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海賊放送船イービル・トゥルース号の冒険  作者: 悪魔の海賊出版
第五部 紅と蒼 & BLACK PINK

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開戦! 第二次スカイカイト戦役!

開戦! 第二次スカイカイト戦役!




「こいつはきものすわった、最高にイカした女王様だぜ!」

 めいいっぱい倒したシートから飛び起きたアークが、艦橋前面のブ厚い硬化テクタイト製モニターに表示されたBLACK PINKなツインテール少女に目を輝かせる!

 そんなアークに、サディの真っ赤なリンゴみたいに赤い瞳が、痛いほどの殺気さっきをみなぎらせた赤い光弾がごとき視線をブスリとぶっ刺す!

「あたしは良いシンセティック・ストリームをやまほど作れる、ガチでバチバチにきものすわった、マジでカワイイ女の子だよッ!」

 サディが叫び。

 ガッツーン!

 バッチューン!

 バトルスカートから伸びるサディの素敵すてきなおみ足が、アイアンブルーとガンメタルグレイの艦橋構造物かんきょうこうぞうぶつをバトルブーツで蹴っ飛ばし、通常の三倍以上に危険な赤い火花を散らす!

「……あ、いや、まあ、そうだな。積極的平和推進使節団せっきょくてきへいわすいしんしせつだんなんて言う、アホウタロウのケツノアナみたいな無能なことをしでかしたら、こうなるのは目に見えているわけで……。スカイカイト女王の対応は、ごくごくしごくフツーな対応であるわけで……」

 通常の三倍級に青い顔に表情を一変させたアークが、ぶるぶると震えながら言う。

「そうよ。どう考えてもフツーの対応だよ。アークはもちろん、わかるよね?」

 とサディが、アークをギロリとにらみつけて言う。

「わかります!」

 つい最近、サディの素敵なブーツにくるまれたあんよによって、これでもかとわからされてしまったアークは、背筋せすじをビシリとのばしてそう言った。

「く、くそがぁ……」

 真横で繰り広げられるアッツアツのイチャコラにちぢみあがった、ネガの震える声がガスマスクかられた時。

「公開チャンネル通信が、一方的にシンセティック・ストリームによって切断されました!」

 ミーマの緊迫感きんぱくかんあふれる状況報告が走る。

「SS艦隊が動きます! 第二次スカイカイト戦役せんえきがはじまる!」

 レーダー盤を注視ちゅうしするAXEの声が艦橋に響く。



 ドBLACKな壺鉤十字つぼかぎじゅうじかかげた、華美かびな戦闘指揮所の最上段の玉座ぎょくざで、効能多漏がギャラクシー・ヤクザのごとく背もたれに横柄おうへいにもたれかかり、ブラックホールの特異点とくいてんもかくやという高圧をただよわせて言いはなつ。

完全かんぜんに生物学的にBANが確定かくていしたぞ。スカイカイトの未開野蛮盛みかいやばんざかりなロリメスが」

 効能多漏の言葉に、アベガスキー5663が金ピカ時計ロレックズを巻いた腕をあげ、ドBLACKな壺鉤十字つぼかぎじゅうじにまっすぐに右の手刀しゅとうを向けて、権畜どもに訓示くんじを開始する。


 効能多漏閣下率こうのうたろうかっかひきいる積極的平和主義推進使節団(せっきょくてきへいわしゅぎすいしんしせつだん)は、武力における侵略行為実行宣言しんりゃくこういじっこうせんげん同等どうとう無礼極ぶれいきわまる誹謗中傷ひぼうちゅうしょうによる先制攻撃を受けた。

 これは、圧倒的な戦争抑止力をかかげ、積極的に平和を推進すいしんしようとスカイカイト星系に平和的に歩み寄った我々への、暴力を持っての挑戦ちょうせんである!

 このような暴力的極ぼうりょくてききわまる戦争主義者どもを、我々積極的平和主義者は絶対に許してはならない。

 彼奴きゃつらの先制攻撃から、我らは大宇宙の平和を積極的に平和を推進し専制守護せんせいしゅごすることをここに宣言せんげんするッ!

 大宇宙の平和を乱す、未開野蛮みかいやばんきわみの無知蒙昧むちもうまいたるならず者テロ国家、スカイカイト星系に対して、積極的平和主義推進使節団(せっきょくてきへいわしゅぎすいしんしせつだん)は全艦の平和力行使によって、すみやかなる平和回復のための平定行動を開始せよッ!

 これは訓練ではないッ! だが、戦争でもないッ!

 全力を持って、平和の積極的維持せっきょくてきいじ貢献こうけんするのだッ!


「イエス! マイ・システムッ!」

 総立そうだちになった権畜・ナンバーズ達が、手刀を作った右腕をまっすぐに効能多漏に伸ばし、アベガスキー5663に呼応こおうするッ!


 積極的平和主義推進使節団(せっきょくてきへいわしゅぎすいしんしせつだん)、私番号樹脂板わたしばんごうじゅしばんシステム起動!

 全艦統合統制ぜんかんとうごうとうせいによる過程かていて、一致団結いっちだんけつ統一協力とういつきょうりょくでもって、平和力の積極的行使せっきょくてきこうしを開始せよッ!


 効能多漏が横柄極おうへいきわまるギャラクシー・ヤクザ式にもたれる玉座ぎょくざから、破滅的な命令が今、権畜達にくだされるッ!

 ドBLACKな壺鉤十字つぼかぎじゅうじ頂点ちょうてんかかげられたメインモニターに、全身にバーコードの入れずみをいれられ、記号でつぶらな両のお目々をふさがれた、パールインキで描かれたウサギのアイコンが表示される!

私番号樹脂板わたしばんごうじゅしばんはぁぁぁッ! 宇宙一の統一力とういつりょくぅぅぅぅッ!」

 パールインキで描かれたウサギが絶叫! 私番号樹脂板わたしばんごうじゅしばんシステムが完全に起動したことを明示めいじする。

私番号樹脂板わたしばんごうじゅしばんシステム、オールグリーン!」

 権畜・キシダイスキー6754の報告に

「イエス! マイ・システム!」

 権畜総員けんちくそういん呼応こおうして、ドBLACKな壺鉤十字つぼかぎじゅうじ頂点ちょうてんかかげる、華美かびな戦闘指揮所の循環空気じゅんかんくうきふるわせる!

私番号樹脂板わたしばんごうじゅしばんシステム統合一番艦隊とうごういちばんかんたい積極的平和力行使命令せっきょくてきへいわりょくこうしめいれいッ! 最前列さいぜんれつ構成こうせいする艦隊より、積極的平和行動を開始せよッ! スカイカイトの無知蒙昧野蛮生命体共むちもうまいやばんせいめいたいどもつぶし、徹底的てっていてきに平定し宇宙の平和を回復せよッ!」

 最上段の玉座に、最下級のギャラクシー・ヤクザのごとき風体ふうたい君臨くんりんする効能多漏の威圧的いあつてき大音声だいおんじょうッ!

「イエス! マイ・システムッ!」

 権畜達の呼応こおうが、ドBLACKな壺鉤十字つぼかぎじゅうじかかげる、華美かびな戦闘指揮所をふるわせる!



 アイアンブルーとガンメタルグレイで構成された艦橋前面、ブ厚い硬化テクタイト製窓を染める赤黒い閃光。

「シンセティック・ストリーム艦隊発砲!」

 極大威力のビーム兵器が発生させる電磁的衝撃波が、AXEのみつめるレーダー盤上に赤黒い光弾がきざ爪痕つめあとを走らせる。

「なんじゃそりゃぁぁぁぁぁっ!?」

 超々遠距離を視認しにんできる主砲照準器に、えいっ! とお顔を突っ込んだサディが叫ぶ!

「そんなにクソスゲエ艦砲射撃なのか!?」

 アークが驚愕きょうがくの表情で、主砲照準器にお顔を突っ込んでいるサディに視線をむける。

「あ……。あ……」

 レーダー盤をみつめるAXEが、言葉にならない声をあげる。

「まさか、たったの一斉射で……。スカイカイト星域艦隊群が消滅しょうめつ……。とか……」

 ミーマがぶるぶる震えながら言う。

「そんなぁ。シンセティック・ストリームの艦は、ピンハネ中抜き公金チューチューで、中身スカスカのハリボテ艦のはずなのに……」

 銀河イチエネルギー消費量の少ない計算機バンソロを、タッヤが必死で弾きまくりながら、スカイカイト星域艦隊群すべてを沈められるエネルギー量を計算しようとする。

「ズイブン、イツモトチガウジャネエカ……」

 イクト・ジュウゾウの声が静かに響く。

「ちょっとこれは、判断をあやまっちゃったかなぁ」

 と機関室直結通信機きかんしつちょっけつつうしんきから、コタヌーン。

「過去の歴史に、こだわり過ぎたのかもしれません」

 と言ったのはオクタヌーン。

「くそがぁぁぁ!」

 この現場から逃亡することを許されない、ネガの悪態あくたい炸裂さくれつ

「ちがう……。全滅ぜんめつなんかじゃない……」

 サディとAXEの震える声が、不気味な不協和音ふきょうわおかんを生み出す。

「いったい何が起きている!?」

 アークが自席から上半身をめいいっぱい左にひねり、サディとAXEに視線を向けて、ふたりの言わんとすることを読み取ろうとする。

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