酒と地球の詩篇
『深夜のウィスキイ』
ウィスキイが止まらない
止まらないウィスキイ
走り続ける
『嬢竜種の秘密』
糖質ゼロ
だがカロリイは高い
迂闊に吸いすぎるな
火傷する前に太るぞ!
嬢竜種はすぐ蒸留酒に変わるものだ
『肥える』
スマートとスレンダーと太陽の関係
メシ食うことじゃない
盲いたスルメイカになればいいのさ
身を炙る肴の律動
飲めや飲め飲めの音頭
地球が回る 回り出す
今夜、ピンク色の軽自動車に乗って
お巡りさんに捕まることができるか、君は!
『チャリ』
酔っ払いおじさん
チャリでフラフラ
職質警官に止められて
無視して止まらない
怒った警官に追っかけられて
ドブに落ちる
お前のせいだコノヤロー
チャリがおじさんを叱りつける
『ベビーサンライト塩ラーメン』
おおつまみ
塩を含んだつまみ
押し寄せるおおつまみ
その滴をおそるおそるひとつまみ
晴れた日には
赤ちゃんもビーチで肌を焼く
『ドブでロック』
ドブに落ちた自転車が
ギター取り出して歌い出す
花のようにクロモリフレームをくねくねさせて
タイヤくるくる
頭もくるくる
口がないのに
どこから歌う
はいっ
使わなくても
ちゃんとベルはつけてますから
『好き酒』
どうして
お酒を飲むと
人恋しくなるのだろう
インターネット
動画サイト
そこにいないと
わかっている人と
会話はじめる酔っ払い
『地球』
この星には
びっしり人間が
お酒を飲んで
暮らしている
夢を見て
幻を見て
いい気分になって
どんどこどん
『チャリで地球を走る酔っ払い』
キイコ キイコ
キイコ キイコ
キイコ キイコ
どこへ行く
『忘れてた』
しまったな
ごはんにもち麦入れるの
忘れてた