器管制盤上をすばやく叩く。巨大なリヴォルバーカノンの左隣りに、六本の銃身を束ねたガトリング砲を模した操作桿が出現。

「撃つぞぉぉぉッ!!!」

 サディが銀髪を振り乱して両の拳を握りしめ、牙のように尖った犬歯をむきだし叫び、殺意に満ちた気合を入れる。

 サディの小さな左のお手々が、巨大なガトリング砲を握り、小さな右のお手々が巨大なリヴォルバーカノンを握る。

 鮮血みたいに赤い口紅映えるお顔を主砲照準器に突っ込んで、真っ赤なリンゴみたいに赤い瞳には、通常の三倍以上に危険な光がギラリと光る!

「シンセティック・ストリームのクソ野郎ぉぉぉ! どいつもこいつも、くたばりやがれぇぇぇッ!」

 牙みたいに尖った犬歯をむきだし、両のちいさなお手々に握ったハードでヘヴィーなメタル製のブルータルなブツの引き金を、サディは思いっきり引き絞るッ!

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